羊の夢
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あらすじ
初音は、口数の少ない少女だった。幼い頃に父を亡くし、母親と二人で暮らしているが、親子の会話は乏しい。母親は父のない娘を気遣う前に、夫を失った現実をいまだ受け入れることができなかった。貯金も頼る親族もなく、一人子育てをして疲弊する毎日――。一方の初音は、苦しむ母を見て、その原因は自分にあると思っていた。初音の居場所は、学校にも存在せず、彼女は時折空想の世界へと逃げ込んだ。そこでは、顔を強張らせることも言いよどむこともなく、思い通りの自分でいることができたから。初音は日に日に、空想に耽ることが増えていったが、誰もそのことに気づかなかった。そうして現実を捨てた彼女は、やがて羊の夢に迷い込むが――。
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みんなのレビュー
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涙がとまらない
不器用なお母さんと、初音ちゃんの ぎこちない愛情、最後に解けて良かったです。羊飼いは 実は羊で、亡きお父さんにも 成れて、精神世界を旅する魔法使いに見えました。あと、中2のホルン奏者くん、本当に 良い子で 亡きお父さんが 引き合わせてくれたのかもって思いました。お隣のおばあさんも すごくイイ人。最近 近所付き合いが 無くなってると思いましたが、ちゃんと気付けば、この世界は 優しさで溢れてるんだなぁと思いました。優しい作品をありがとうございました。続編や スピンオフ作品あったら 見たいです。
by 春ナナイロ美- 120
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5.0
泣いてしまった
初音ちゃんは子供なのに、大きな子?と思って、3話まで読んで意味を理解して泣きました。
羊の夢だけがカラーで描写されてる中、唯一現実でカラー描写されたのは最終話の最後。ここで初音ちゃんの髪色がわかり、初めから羊の夢にいたのは現実から逃げ出した母親だったのだとわかります。
母親も初音ちゃんを愛していて、だからこそ不自由な思いをさせないために必死で働いて家事も育児もして…ただきっと成長する初音ちゃんの口を塞ぐ描写があったように、初音ちゃんの声をかけなかったり遮ったりしてしまうことがあったのかもしれません。時に暗い顔して泣く母親に幼い子が明るく声をかけることは難しいでしょうし。
初音ちゃんもいつからか喋ることが苦手になってしまった自分を忙しくてもきちんと育てて関わろうとする母を大切に思っていて、それに応えられない自分をもどかしく思っています。
ホルンを教えてもらえたことはかなりラッキーな偶然でしたが、これからは吹けるようになったホルンが亡き父親の代わりに少しでも母娘の2人を繋ぐ絆になってくれればなあ、と願っています。
中学生くんも隣のおばあちゃんも優しくて、この環境でならきっとしあわせな家族を少しずつ作り上げていけるんじゃないかなあ、と希望が持てる、素敵な世界のお話でした。
不思議な羊さんにも感謝。by 要花- 87
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5.0
3話目を読んだ方がいい
父親を不慮の事故で亡くした母娘の葛藤と孤独との闘い、それでも生きていく懸命さ、小さな希望が描かれていました。
綺麗な絵に見惚れながら読み進め、ラストには思いがけないサプライズも用意されており感極まってしまいました…。結末はあえてネタバレを見ずに、3話目を読んでみて欲しいです。
こんなに素敵な作品に出会わせてくれてありがとうございます!映画化してほしい…by 匿名希望- 33
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1.0
お母さんはめちゃくちゃ頑張って仕事に育児に頑張ってるのに印象悪い表現が多い
娘さんにモヤモヤする
娘さんも大変だろうけど、お母さんだってめちゃくちゃ大変なのに
ホルン吹いたり教えてもらったりできるならもっと家の事手伝ったりいろいろ出来るでしょ
失語症ってわかったら仕事大変なのにちゃんと病院受診させてるし
衣食住足りてるし
お母さんからの愛情が足りないなら、娘さんからのお母さんに向ける愛情も足りないのでは?
他人へのありがとうよりも、まずお母さんへのありがとうじゃないの?
他人に教えてもらったりできるなら、お母さんにもっと関われたのでは?
お母さんだって愛する配偶者を突然娘のせいで亡くしてるだから同じく辛いのにby そらまめ78- 32
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3.0
辛い
高評価だったので読みました。
自分が母親だからでしょうか。お母さんの気持ちが辛くて。
最初のあの医師の言葉は重かったなぁ…アレでもう立ち直れない感ある…
綺麗に終わったけど、結局お母さんが全部背負ってどうにかして自分で立ち直るしかないのは変わりなくて。お母さん自身でどうにかしないといけないの、辛いなって思いました。by すずらん1003- 32
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5.0