5.0
子供たちの存在
新撰組を描いたストーリーは数多あれど、子供を主役とする構成は珍しいのではないでしょうか。
主人公・におは、とあるきっかけで土方歳三と沖田総司と知り合い、土方に誘われて壬生浪士組に入隊します。『子供が辛い目に遭う世の中を変えたい』その一心で、におは真っ直ぐに成長していきます。
壬生浪士組には、におの他にも太郎とはじめという子供がいて、3人の子供たちは互いに影響を受け合いながら一緒の時間を過ごしています。境遇も考え方も違う3人ですが、時にもめたりしながらも揃って前へと進んでいく様子には青春を感じます。
また、ストーリーの随所に町の子供たちのエピソードがあり、この作品の視点はいつもそこにあるのだと実感します。
歴史ものを扱う作品は、必ず歴史的なネタバレを伴います。近藤勇が、土方歳三が、沖田総司が、いつどこでどのように命を落とすか、私たちは知っています。新撰組がどうなっていくか、全ては盛大にネタバレされています。
その史実の中で、におはどう生きるのか。子供たちは何を感じ、どう行動するのか。それがこの漫画の最大の見どころだと私は思います。
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青のミブロ