4.0
愛憎入り乱れる復讐劇
よくある悪役令嬢とヒロインの入れ替わりかと思いきや、皇太子は野心に溺れる謀略家で二人の衝突の原因であり、ヒロインの命すら利用するつもりだったという衝撃の展開。Wヒロインというか、公爵令嬢がヒーローというべきか。
お互いの人生も思っていたのとかなり違い、ヒロインは神力の都合で軟禁されて育ち、公爵令嬢は虐待親の関心を引くため猛烈な努力を重ねていた。公爵は残酷で理不尽な人物で、乳母を殺害。それを看取ることになった幼馴染みは罪悪感と忠誠心、恋慕が入り交じる激情を公爵令嬢に抱き、入れ替わったヒロインに厳しく接する。ヒロインも努力するものの地雷を踏み抜いてしまう。とはいえ自分を愛情など微塵もなく使い捨てるつもりだった皇太子を目の当たりにし、公爵令嬢を一途に慕う幼馴染みに憧れのようなものを抱く。どこまでも利己的な公爵に対しては公爵令嬢なら考え付かない方法で逆襲したものの、乱入した皇太子が告白してくる謎の展開。神力に気づいたのか何なのか。
一方ヒロインに入れ替わった公爵令嬢は、入れ替わりの真相を究明するうちに皇太子の謀略で殺されかける。持ち前の剣技を発揮するも、鍛えていないヒロインの身体では厳しく追い詰められる。ある人物の助けで乗り越え、偽装工作を図るがこの時ついた嘘が後に問題になる。
そうこうするうちに王家に破滅の託宣が降りて、 闘争はますます混迷を極めていく。
複雑でシビアな展開ですが、スリル満点で引き込まれます。
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君の全てを奪いたい【タテヨミ】