チールーさんの投稿一覧

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21 - 30件目/全132件
  1. 評価:5.000 5.0

    幸せになってほしい

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    祖国のために隣国の第一王子に嫁いだ主人公。ところが夫は愛人を作りまくり、正妻である主人公をないがしろにします。姑である王妃にもいびられ、それでも主人公は祖国のために献身的に公務をこなし続けます。

    ある夜、公の場で夫の愛人の1人に転ばされワインをかけられた主人公。夫は主人公に手を差し伸べず、それどころか叱り飛ばしてきました。主人公は涙ながらに宮殿を飛び出し、夢中で庭を走っていたら、薔薇に囲まれた美しい建物にたどり着き、そこにいた不思議な銀髪の青年に遭遇して……。

    物語冒頭の説明から読み解くに、この銀髪イケメンは、腹違いの第二王子だと想像できます。彼はなぜか主人公を知っていて、自分の結婚相手だと言い放ちます。
    過去に2人にどんな接点があったのか、なぜ自分の結婚相手だと言うのか、第二王子と主人公のこの先の展開が楽しみです。できるならば、主人公には第一王子ではなく第二王子と幸せになってほしい。道のりは平坦ではないでしょうけれど。願わくば、主人公の有能ぶりを知る王様が2人の味方になってくれたら何より心強いのですが……。

    • 2
  2. 評価:5.000 5.0

    祝・フルカラー版

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    少し彩度を抑えたレトロな印象の色彩が、作風に合っていてとても良いです。

    改めて1話目から読んで、主人公の実家のメンツの性格の悪さに辟易しました。姉妹はともかく、無条件に子供を愛するのが親の本能でしょうに。

    旦那様が麗しく、主人公もとても美しい。出会うべくして出会った2人だと思います。素敵なフルカラーで2人のこの先を読ませていただきます。

    • 1
  3. 評価:5.000 5.0

    瞬時に惹きつけられる

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    読み始めてすぐに没頭しました。ストーリーも絵も素晴らしく、登場人物たちの魅力にハートを鷲掴みにされました。
    陽気で情に厚い青年アルマと、クールとオラオラが同居する女性タオの2人が、表向きは繁華街の問題解決屋として、裏では禍々しい化け物相手の掃除屋として活躍するストーリーです。

    最初のエピソードで、アルマの出自が明かされます。辛い宿命を背負って生まれてきたアルマが、人として人のために生きようと心に決めて戦う姿に、胸を打たれます。

    エピソードの面白さが抜群です。話ごとに出てくる登場人物たちに感情移入しながら読んでいます。

    • 2
  4. 評価:5.000 5.0

    会話が軽妙でクセになる

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    タイトルを見ると、ドロドロまたは病み系だと推測されますが、違いました。なんとラブコメでした。
    しかも『墜落』なんですね。私はパッと見『堕落』と読み間違えてしまいました。なるほど主人公のJKは、堕落はしていないですもんね。墜落は何度かありますが。

    ちょっとネガティヴな主人公JKと、生徒たちから『廃人』と呼ばれる男性教師のお話。周囲の生徒たちや他の教師たちがほどよく絡んで、ストーリーはテンポよく進んでいきます。
    主人公はいわゆる陰キャですが、実は話すと面白いし、とても優しい心を持っています。真面目ゆえ真剣に悩みすぎるきらいがあり、なんだかんだで時々墜落します。
    廃人教師は、いつもけだるげでニコチンまみれで言動もクズめですが、実は生徒のことをさりげなく導いたりもしています。悪い生徒へのアプローチも絶妙で、教師としての問題解決能力は高いと感じます。ふとした時に漏れ出る大人の男のカッコよさにも注目です。

    この作品の魅力は、なんと言っても会話だと思います。軽快なテンポとセンス抜群の言葉選びで、どんどん読まされます。思わずクスッと笑ったり、お腹を抱えてしまうほど笑ったり、2人の会話にとにかく笑わせてもらいました。

    • 0
  5. 評価:5.000 5.0

    知りたくなる

    先が気になって、絵の秘密が知りたくて……どんどん読ませる惹きつけ方がさすがです。
    この数枚の絵、真相がわかる前からなんだか不気味で怖いんですよね。

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    読む側も気合が必要

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    それぞれが別の極道の家に生まれた男女のストーリーです。2人は高校生で、同じ学校に通っています。……と紹介すると、2人の学校生活を中心とした恋愛ストーリーのようにも聞こえますが、全く違います。
    特に主人公の女子。わりと普通の感覚を持った常識人なんだなと思いながら読み進めていると、突然に頭をぶん殴られるような衝撃的なエピソードがぶっ込まれてきます。やはり体に流れる血はヤクザのそれ。常人ではありえない肝の据わり方や、誰にも侵させない確固たるプライドがあり、その極端さたるや、うっかりのほほんと読み始めると思考が追いつかず困惑してしまうほどです。けれどその人物像を受け入れ、しっかり心構えをして読むと、彼女の魅力がどんどんと見えてきます。
    男子の方はわりとわかりやすくヤバい人ですが、色々と謎もあります。これから少しずつ秘密が暴かれていくのかと。

