rokaさんの投稿一覧

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評価1 5% 36
71 - 80件目/全147件
  1. 評価:3.000 3.0

    短すぎるけれど

    サイコメトリーの使える私立探偵の話。

    五話完結、というのを完全に見逃して読み始めたので、あまりに早い終幕にびっくりした。
    長ければいい、というものでもないが、五話で終わっていい、という種類の漫画でもないと思う。
    設定上の問題として、こういうのは、様々なサイコメトリーのバリエーションを描いてこそ、面白味が出てくるタイプの作品なのではなかろうか。

    ただまあ、正直、「もっと読みたい」というほどでもなかった。
    私は、妙にひねった助手のキャラ設定が受け入れ難かったのと、「嘘と本当」をめぐるテーマ性みたいなものもどうにも薄っぺらく感じられて、好きになれなかった。

    • 2
  2. 評価:3.000 3.0

    幼い問いと、茶番劇

    「ジンメン」の妙な迫力は買う。

    ただ、人間による他の動物の搾取とか、愛玩という名の自己愛とか、描きたいことはわからないでもないけれど、正直、浅い、薄い、という印象は拭えなかった。

    人間と他の生命との関わりというのをテーマにした漫画、というと、私はどうしても「寄生獣」が浮かぶ。
    比較してもしょうがないとはいえ、どう考えても、本作は「寄生獣」の遥か手前で止まっている。
    私が小学生なら「ふうむ」と思ったかもしれないが、今更そんなに無知にも無垢にもなれない。
    本作が投げかけている問いがあるとして、私は「そんなのわかってるっつーの」と性格の悪い感想しか出てこなかった。
    あまりに幼稚な問いに過ぎて、「寄生獣」の広川市長に会いたくなった。

    百歩譲ってその点を看過しても、主人公たちのやり取りや独白や行動は、どうにも茶番にしか見えなくて、全く入り込めなかった。

    とにかく全てが幼稚だ。
    かといって、子どもが読むにはグロ過ぎる。
    どうすりゃいいんだよ。

    私は動物が好きで、もう少し何かを見出だせる漫画ではないかと思っていたのだが、残念だ。

    • 5
  3. 評価:3.000 3.0

    しょぼすぎる新世界の神

    不幸な毎日を送っていたアイドルオタクの男が「電人」となる話。
    この「電人」というのは、あらゆる電子機器の中を自由に行き来出来る存在で、要するに、ジョジョの四部のレッドホットチリペッパーみたいな人間である。

    全ての電子機器を操れるなんて、この現代社会では無敵の存在であり、デスノートじゃないけれど、まさに新世界の神である。

    しかしまあ、この男の生きる目的(生きているのかも微妙だが)は、売れない推しのアイドルを世界一にする、というしょぼすぎるもので、またそのやり方が、ライバルになる別のアイドルグループの車を事故らせるとか、動画の再生数を億単位で操作するとか、該当アイドルの悪口をネットに書き込む人間を片っ端から始末するとか、いちいち頭が悪い。
    このあたりのアンバランスを「逆にそれがいい」と楽しく読めるか、拍子抜けしてしまうかで、評価が分かれるだろう。

    ただ、電人が引き起こす様々な事件の描写には、画としてはなかなか迫力があった。

    どうでもいいけど、昔、江戸川乱歩が子ども向けに書いた「電人M」という話があったんだが、タイトルの元ネタはそれかな。

    • 4
  4. 評価:3.000 3.0

    ミギーの引用

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    ヒグマの描写はあくまで現実的な中での迫力があって、なかなかスリリングだった。
    ただ、打ち切りっぽいラストには、ちょっとフラストレーションが残った。
    もっと何かを伝えられる漫画になり得たと思うだけに。

