[小説]これで満足しましたか?~騙された聖女は好きな人も仲間も全部捨てたのに王子が追ってくる~魔王討伐編
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あらすじ
「これで、満足しましたか?」感情のない笑顔で私は共に戦った王子たちに問い掛ける。聖女として異世界転移させられた私は――魔王討伐後の帰還を信じて、たくさんの想いを呑み込んできたのに。「すまぬ、召喚術はあっても帰還術はないのだ」元の世界に帰してくれるというのは嘘だった。裏切られた聖女は想いを寄せていた王子エルドレットにすら、何も言わず姿を消した。――四年後、再会した聖女ヒカリとエルドレットは……この世界の仕組みを知る。これは世界を救った聖女と、世界から彼女がいなくなって初めてその意味に気付いた王子の物語。大改稿加筆で贈る、小説家になろうで大人気、聖女召喚譚新機軸!
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「これで、満足しましたか?」感情のない笑顔で私は共に戦った王子たちに問い掛ける。聖女として異世界転移させられた私は――魔王討伐後の帰還を信じて、たくさんの想いを呑み込んできたのに。「すまぬ、召喚術はあっても帰還術はないのだ」元の世界に帰してくれるというのは嘘だった。裏切られた聖女は想いを寄せていた王子エルドレットにすら、何も言わず姿を消した。――四年後、再会した聖女ヒカリとエルドレットは……この世界の仕組みを知る。これは世界を救った聖女と、世界から彼女がいなくなって初めてその意味に気付いた王子の物語。大改稿加筆で贈る、小説家になろうで大人気、聖女召喚譚新機軸!
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みんなのレビュー
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意図しない悪意の恐ろしさ
なろう連載で大好き……と言う言葉では表せない、色んな想いを抱かされた作品の書籍版。あちらには無かったエルドレット視点の補足があると知って飛び付きました。なぜエルがあんなにも一途に献身的にピカリを愛するのか。彼の執着はどこから来るのかを知ることが出来て大満足でした。ピカリの本当の名前は光。辛くて苦しい失うばかりだったエルの世界で、彼女こそは希望の光そのものだったんだろう。例えそれが、罪悪感や後ろめたさを抱えた物だったとしても。
そして、この物語の根幹にあるのは、人の悪意なき悪意なんだろう。何らかの理由があるから仕方ない。そう、誰もか他人に対して犯した罪を悪気なく正当化してしまう。例えば、この世界を救う為だから異世界から聖女召還と言う強制らちをするのは仕方ない。聖女を旅立たせる為だから、魔王を倒しても帰還出来ない事を隠しておくのは仕方ない。だって、そうしないとこの国の人間が沢山死ぬことになるのだから、と。そんな悪意なき悪意のつけを一人で背負わされたヒカリに、ただ一人自身の罪を認め償おうとしたのは、第三王子で共に旅した勇者エルだけだった。他の人間は、無理矢理異世界に連れて来られる人間の悲しみになんて気付こうとしない……。そんな彼らが悪人でないからこそ、このお話はやりきれないのだと思う。
誰もが、家族を失苦しみを理解し他人が傷つく事に心を痛める普通の人間。ただ何故か、その対象には無理矢理召喚された異世界人と言う「異物」は含まれない。そんな無意識の感覚が作り出した世界の真相を知った時に、作品を読んでいる側も本当に苦しい腹立たしい気持ちになってしまった。重くて辛い衝撃的な作品だけど、是非読んでみて欲しい作品。書き下ろしで、エルとヒカリのその後を読めてかなり救われた気持ちになりました。by すずふ- 0
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