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作品レビュー
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401 - 410件目/全498件

  1. 評価:3.000 3.0

    焦点はどこに

    特にストレスなく、テンポよくサクサク読めた。
    その点はよし。

    ただ、ミステリとしては圧倒的に薄い。
    いや、もちろん、本作がそもそも「本格ミステリ」みたいな路線を志していない、ということは百も承知である。
    しかし、それにしたって、とは思う。

    また、ミステリ的な部分よりも、人の死を巡る人間ドラマとか、人の死を見送る職業の人間がとらえた機微とか、そういう部分が焦点なのだとしても、その掘り下げや広がりも物足りず、特にこれ、といった魅力を見出せなかった。

    • 2
  2. 評価:3.000 3.0

    毒気と中毒性

    同じ作者の「怨み屋」シリーズはかなり読んでいるが、基本的な作品の構成は似ていて、形容するなら、「毒気のない怨み屋」、「ライト版怨み屋」、といった感じになるかと思う。

    「怨み屋」が基本的には陰惨な話ばかりであるのに対して、本作は爽やかで、「そんなに上手くいくんかいな」と思うところもあるけれど、まあ、平和でいいんじゃないか、と。

    ただ、「怨み屋」シリーズのレビューの中で、私は奇妙な中毒性がある、という意味のことを書いたが、本作からはその中毒性を全く感じなかった。
    してみると、「怨み屋」の中毒性のひとつの要因は、本作から抜かれた毒気の部分でもあったのかな、と思うし、そういう意味では、いかにも物足りない漫画ではあった。

    • 2
  3. 評価:3.000 3.0

    消費される貞ちゃん

    私は中学生のときに小説「リング」に衝撃を受け、劇場に映画を観に行った貞子世代である。

    ギャグ漫画として、それなりの出来だとは思った。
    貞子の特徴や、「もはやVHSの時代ではない」という時代背景を踏まえて、まずまず上手く作ってあるとも思った。
    貞子を単なるネタとして雑に扱うのではなく、そこに一定のリスペクトや愛着も感じることは出来た。

    しかし、あの清く正しく恐ろしかった貞ちゃんが、こういう形で「消費」されてゆくことに関しては、一抹の寂しさも感じた。
    貞子世代としてはね。

    まあ、これを「消費される」と捉えるのか、姿かたちを変えて現代に生き残っていると捉えるのかは、難しいところなのだけれど。

    • 2
  4. 評価:3.000 3.0

    漫画として、絵本として

    おそらく、絵本作家エドワード・ゴーリーの影響を受けているのではなかろうか。

    牧歌的な世界にダークファンタジーを落とし込んだような雰囲気は魅力的で、その雰囲気を楽しむ漫画、もっと言えば、「絵本」として見るならば、なかなか完成度は高いと思った。

    しかし、「漫画」として、となると、どうだろう。
    私が非常に気になったのは情報量の圧倒的な少なさで、読めども読めども話は進まない。
    それは単に、本作が、作品の尺に比して語るべき情報を持っていないからである。
    その全てを非難する気もないのだが、情報量が少ないなら少ないで、もう少しコンパクトに収めてほしかったとは思う。

    • 2
  5. 評価:2.000 2.0

    噛み合わないテンション

    宝塚歌劇団みたいな女性オンリーの歌劇学校に、男が潜んでいるという噂があるのだが…という話。

    何というか、作中の登場人物たちのテンションと、読むこちら側のテンションが、全く嚙み合わない。
    もっと言うと、登場人物たちのテンションについていけない。
    現実世界でときどき、「お前何でそんなにテンション高いの?」ということがあるが、読んでいる最中、あれが終始続くと思っていただければわかりやすいかと思う。

    この原因はおそらく、圧倒的な説明不足にある。
    キャラクターたちが泣いたり喚いたりすることについて、作者の側にはおそらくそれなりの必然性というものがあるのだろうが、それがあまりに伝わらない、というか描いていない。

    何か、みんなが盛り上がって騒いでいるときに一人で冷めていると、協調性がない奴みたいに見られるが、私は終始そういう奴の立場で作品を眺めるしかなかった。
    多分、私が悪いんじゃないと思うんだけど。

    • 3
  6. 評価:3.000 3.0

    ギャップの恐ろしさ

    眠る度に異世界にワープするという、「エルム街の悪夢」的なSFサバイバル。

    設定としては悪くないと思うのだが、何しろサバイバルするのが夢の中なので、日常は日常としてあり、夢は所詮夢であって、どうしても緊張感に欠ける。
    サバイバルというジャンルにおいて緊張感以上に大切なものは多分ないので、そういう意味では、致命的である。
    このあたり、もう少し何とかならなかったのか、というもったいなさは感じた。

    ただ、のんびりとした牧歌的な作品の絵柄やテイストに比して、モンスター的な存在の描写はかなり力が入っており、正直、私は怖かった。
    ホラーなりサバイバルなり、もっと「いかにも」的なトーンで来てもらえれば、こちらとしてもそれ相応の準備というものを無意識にするのだが、本作の場合、ノーガードで殴られるようなダメージがあり、恐怖描写のインパクトは相当なものであった。