    最後、ヒロインがヒグマを始末するときに涙を流すことには賛否あるみたいだが、私は、ヒロインの気持ちがわかる。
    私が半ば異常な動物好きであることとも無関係ではないだろうが、人間から見たらどんなに「残虐」なヒグマでも、私は自分の手で葬り去ることになったなら、悲しくてたまらないと思う。
    私は撃つ。
    自分が可愛いからだ。
    ただ、撃つけれど、「ざまあ見ろ、この化け物が!」というふうには、なれないと思う。
    「ごめんな」としか、言えないと思う。
    そういう自分を偽善的だと思う。
    しかし、変えられない。

    あるB級パニックホラー映画の中で、サミュエル・L・ジャクソンが言っていた。
    「自然は確かに過酷だが、人間の残酷さには勝てない」と。

    あるいは、私の最も好きな漫画のひとつの中で、ミギーが言っていた。
    ある日道で出会った生き物が死んで悲しいのは、人間が暇な動物だからだ、と。
    ミギーは続けた。
    心に暇のある生物、何と素晴らしい、と。

    考えてみれば、私がヒグマに対して抱いた思いというのは、「寄生獣」で新一が後藤に対して抱いた思いと、全く同じだ。
    というか、新一が、私の思いを完璧に代弁してくれて、ミギーがそれをフォローしてくれたのだ。
    あの漫画は、やっぱり凄いね。

    私は、いくら偽善的であろうとも、歪であろうとも、その暇は、失いたくないと思うのだが。

    • 6
  5. 評価:3.000 3.0

    上手い二塁手とホームランバッター

    この作者は、ストーリーテリングに関してはかなり優れた人だと思っている。
    特に、「嫌な話」を語らせたら一級品である。
    「走馬灯株式会社」にしても、「マーダーインカーネイション」(こちらは原作のみ)にしても、「何て嫌なことを考えるんだ」という想像力には舌を巻く。

    その点は、本作でも遺憾なく発揮されているように見えるが、ちょっと悪趣味に走りすぎている気もした。

    加えて、この作者の得意分野は短編であるとも思うので、ストーリーが長きに渡って連続的に展開する作品とは、ちょっと相性が悪いようにも感じた。
    これは正直、「鉄民」でも思った。

    昔、私の好きな小説の中で、生まれついての短編の名手に優れた長編が書けないのは、上手い二塁手がホームランバッターになれないのと同じだ、という意味のくだりがあったが、この作者も、あくまで上手い二塁手なんじゃないか、という気がする。

    • 6
  6. 評価:3.000 3.0

    探偵業の裏表

    「探偵の探偵」をする「対探偵課」なる部署の探偵、という何だか早口言葉みたいな立場の女性探偵を主人公にした漫画。
    原作の小説があるが、未読。

    事件を解決するような小説の中の探偵と、浮気調査ばかりが主たる業務である現実の探偵は違う、というのは私たちの多くが知っているが、もう一歩踏み込んで、一般には知られていない探偵業の裏側を垣間見えるような描写がいくつもあり、まずまず興味深く読めた。

    ただ、話としては、ちょっと大風呂敷を広げすぎた感があり、大手探偵事務所と警察組織を巻き込んだ陰謀の展開には、いささか興醒めしてしまった。
    もう少し小規模なエピソードの集積で成り立つ漫画であったなら、より入り込めたのではないか、という気がする。
    もっともそれは、原作段階での問題なのだろうけれど。

    • 2
  7. 評価:3.000 3.0

    ギャップの発明

    昔は結構、真剣に読んでいた。

    前半の、のどかで平和な村での生活のラブコメ的な描写と、猟奇的で残酷なホラー展開のギャップというのは、今にして思えば、ひとつの発明だったのだろうと思う。
    それも、恐怖の対象である第三者の登場によってヒロインとの生活が脅かされる、というギャップではなく、ヒロインそのものが恐怖の対象に変わる、というギャップである。
    これが、新しかった。

    ふんだんに盛り込まれた「問題編」の謎は、なかなか吸引力があり、「解答編」が読みたくてしょうがなくなった。
    その形式、および、原作ゲームのエピソードをばら売りにして次々と作品を「増殖」させていったようなメディアミックスの展開も含め、なかなか商売上手な作品であった。

