5.0
芸術の残酷さがリアル
無料だったので読んでみた。
芸術が分かっている作者だなぁと思う。
稼げないバレエを進路に取るか、自分の夢と現実を天秤にかけるところ。
一流のダンサーが一流の指導者とはかぎらないこと。
周りを無自覚に犠牲にする一流の芸術家の性(さが)。
特に西洋文化であるバレエを、非西洋文化の人間が踊る「文化の壁」まで言及しているのは凄いと思う。
奏の成長の物語ではあるけれど、その周りで描かれる芸術の残酷さがリアル。
他のレビューにもあったが、肉体描写の稚拙さが惜しい。
人体のバランスが悪く、特に脚の筋肉の表現がほぼない。リアルでなくて良いので、バレエのテクニックが分かる程度の筋肉の表現があると、より説得力のある作品になったと思う。
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絢爛たるグランドセーヌ