4.0
10代の方々にオススメ。
残酷な悲恋からの転生で、前世の恋を成就するお話です。父が悪徳領主であったとはいえ、自分自身は愛されて育ったヒロイン。使用人の少年と恋人同士になりますが、実はその少年はクーデターのリーダーで、家族もヒロインも処刑されます。転生後、かつての恋人で、いまは領主となった青年の屋敷に使用人として雇われ、再会したヒロインと青年がもう一度関係性を取り戻すお話です。このお話を読むだけなら、それなりに感情移入できるのかもしれないのですが、似たような設定で、さらに優れた作品がすでにあるので、比較してしまいました。かつて自分を裏切り、家族を死に追いやった恋人に向ける、ヒロインの感情や葛藤が、もっと深く描かれていたら凄い!と思ったのかもしれないのですが…。ヒロインが「美しい心のよい子」すぎるので、リアリティに欠けると感じてしまいました。テーマの重さの割に、ヒロインの苦悩の描写はライトな感じです。でも、読者層を10代くらいに設定してあるのであれば、このくらいの描写で丁度良いのかも知れません。
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狼領主のお嬢様