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作品レビュー
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11 - 20件目/全406件

  1. 評価:4.000 4.0

    キュートでドライで潔い

    私の苦手な女性の殺し屋設定(そんなのいるわけねえじゃん、と思っちゃう)の漫画だが、なかなかどうして、面白かった。

    リアリティー、ない。
    作品の奥行きだとか、深みだとか、そういうことを言いだせば、まあ、正直、ない。
    にも関わらず、スピード感に溢れる美しいアクションと、キュートでドライな殺し屋少女の造形は、実に爽快感と清涼感に溢れていて、いやー、空っぽだけど、とても楽しい時間だった。
    印象としては、何も考えずに見られるスタイリッシュなアクション映画のそれで、「何もないこと」をストレートに楽しめる作品も、やはりいいな、と。
    そういうタイプの作品は、小手先のごまかしがきかない分、絶対的な力量・技量が、如実に作品に表れる。
    その点、お見事である。

    だいたい、タイトルが潔くていいじゃんか。
    大して深いものなんか何もないのに、「何かありそう」なことを標榜する作品が巷に溢れる中、「いや、バイオレンスとアクションしかないっすよ」という堂々たる提示は、賞賛に値する。

    • 9
  2. 評価:3.000 3.0

    不運

    気づいたら身体にガチャがついていた、という主人公のバトルギャグ漫画。

    丁寧だし、新しいし、ある部分「ガチャの時代」である現代にマッチしているし、いい完成度のギャグ漫画だとは思うのだけれど、何故だか全く入り込めなかった。
    変な言い方だが、面白いはずなのに、笑えなかった。
    こういうのはもう、我々の出会いが不運だったと言う以外にない。
    特にギャグ漫画はたまにこういうことがあるからマジで困る。

    仮に私がギャグ漫画の作者だったとしたら、「いい漫画だけどイマイチ笑えない」と言われるより、「マジで下らないけど笑える」と言われる方が、百倍嬉しいだろうな、というような不毛なことだけを、私は考えていた。

    私と作品の出会いというガチャは、外れたのだ。
    うーん、あんまり上手いこと言えてねえな、今の。

    • 4
  3. 評価:3.000 3.0

    スプラッターというアイデンティティー

    昔懐かしのホラー漫画。
    表題作の「白い病気」を読んだが、心理的な恐怖ではなく、思わず目を背けたくなるような生理的な恐怖描写、要するにスプラッター的な表現にはなかなか見るべきところがあって、感心した。
    これがこの作家のアイデンティティーかと思う。
    こんなのが少年少女の読むホラー漫画雑誌に普通に載っていたのだから、長閑な時代だったのだろう。

    しかし、ホラーとして見た場合はグダグダというか滅茶苦茶で、私は関東の人間だが、思わず「何でやねん」と呟いた。
    完全にギャグだろ、こんなもん。
    まあ、それを含めてホラー漫画という文化なのだとも思うのだけれど。

    • 2
  4. 評価:4.000 4.0

    カルトを巡るあれこれ

    この世で最も嫌いなもののひとつがカルト宗教である。
    だからもう、主人公がそれに立ち向かうという設定だけで、私は全力で応援してしまう。
    妻をカルト教団から取り戻すなんてもう、感情移入の度合いが激しくなりすぎてヤバい。

    本作の主人公は、一見すると何かイマイチやる気のない感じが、逆にリアリティーがあってよかった。
    たぎるほどの正義感とか、燃え盛る妻への愛とか、そういうものをストレートには描いておらず、かなり抑制した描き方をしながら、その根っこには譲れないものがちゃんとあるのだ、ということが伝わる。
    私はそういう表現というのが好きだし、特に「大人」に向けての作品は、そうであるべきだとつくづく思う。

    カルト教団の造形も、まあ、いくぶん漫画的な誇張というか、「いくら何でもそりゃないだろ」というところはあるにせよ、その薄気味悪さ、躍動的な嫌悪感を撒き散らす様は、なかなか面白かった。

    余談だが、最近「カルト・オブ・ザ・ラム」という「カルト教団の教祖になる」というゲームをやって、これがたいそう面白かった。
    カルト宗教大嫌い、なのに、カルト教団の教祖になるゲームは嬉々として遊べる。
    人間の(私の)こういう柔軟性というかいい加減さというか、実に興味深いし、恐ろしい。
    「自分だけは大丈夫」なんて思わずに、肝に銘じて生きていかないとね。
    いや、マジな話。

    • 54
  5. 評価:2.000 2.0

    死神依存症

    両親に先立たれた主人公の少女か、「100人の魂を天国に送れば両親を生き返らせてやる」という死神みたいな男に出会うのだが…という話。

    設定倒れの典型というか、もう少し広げたり掘り下げたり出来なかったのか、というのが正直な感想であった。

    何よりネックなのが、主人公に肩入れしにくい。
    不幸な生い立ちであることには同情するが、怪しげな男に簡単に心を許し、かと思えば「あんたなんかただの殺_人鬼よ!」と啖呵を切った直後に、今度は男が去って行こうとすると背中から抱きつく。
    どんだけ情緒不安定なんだお前は。

