5.0
とりあえず殴ってみる系聖女
神聖力を失った役立たず聖女アナベルは、借金返済の為に変態オヤジに売られる事に。恋も知らず教会とオヤジに売られるだけの人生なんてイヤー!!と云うわけで最後の思い出作りに、とりあえず目の前にいた超絶美形の騎士さまに告白したアナベル。……けれど数日後。その美形騎士から求婚をされてしまう。美しく、優しく、清廉で高潔な騎士リュカ。そんな彼は、なぜか背後に巨大な呪いのもやを背負っていた。
と云う訳で、王太子の身代わりになったリュカの呪いを解く方法は真実の愛を見つけ出す事。その為にアナベルが尽力していくお話なんですが、このアナベルがなかなか逞しい。邪魔な輩は始末しようとするし、大司教は無意識にフライパンでぶん殴るし、ご令嬢は水攻めで自白させるし。けれど自分を救う為に必死でどこか捨て身なアナベルを、リュカはいつしか守ってあげたいと思うように。呪いの影響で黒いもやに包まれても解決呪の影響で3日間光り続けても全てを受け入れるリュカ様、心が広すぎません?でもアナベルに他の男が近付いただけで黒い笑顔を浮かべるリュカ様、心が狭すぎません?
けれどこのお話の魅力の一つは、とにかく面白くてテンポの良い登場人物のやり取り。「世間一般には呪われた婚約者をお見送りする時なんて声をかけるんでしょう」「世間一般には婚約者は呪われていない」とか「ナレ)リュカ様はそれから三日三晩ずっと光り続けていた」「まぁ人生色々ありますから。時に光っていることくらいありますよね」「あるか!!」とか。とにかく会話が楽しい。
あと、気持ちが通じた後のバカップルにいつまでも失恋弄られる王太子が不憫可愛い(後で報われます)呪いが使い魔化したわんこが可愛い(たまになんか黒い手が出る)ついでにツンデレ執事がちょろい。出てくる人物も魅力的で楽しく最後まで読めました。ただ、後半になると(よくある事ですが)ポイントが上がるのにページが少なくなるので、その点がマイナス。でもすごく綺麗な終わり方なので完走する価値はあると思います。
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役立たず聖女と呪われた聖騎士《思い出づくりで告白したら求婚&溺愛されました》