5.0
結構ネタバレするので、気になるかたは飛ばしてください。
身寄りもなく(後に父親と10年ぶりに再会)、職も家も失った主人公ジェナが探して辿り着いた住み込みの仕事はメイド。
奇妙なお屋敷で、夜になると幽霊のようなものが廊下を歩き回ったり、無数の手が伸びてきたり、ルームメイトが突然消えたり、地下室に死体があったり。
奥さまは穏やかでお嬢様は意地悪。
頼りになるイーサン。
しかし、黒幕は全てイーサン。
意地悪に見えたお嬢様も実はジェナの事を思った優しい子だった。
外部から来た人以外、つまり屋敷の人は、皆死者でした。
外部から来たヒューバートや先生は、結局何者なのかわからない。
神父とか、牧師とか、そういう職業なのだろう、と思える。
しかし、生死の狭間を行き来したり、魂を案内するところを見ると、最初は死神の類いか?とも思った。
ジェナも死者の集まる屋敷に間違えて案内されたのだ。
屋敷を消そうとしているようなヒューバート、では何故死者の魂をその屋敷に案内していたのか?これは謎。
屋敷からいなくなる=成仏出来た、屋敷から抜け出せる=生還する、ととらえるのが良さそうだった。
なぜ、屋敷が出来たのか、最後の方で説明しているけど、皆と一緒にいたいと思ったお嬢様が作ったという。
しかし、屋敷に閉じこめているのはイーサン。
過去に使用人を殺めたのもイーサンのようだ。
何故、お嬢様の願望によって作られた屋敷で、イーサンが閉じこめることが出来たのかは謎。
何のために?奥さまのためだと言うけれども、何が奥様のためになっているのか、どういう意図なのかが、説明不足というか、細かいところが分からない。
単に私の理解力不足なのかもしれませんが。
謎解きのような面白さに引き込まれて読み進めても、解決せずに新しい謎が出てくる、結果、何だったの?という感じでした。
一人の少女の、生死を彷徨っている最中に経験したあの世とこの世の境の物語、というところかな。
最後は結末が知りたくて意地で読んでたところがあったかも。
出きれば、その後の皆の行く末をもう少し描いて欲しかったです。
- 1
BLIND NINE