    両親を生き返らせることと、自らの倫理観や罪悪感との葛藤、みたいなものをきちんと描くのではなく、孤独に対する漠然とした恐怖や、死神野郎への依存が主人公の行動原理になっているようにしか思えず、まるで応援する気になれなかった。

    • 6
  6. 評価:3.000 3.0

    途上で

    本当に申し訳ないが、評価は半ば保留みたいなもので、私は途中20話くらいでドロップアウトした。

    もっと先まで読めば面白くなるのかもしれない、という感じもしないではなかったが、そこまで耐えられないくらい、私にとっては道中があまりに退屈だった。

    昔からそうなのだが、「長いこと辛いのを我慢すれば達成感がある」みたいなことが、私は苦手だ。
    だから山登りとか大嫌いだ。
    (山登りは別にそういうものじゃない、という意見もあるのは認めるけれど、私にとってはそういうものでしかない。)

    「途中はともかく」じゃなくて、途中が楽しくなきゃ駄目だろ、と思ってしまう。
    だって人生なんて、ほとんど「途中」なんじゃないの。
    知らんけど。

    この道中を退屈せずに進める人には良作なのだろうが、そこにほとんど何の魅力も見出だせなかった私には、頂上の見えない山登りのようで、苦痛でしかなかった。

    • 8
  7. 評価:2.000 2.0

    よそでやれ

    話としては、ちょっとホラー好きな人なら誰でも知っている「コトリバコ」を元ネタにしたような感じで、特に惹かれるものはなかった。

    どうにも首を捻ったのは登場人物たちの造形で、こういう言い方は申し訳ないけれど、正直、気持ちが悪い。
    何を男同士でベタベタ&イチャイチャしてんの?
    私の感覚がおかしいのだろうか。

    私は性的なマイノリティーに対してそれほど偏見を持っていないと思うが、そういう問題ではなく、何となく美形な男子たちをイチャイチャさせてある種の読者層に訴えかけようとする魂胆が透けて見える気がして、それが受け入れ難かった。
    これほどホラーの興を削ぐ登場人物たちも珍しい。

    硬派なホラーファンとしては、「そういうのはよそでやれ」としか言えない。

    • 3
  8. 評価:2.000 2.0

    怒れるホラーファン

    「カブリモノを被った女子高生におぞましくて怖い話をしたらいいことがある」という訳のわからない設定のホラー。

    とにかく肝心の「怖い話パート」が致命的につまらない。
    「おぞましい」なんてハードルの高い形容、よく使えたな、と思う。

    おまけの「いいことがある」オチも、ほとんどがこじつけや屁理屈のレベルで、全く見所がない。

    悪いけどホラーをなめているとしか思えず、私は苛立ちを禁じ得なかった。

    • 2
  9. 評価:2.000 2.0

    若者よ、教えてくれ

    現代の男女のリアルな恋愛模様を切り取った、とか言えば聞こえはいいかもしれないが、正直なところ、陳腐で、散漫で、稚拙である、という印象しかなかった。

    「詩的」と言われると褒められている感じがするが、「ポエム」と言われると急に馬鹿にされたような気がするのはなぜだろう。
    言葉は不思議ですね。
    悪いけど、本作は完全に「ポエム」の側である。

    世の中の若い人がどんな恋愛をしているのか知らないが、これを読んで感動できるような恋愛って、どういう恋愛なんだろう、と私はマジで頭を悩ませた。
    若者よ、教えてくれ、私に。
    この老兵に。
    まあ、それが恋愛の問題なのか、感受性の問題なのか、知性の問題なのか、わからないし、もう考えたくもない。
    要するに、私が歳をとった、ということなのかもしれない。
    嗚呼、何かね、疲れたよね。

    • 4
  10. 評価:3.000 3.0

    幼さを描くこと、稚拙であること

    タイトルから思いっきり「スタンド・バイ・ミー」なわけだが、パクリでは全くなく、オマージュというか、この作者なりの「スタンド・バイ・ミー」をやろうとした、という意図はわかる。
    それ自体は、嫌いではなかった。

    ただ、そうであるならば、どんな形であれ、ある種のノスタルジーを感じさせる作風にしてほしかったが、そこは成功しているとは言い難いと思う。
    これは絵柄のせいもある気がするし、「現代っ子」を全面に押し出し過ぎたせいもある気がする。
    が、決定的なのは、表現の稚拙さだ。
    当たり前だが、「幼い子どもを描く」ということと、「子どもを稚拙に描く」ということは、まるで別の話だ。

    私は映画「スタンド・バイ・ミー」が好きだし、スティーブン・キングの原作も読んだ。
    思えば、スティーブン・キングほど「子どもを描く」ことに秀でた作家をほとんど知らない。
    子どもの世界は確かに狭く小さいかもしれないけれど、決して浅くはないし、子どもは子どもとして地獄を抱えているのだ。
    何より、作品の中で子どもを描くことにおいて、子どもをなめない、ということ以上に大切なことはほとんどないと思う。
    そういう全て、キングは徹底しているし、この作品には明確に欠落している。

    まあ、スティーブン・キングと比べるのは酷だと言われればそうなのだが、言わせてもらえば、「スタンド・バイ・ミー」をやろうとした以上、そのくらいの覚悟はしとけ、と思う。

    • 7
ネタバレ無し:全ての評価 11 - 20件目/全406件

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