4.0
病気ではないと
心が締め付けられます。私は今まで、発達障害の方ときっと過ごしていたはずなのです。でも、ちゃんと理解もせず、接していたのではないかと。
この本に出会って、本当によかったです。
こう考えていたときでした。先日、電車の中で、中学生のグループと出会いました。どうやら、校外学習で、グループごとに移動しているところだったようです。会話が聞こえてきました。
「お前の兄ちゃん、支援級だろ?病気じゃん」と言うのです。胸がドキリとしました。すると、言われた子は冷静な声で「ううん、病気じゃないよ。障害だよ」と返していました。「病気は治るけど、障害は治らない。だから、うまく付きあって、より良く生きるために、支援級で学んでいるんだよ」
13か14ぐらいの年齢で、そう言えることは立派ですが、同時に、いろいろな障害と付き合って生きる家族の姿を想像しました。こう言えるまでに、きっと葛藤があっただろうと思いました。
こう思いを巡らせることができるのも、この本と出会ったおかげです。主人公が社会で生きていく。自分の発達障害と向き合いながら、より良く生きていく。その奮闘をこれからも読んでいきたいと思います。
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リエゾン ーこどものこころ診療所ー