5.0
ただの溺愛ストーリーではありません
ストーリーも絵も素晴らしく、毎週金曜0時を心待ちにして、最初から何度も読み返しています。
幼い頃から能無し呼ばわりされてきて自己肯定感の低いマクシーは、愛する人の役に立ちたい一心で、敵襲の矢面に立ったり、被災地へ救助に向かったりと、お嬢様育ちの身を張って努力を重ねます。そして魔法の才能があるといわれたのを機に、ヒーラーという大きな夢に目覚めるのです。
一方、身分違いの恋が叶って結婚できたリフタンは、マクシーに何不自由なく贅沢な暮らしをさせることを最たる愛情表現としています。マクシーがごくたまに見せる笑顔に最上の幸せを感じ、苦労はカケラも味わわせたくない。
結婚当初ぎこちなかった2人は、どんどん愛を深め合っていくのに、その愛の行く先は次第にすれ違っていってしまいます。
マクシーの涙ぐましい承認欲求を、リフタンはどう受け入れていくのか…。ただの溺愛ストーリーではない深いテーマを感じます。
物語が進むにつれて、純粋にラブラブなシーンばかりでは済まなくなりそうでハラハラしますが、それぞれの葛藤を乗り越えたハッピーエンドが待っていることを願っています!
2人の周囲の人々も個性豊かに描かれていて、とりわけ、マクシーを支え導いてくれる魔法使いのルースや、奔放で輝くような魅力を放つアグネス王女の、フラットな心のあり方に惹かれます。
アート顔負けの美しい背景イラストはこの作品の大きな魅力です。
2人が乗馬デートするアナトールの秋の自然、朝の光から夕焼け、そして宵闇へと移りゆく空など、心奪われ何度も見直しました。
できることなら、韓国の制作スタジオの現場を覗いて、どうやって描いているのか知りたいくらい。
世界的な話題作とのことなので、いつかテレビ等でドキュメンタリー番組を放映してくれないかな。原作者や作画チームのことももっと知りたいです。フルカラーの紙のコミック本や原作本の翻訳も待ち遠しいです。
- 15
オークの樹の下