    しかし、期待しまくったわりには「解答編」がズバッと決まっておらず、一種のSF的な文脈も受け入れがたくて、若い私の熱がいっきに冷めたことは、今でもよく覚えている。

    • 2
  8. 評価:3.000 3.0

    緊迫感のなさ

    ちゃらんぽらんだが、人の感情を「読む」能力(超能力的なそれというよりは、表情を読み取る力があり得ないレベルで高い、みたいな感じ)を持つ刑事が主人公のサスペンス。

    それなりに楽しく読めたのだが、どうにも入り込めなかった。
    理由はもう、はっきりしていて、良くも悪くもこの作品の色であるところの緊迫感のなさが、私はどうしても駄目だった。
    「金田一少年」や「コナン君」よりも対象年齢は高い漫画のはずなのに、明らかに緊張感に欠ける。
    サスペンス漫画において、一定の緊張感というのは生命線であると私は思うから、この漫画は「合わなかった」という他にない。

    主人公のふざけたキャラクターやポップな絵柄に反して、事件は、目をくりぬかれるとか、バラバラだとか、小指を持ち去るとか、かなり猟奇的なものが多い。
    このあたりはバランスの問題で、あまりに陰惨に過ぎるトーンをコメディ色で緩和しよう、という狙いはあってもいいとは思う。
    だが、個人的には、その割合が大きすぎて、結果「もうちょっと真面目にやってくれ」という思いが拭えなかった。
    決して完成度の低い漫画ではないと思うが、残念。

    • 3
  9. 評価:3.000 3.0

    漫画と原作について

    私のレビューは結構いい加減で、評価の軸がぶれていたり、気分によってかなり左右されたり、という有様だから、後から読み返すと「これは甘すぎたな」と思うことはちょくちょくある。
    ただ、逆はほとんどない。
    つまり「これは酷く言い過ぎたな」ということは少ない。
    仮にも他人の作品の悪口を言うことについては、私はわりに慎重になっているのだろう。
    まあ、それはいい。
    それはいいとして、「原作の小説がある」という漫画に関しては、私はわりに明確な評価指針を持っている。

    星一つ…原作を冒涜している。または、そもそも原作自体が腐っている。
    星二つ…原作の魅力を損なっている。または、そもそも漫画化する意義を感じない。
    星三つ…漫画として破綻はないが、原作の魅力には大きく劣る。または、再現度は高いものの、大して魅力的な原作ではない。
    星四つ…原作には及ばずとも、原作の利を活かし、原作の魅力を十分に引き出している。
    星五つ…「原作を上手く漫画化した」以上の特別な何かがそこにあり、原作とは別の意味で、ひとつの作品として素晴らしい。

    多分、今まで原作の小説がある漫画で星を五つつけたのは、「鉄鼠の檻」と「パノラマ島奇譚」だけだと思う。
    星四つは、「光媒の花」や「ユリゴコロ」や「夜行観覧車」や「絡新婦の理」、他にもあったと思う。

    本作は、迷いなく、三である。
    話としてはそれなりに興味深かった。
    しかし、どう考えても叙述が鍵になるタイプの作品で、この魅力を漫画でもって再現しようとすること自体、ちょっと無理があったような気もする。

    • 3
  10. 評価:3.000 3.0

    ライト版「犬神家の一族」

    昔懐かしいホラー漫画だと思って何となく読み始めたら、完全に「犬神家の一族」の少女版で驚いた。
    外部から連れ戻された村の名家の子、それとは別の三人の娘を巡る跡継ぎ問題と連続殺_人、血縁の秘密と因習。
    完全に横溝正史である。

    これをパクりと呼ぶかはまあ、微妙なところだが、ギリギリオマージュの範囲として、それなりに楽しめた。
    ただ、ここまでやるなら、もっと徹底して忌まわしい、おどろおどろしい雰囲気にしてほしかった気もする。

    • 5

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