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1 - 4件目/全4件

  1. 評価:4.000 4.0

    NEW
    タイトルどおり、初恋物語

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    美女と野獣と、人魚姫を混ぜたような設定で、真実の愛が得られなかったら死んじゃうヒーローは「暴君ネロ」というハイブリッドな物語です。暴君ネロ、と言っても、恵まれない幼年期を過ごしてグレた思春期男子を「暴君ネロ(笑)」と呼んでみた、というレベルの扱いで、たぶんあまり意味はありません。ネロは、女性と性的な関係を結んだ経験は豊富でも、まともに恋もした事がない様子で、真実の愛からは程遠い地点にいます。対して、手痛い失恋を経験しているヒロインは、ネロよりは大人ですが、元彼は一体どこが良かったのかわからないメガネキノコで、だいぶ男を見る目がなかったと思われます。そんな2人が「真実の愛」を探すストーリー。それはいつの時代でも人を惹きつけるテーマなんだな、と感じます。全体にうっすらユーモアが漂う作品で、気軽に楽しめます。また、成人男性の着ぐるみに少年が入っているようなネロのキャラクターは、女性受けする魅力満載かと思われます。…と、ここまで書いておいて何ですが、何しろ初恋物語ですし、全体的に若いコ向けの内容(恐らく「暴君」にわざわざ「王」と付け加えているのも、暴君、だけではイメージがわかない読者に対する配慮でしょう)と思われ、おばちゃんは途中離脱です。

    • 0
  2. 評価:5.000 5.0

    圧倒的かつ立体的な面白さ

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    アニメや、実写映画化もされていますが、そのような形ではちょっと表現しづらい内容もあるので、原作を読むとより作品世界を楽しめるかと思います。アイヌの少女と日露戦争から帰還した青年がそれぞれ、父親の行方を追うためや、アイヌの隠された金塊を追うために一緒に旅をする物語ですが、この、まだ女性にはなっていない少女と20代の青年、という設定が、ありがちな展開を避けさせ、二人の関係性に清潔感を与えています。戦争や病気が狂わす人生や、アイヌ文化、仲間同士の絆や裏切り、リアルなアクションなど、色々な要素が盛り込まれている豊かな作品ですが、私は少女アシリパさんの初恋物語として読むのも、マニアックな楽しみ方の一つかな、と思います。若くして様々な地獄をくぐり抜けて来た主人公の、それでも失われていないピュアな心が魅力的です。

    • 1
  3. 評価:5.000 5.0

    女性の自立を描いた作品

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    夫の死後、悪妻として伯爵家を追い出され、最終的にはのたれ死んだヒロインが、もう一度同じ人生を生き直したら…という設定。ヒロインは、二度と同じ顛末になるものか、と自ら行動を起こし、最初は自己保身を目的に、夫とコミュニケーションをはかり始めます。そうした中で、無口で愛想のない夫が、実はとんでもなく誠実な人で、幼くして政略結婚させられたヒロインの人生に責任を感じ、できうる限りの全てで彼女を大切にしていた事が徐々に明らかになり、夫婦の関係性が変化して行きます。(年の差カップルですが、ヒロインがまだ10代という設定なので、旦那様も十分若く、枯れてる感はまったくありません)一度目の人生で、夫や実家の家族といった、男性に頼るのみの人生の危うさに気付いているヒロインが、領地の女主人としてレースやろうそくの産業を起こし、自分だけでなく、領民の女性たちにも手に職をつけさせて行きます。変な王子様にヒロインが気に入られる、という災難があり、それに対抗してより夫婦の絆が強まる、という物語の流れはありますが、基本的には、女性たちが主体的な人生を獲得する過程が描かれている作品だと思います。戦争の英雄で、いわゆるスパダリの伯爵が、これでもか!というくらい、妻であるヒロインを大切にしているところや、2度目の人生で築いていく、侍女や騎士たちとの心温まる関係性も見どころです。

    • 3
  4. 評価:5.000 5.0

    自己肯定感の獲得の過程が描かれている

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    物語の枠組みとしては、「美人の姉妹と比較され、親から虐待を受けてきた公爵令嬢が、政略結婚で身分の低い騎士のところに嫁に出されたが、俺様系のハンサムな旦那様に思いのほか溺愛される」という、ありがちなものですが、この作品の素晴らしいところは、一見陳腐な設定にきちんとした肉付けがされているところです。ハンサムな旦那様は、美しいけれど異民族の血を引いている事がひと目でわかる、褐色の肌と黒い瞳の男性で、作品世界観では差別の対象とされています。最下層の身分から、実力のみでのし上がり、ドラゴン討伐に成功して英雄となっていますが、それは公爵家に利用され、命の危険と引き換えに、結果的に手にした栄光です。また、ヒロインは、公爵家の跡継ぎとして機能する男児でなく、さらに吃音がある事から良縁も期待できない、という理由で父親に折檻されて育ち、存在を否定され続けた生い立ちがあります。物語では、「自分は誰にも必要とされてない」と感じているヒロインが、同じく愛情に飢えている旦那様に強く求め続けられる事で、戸惑いながらも変化していく様子が描かれています。なかなか相手の愛情を信頼できなかったり、一時的な幸せを感じても、今度はその幸せを失う恐怖を感じたりしつつ、旦那様とその周囲の人達との信頼関係を築いて行きます。旦那様とは種類の違う愛情で、ヒロインをほどよく助けたり、魔法の先生として知識や技術を教えたりする魔法使いの青年も、彼女の変化のキーマンになっています。(むしろ彼との友情のほうが、旦那様の独占欲の強い愛よりも彼女を成長させてはいます)重たいテーマを、コミカルな場面も交えて軽快に描いている、魅力的な作品です。もちろん、ヒロインの美しいコスチュームや、旦那様の裏返した製氷皿みたいな腹筋、美形率の高い騎士たちも見どころです。

    • 8
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