    ヤクザものの作品ということもあり、暴力描写が含まれます。苦手な方はご注意を。

    • 2
  7. 評価:5.000 5.0

    痛み

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    大好きな妹を病で失った姉と、妹の婚約者。二人が苦しみながらも惹かれ合い、互いを必要としていくストーリーです。
    妹の死後に二人が恋愛関係に……というだけの話ではなく、実は妹の生前からそれが芽生えていて、さらには妹がそれに気づいていたという、複雑な状況です。姉の気持ち、彼の想い、亡き妹の残した『呪い』。それらが丁寧に、胸にズンとくる重さをもって描写されています。

    この物語の主人公である姉は、いつも明るく元気で、それでいてどこか空回りしているような、痛々しいような印象を受けます。一見すると快活なのに、その姿になんだか心がざわつく。

    『痛み』の表現が秀逸です。本編はもちろんのこと、表紙絵や扉絵など、随所になんとも胸を締めつける痛みが描かれています。
    そうした痛みを抱いて、生きていくこと。二人が出した答えが心に沁み入る、物語のラストです。

    • 3
  8. 評価:5.000 5.0

    ゆっくり、ゆっくり

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    旅行会社に勤める男女二人が、海外赴任(独身者対象)を回避するため、『結婚する』と周囲に嘘をつくことから始まるストーリーです。
    ところがこの二人、実際には人とのコミュニケーションが苦手で、結婚どころか恋愛もままならず、それぞれが自分の趣味や好きなものを最優先にしたお一人様生活を送っている状態。各々の現状を守るための作戦だからと実行に移したものの、突然に結婚を偽装するなんて高難度にもほどがあるわけです。
    緊張しすぎて挙動不審ですらある二人の偽婚約者ぶりをよそに、嘘の結婚話はあっという間に周囲に広まり、職場の人たちや互いの親族までを巻き込んでいきます。そのうち二人は、お互いを意識し始めて……。

    拾った猫を大切に育てている大原君と、地図を見るのが大好きな本城寺さん。二人の不器用でこじらせ気味なやり取りは、かなりじれったいです。サクッとスパッと進行してほしい読者には向いていないと思います。臆病で遠回りな恋愛を温かい目で気長に見守る作業が好きな方におすすめです。

    • 1
  9. 評価:5.000 5.0

    美しい

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    絵がとても綺麗ですね。フルカラーがより一層、登場人物たちの魅力を引き立てています。

    仙女ではない主人公と、仙女である姉。けれどそれはあくまでも目に見える能力だけのことで、慈愛の心を持つ主人公の方がよほど仙女に相応しい。あのような汚い心の姉が、仙女であるはずがない。私はそう感じました。人を癒す力というものは、生まれつき備わった能力だけで測れるものではないと思います。

    軍神がカッコいい。そしてとても優しく温かい。惚れます。
    それぞれ辛い生い立ちの二人が出会って、互いを慈しむ姿がとても美しく尊いです。

    • 2
  10. 評価:5.000 5.0

    大自然と生命と、青春

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    都会で受験戦争に挫折し、農業高校エゾノーに入学した八軒君のお話です。
    中学の担任に勧められるまま訪れた農業の現場は、八軒君にとって驚きの連続でした。生徒たちはガチで農業を学びに来た農家の跡取りばかり。誰もがしっかりした将来のビジョンを持っています。夢も何も持たずにやって来た八軒君は、なんだか肩身の狭い気持ちになってしまいます。
    早朝から当番で鶏の世話、授業で豚の世話、馬術部で馬の世話、バイトで牛の世話……とにかく動物の世話、世話、世話。体力勝負の毎日が目まぐるしく過ぎていきます。

    そんな日々の生活の中で、八軒君は、畜産において避けることのできない現実と向き合うことになります。それは、『育てた動物は出荷して肉になる』という現実。名前までつけて大切に世話をした豚の出荷に直面した時、八軒君が悩みに悩み抜いて出した答えには、ぐっとくるものがありました。何が正解なのかは私にはわかりませんが、命について悩み抜くことこそに意味があるのだと感じました。
    ちなみに、凄惨さは抑えられていますが屠殺の描写などが多少ありますので、極端に苦手な方は注意が必要かも知れません。

    都会っ子の八軒君と農業ガチ勢の同級生たちとの関係は案外うまくいっていて、面倒な頼まれごとを断らず、苦手なことにも真摯に取り組む八軒君の人間性を、皆が認めて応援し、頼りにしてもいます。受験のトラウマに苦しんできた八軒君にとって、そんなエゾノーでの生活はかけがえのない青春の日々になっていきます。

    作者さんの実体験が反映された作品ということもあり、農業高校での実習や寮生活、行事、部活、農家でのアルバイトなどの様々な場面がとても詳しく活き活きと描かれています。ばんえい競馬の様子などもリアルに描写されていて、地元民には嬉しい限りです。

    ストーリーに笑いをふんだんに盛り込んでいるところがまた良い。お腹を抱えて笑ってしまう場面も多くあります。工業高校との意地の張り合いや、ブラジャー紛失事件などが私にはツボでした。

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