    それだけに、うーん、もったいない。

    • 2
  7. 評価:3.000 3.0

    小綺麗ではあるけれど

    ジャンルとしては一応、SFということでいいのだと思う。
    ロボット、アンドロイド、崩壊した近未来、という王道のモチーフである。

    それなりに見せ場もあり、グッとくるような展開もあり、派手な破綻もなく、結末もひねりが利いていて、小綺麗にまとまってはいる。
    しかし、上手く言えないが、作者はSFを描きたかったのだろうな、という感じは全くしない。
    「そこに世界を創る」のがSFだと私は思うが、そういう志みたいなものは皆無であって、SFは単なる具材に過ぎず、描きたかったものは何か別のところにあるのだろう、とは思った。
    ただ、じゃあ何を描きたかったんだ、ということになると、正直、よくわからない。

    小綺麗で形は整っているけれど、どこか空虚な印象が終始付きまとい、私はそれが苦手であった。

    • 2
  8. 評価:2.000 2.0

    怖いんじゃない、痛いんだ

    私は怖い話は好きだが、痛い話は嫌いである。
    ということで、読んだ私が間違っていた。
    その点は、すみませんでした。

    別に本作はホラー漫画ではないし、「いや、別に怖がらせることなんて狙ってねーし」と開き直られたら、私は何の反論も出来ない。
    だったらまあ、「怖い」というのは、「読者にスリルを与える」というふうに言い換えてもらってもいい。

    申し訳ないけれど、漫画でも映画でも、ホラーであれサスペンスであれ、「痛い」の方向に振り切った作品というのは、はっきり言って志が低いと思う。
    こういう言い方は嫌いなのだが、低俗だ。
    なぜなら、読者に恐怖を与えるより、「痛い」と感じさせる方が、百倍簡単だからである。

    ちょっと想像してみればわかるが、あなたが今から大の大人を怖がらせる話をして下さい、という課題を与えられたとしよう。
    結構ハードル高くないですか?
    しかし、これが「痛がらせる話」となると、途端に敷居が低くなる。
    それこそ爪がはがれた話でもすれば、事足りるだろう。

    感動の押し売りみたいな作品のことを指す「感動ポルノ」なんて言葉があるが、この種の作品を今後私は「恐怖ポルノ」と呼ぼうと思う。

    • 3
  9. 評価:3.000 3.0

    その謎は煌めいているか

    映画でも小説でも漫画でもそうなのだが、ある種の曖昧さや抽象性というものを保持したままで作品を閉じる、つまり、話の筋について「何が起きたのか」について明確な答えを提示しない、ということ自体は、私は否定しない。
    映画の例で言うと、デイヴィッド・リンチという監督の一連の作品なんかはその最たるものだと思うが、私は大好きである。

    ただ、この種のアプローチには間違いなく弊害もあって、どこの誰が発明したのかは知らないが、実際は大した話ではない、それどころか、下手をすればそもそも結末を考えていない、にもかかわらず、「とりあえず曖昧にしといたらええんやろ?」とばかりに結末を濁すことで、何かそこに深みのようなものを感じさせてやろう、という作品が生まれ得てしまうことも事実である。
    それはちょっとまあね、ずるいわよね。

    本作がそうだ、と断定したわけではない。
    正直、私にはわからなかった。
    そこに何かあるのか、それとも、何もないのか。
    ただ、いずれにしても、こういうタイプの作品は、「そこにあるかもしれない何か」を探り当てたい、という読者の思いを喚起させられなければ、やはり成功とは言い難いのではないか。
    謎の答えがどうであれ、その謎自体は、煌めいて見えなければならないのだと思う。

    まあ、ショートムービーのような洒落た雰囲気、海中の描写の美しさには感心したけれど。

    • 2
  10. 評価:3.000 3.0

    あまりに記号的な

    「空が灰色だから」という傑作漫画があるが、それをちょっと思い出した。
    本作と類似しているというわけではないのだが、あの言葉にしようのない「心のざわつき」を喚起する漫画、本作が狙ったところは、もしかしてそれに近いんじゃないのかな、と。
    ただ、申し訳ないが、この漫画がそれに成功しているとは言いがたい。

    抽象的な言い方になるが、「何とも言えない」感じのエピソードが、記号として放り出されている、という印象を受けた。

    「空が灰色だから」の中には、決して言葉に出来ない何やかやを抱えて生きる、漫画的だが同時にひどく人間的な彼や彼女がいた。
    それは、思春期というわけのわからない時代の中で、適切な言葉を持ち得ないまま、何とか生きていたあなたや私の姿そのものだった。

    本作の中には、あなたも私もいない。
    それが否定されるべきかは難しいところだが、少なくとも、血の通わないエピソードに揺らされるほど、私の心に余裕はない。

    • 2
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