3.0
後半の復讐劇も苦しい。
無料分153話まで読みました。
皆さんおっしゃるように、初めはひたすらいじめられます。読むのがとても辛いです。レビューで復讐するとわかっていたので、ひたすら反撃するのを待っていました。
そしてようやく反撃する日が来ました。死ななくて良かった。そして、「悪者には制裁を!」とこちらも主人公を応援していました。主人公はそれまでと違い、精神的にも能力も強くなっていて、どんどん加害者たちを追い詰めます。どんどんどんどん追い詰めて、止めません。ここからが読者の分かれ道ですが、「いいぞ、もっとやれ」という人と「もう良いから止めて」という人に分かれると思います。私は後者でした。でも、ここまですることについて、また、ここまでしてもいいのか、などなど、とても考えさせられました。単なる「目には目を歯には歯を」ではない。命をかけた殺し合いでした。いじめる側にもいじめる理由はありましたが、その対象が主人公である理由はありませんでした。きっかけは第三者が作ったもので。
復讐ものは大好きでよく読みます。理不尽に傷つけられた人がやり返すのは気持ちが良いし、やった人が懲らしめられ、反省してほしい気持ちがあります。でも、この作品は読んでいて苦しかった。反撃して、主人公が優位に立っても、それでも苦しかった。ころされかけたからころしていいのか、すごく悩みました。戦争と同じです。作者は単なる勧善懲悪を描きたかったんじゃない。命のこと。それを描こうとして、あんなにも心の声の多い作品を描いたのだと思います。非常に読後感の複雑な作品です。
- 1