thereさんの投稿一覧

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41 - 50件目/全83件
  1. 評価:5.000 5.0

    確かに、ミステリではない。

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    この作家さんの作品は、他の作品に関しても、本作品の主人公に似たようなキャラクターが複数出てきます。しかし、この作品の整くんは、断トツでクセが強く、現実にいれば確実に社会適応が困難なタイプです。場の空気は一切読まず、大学のレポートを読み上げるかのように、社会の不都合な真実を口にし、黙殺されている理不尽に斬り込み、場合によっては相手を正論で追い込みます。ミステリの体裁を取りつつ、作者が主人公の口を通して世の中に物申している、と言うような作品です。人気俳優がキャスティングされて映像化されたので、幅広い層が整くんに出会ったのではないでしょうか。我が家も、漫画は私しか読んでいませんでしたが、ドラマは夫がはまってました。社会派作品です。

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  2. 評価:4.000 4.0

    大御所の作品

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    沢山の登場人物が出てきますが、私は蝉丸というキャラが好きでした。おちゃらけポジションで、作家さんのご年齢が高いためか?だいぶオジサンくさいふざけ方をしていて、カッコよくはないんですが。不遇な幼少期を送っているにもかかわらず、愛情を求める側ではなく、愛情を注ぐ側にいられる青年です。報われない片思いをしていて、その女の子を抱き止めた拍子に、うっかり抱きしめてしまうシーンが切なく、印象的です。登場人物を極限状態に置くことで、それぞれのキャラクターの人間性が、わかりやすく表現されている作品です。

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  3. 評価:5.000 5.0

    主人公が超優秀な努力家

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    極道から足を洗った男性が主夫業をしたら…という発想が画期的です。確かに元極道なら、就職は困難を極めるでしょうから、経済力のある女性のパートナーとなり、全力で彼女を支える、という選択肢には、ぎりぎりのリアリティを感じます。元は命のやり取りがある超ブラックな職場にいた主人公なので、主夫業を死ぬ気でこなしており、仕事の完成度は完璧以上です。極道の主人公目線で地域の婦人会?なども描かれており、そこでも彼の流儀で義理を重んじ、全力で参加します。ギャグ漫画なので、笑えれば十分ですけれど、これ程の努力家で、能力も高い主人公が、極道で生きてきた背景が気になります。

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  4. 評価:5.000 5.0

    しがらみからの脱出物語

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    女性向けの漫画であるのなら、仰天するほど雑な絵で、ちょっと怯みます。岡田あーみんとか、しりあがり寿を彷彿とさせる、独特な個性の絵柄です。なので、個人的な楽しみというよりは、読む必要性があって読んだ、という感じだったのですが、とても斬新な作品でした。ヒロインはかなりイタい女性です。ひたすら相手に合わせていて、自分というものがないので、仲間内からも軽く見られており、彼氏からも雑に扱われています。そんな彼女がどんな生い立ちから出来上がったのかが描かれ、また、呪いに近いしがらみから抜け出て自分を構築していく物語です。田舎の閉塞的なコミュニティで生きる息苦しさや、母親との関係性など、ズルズルと重い鉄球を引きずりながら生きているかのようなヒロインですが、全体的にギャグっぽい空気が漂っており、暗い気持ちにはなりません。とはいえ、社会や人生の薄暗い部分を扱った作品なので、「漫画にそんなものは求めてないです」と言う方には、不向きだと思います。思い切った挑戦がなされている、素晴らしい作品だと思います。

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  5. 評価:4.000 4.0

    なにしろ小説家ですしね。

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    槇生の視点に共感するひとと、槇生の姉の視点に共感するひとに分かれるんじゃないでしょうか。「そんな当たり前の事もできないの」という姉はマジョリティで、槇生はマイノリティ。槇生は、常識に疑問を挟まず、当たり前の事を何事もなくソツなくこなすタイプの人物ではありません。会社の雇われで働いたら、間違いなく不適応を起こすタイプと思われます。とても正直で、誠実なので、「あたりさわりない事を適当」に言うことはありません。そんな彼女が、両親を一度に失った姪の朝ちゃんを引き取ります。姪が気の毒だからとか、叔母として放って置けないからではなく、相応しくない場所に多感な年頃の子を置きたくない、というような動機です。通常なら、槇生のようなタイプの人間にとっては、最もあり得ない選択と思われますが、想定外の出来事が、彼女の生活に変化を与えます。血縁という、選択の余地のない人間関係を含む、人との繋がりについて考えさせられる作品です。

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  6. 評価:3.000 3.0

    過労死寸前では。

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    積極的にさっさと死んで、ショートカットで転生モノならではのチートを得ようとする主人公というのは、特殊な設定ですが…。設定はあるものの、数話読んでも、ストーリーらしいストーリーは展開しません。いきなり巨乳の女性が降ってきて、全裸で主人公に軟膏?を塗らせたり、女性の下半身を煽り上げるショットが入ったりします。そして主人公は鼻血を出しています。…なにやら投げやりな感じが漂う作品です。勢いにヤケクソを感じます。勝手な推測ですが、過労死しそうになっているのは、この作品の制作者では?と心配になりました。見当違いである事を祈ります。

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  7. 評価:4.000 4.0

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    「本の虫」という事で、社交は苦手だけれど、知識が豊富なヒロイン。その豊富な知識を生かし、王太子の政務を支えます。家族からも、パートナーからも愛されているヒロインで、安心して見守る事ができます。ヒロインの家は、家族が全体的に学者気質で、知識欲はあるものの上昇志向には乏しいため、華やかな表舞台には立たないけれど、王家のブレインとして機能しており、ヒロインはそんな家族からも強力に守られています。フンワリした可愛いイメージのヒロインですが、後ろ盾も含め、最強キャラと言えます。

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  8. 評価:5.000 5.0

    主人公と一緒に山に登っている感じ

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    登山家の方々にも、色んな方がおられると思いますが、この作品の主人公は、山に登る人生以外の選択肢がない、というようなタイプの人物に思えます。彼にとっての登山は、ぎりぎり社会性を保った、しかし内実は限りなく自傷行為に近い意味を持つ行動のように感じました。山は容赦なく奪うだけでなく、与える事にも豊かな場所で、結果的に、主人公に社会的な役割や人との繋がりを与えてくれます。圧倒的な画力の高さがリアリティを与えており、その分主人公の心情を追いかけていく事が、苦しく感じられる作品でもあります。

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  9. 評価:5.000 5.0

    作者が若者を励ましているかのような作品

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    オムニバスです。複数作品で、自己肯定感が低い、いじけた男女が主人公になっています。ですが、ユーモアのあるキャラなので、愛着が持てます。周囲から小バカにされていたり、失礼な陰口を叩かれたりし、デリケートな主人公たちは深く傷付いていますが、ありのままの彼らの魅力に気付いている異性との関係性を通して自信を持ち、周囲も魅力に気づく、というような流れです。読者の視点は「周囲の人」目線で固定されており、主人公たちは最初はモッサリしたビジュアルのデフォルメがされていますが、ラストシーンでは、十分可愛かったり、普段のスーツ姿でいても、十分色気のある男性だったりします。年長の作者が、若者たちに「あなたは十分魅力的だよ、」「見る目のないヤツの言うことなんか気にするな」と励ましているかのような作品です。

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  10. 評価:5.000 5.0

    ラブコメを装う社会派作品

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    偽装結婚モノですが、2人の恋愛物語というよりは、職業としての主婦業にスポットが当ててあり、そもそも結婚とはなんだろう?というテーマの物語だと思います。ヒロインをある程度、理屈っぽい頭脳派に設定した上で、「にもかかわらず、家事代行業のバイト」をしている状況を作るために、「臨床心理士」を取得したものの職に就けなかった、という流れにしたのかな、と思います(確かに学業を積んでも、なかなかポストがない職業だからね)。多くの人が、「まあそんなものだ」と、立ち止まって考えもしないようなところで、「小賢しい」ヒロインは立ち止まります。「結婚したなら当たり前」「主婦ってそんなもの」と、多くの人が思考停止に陥っている部分に斬り込んだ作品です。ヒロインはそんな感じのキャラなので、少なくとも可愛らしいタイプの女性ではありません。テレビドラマでは、みくりさんを人気俳優が演じる事で、愛されキャラとなりました。新垣結衣さんが、「私が演じる事で、みくりを可愛い、と言って頂けるのは嬉しい」というようなコメントをしているのを耳にしましたが、偏屈なヒロインを、多くの人に共感的に受け入れられるようなキャラとして演じる努力をされたんじゃないかな、と感じた事でした。

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