ノー・ニックネームさんの投稿一覧

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1 - 10件目/全41件

  1. 評価:5.000 5.0

    映画「アンドリューNDR」を思い出した

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    この漫画、もしかして、アンドロイドと人間のイメージが逆かな・・・
    と思っていたら、やはりそうでした。

    最も長生きしているアンドロイドは辛かった。
    好きになった人間が年を取って次々に死ぬのに、
    自分はしねない。
    死者の記憶だけが残って、アンドロイドを苦しめる。

    何度アンドロイドの機能が停止しても、
    人間はアンドロイドを治して再起動させ、
    次の人間のためにアンドロイドを奉仕させる。

    でも、この漫画のアンドロイドは、
    最後は大好きな人間と一緒に年を重ねていくことができた。
    まるで人間のような望みと選択のハッピーエンド。

    人間になりたかったアンドロイドを描いた映画
    「アンドリューNDR 114」(原題;Bicentennial Man。直訳:200年生きた男)を思い出しました。
    (ロビン・ウィリアムズ主演。)

    このアンドロイド、アンドリューNDR114は、
    人間になりたくて、
    アンドロイドの外観を人間の外観に変え、
    人間の女性を好きになって、
    人間になったことを証明するために、
    人間と同じように死ぬことを選択したのでした。

    人間と同じように死ぬことで人間になったつもりになる・・・
    この辺が人間じゃないなぁ…と思うんですけどね。(笑)
    本当の人間なら、
    辛いことはなるべく忘れたがり、
    楽しいことを考え、
    死の恐怖で生きることにしがみつくでしょうから。
    アンドロイドには死の恐怖が組み込まれてなかったので、
    死の恐怖がなく、死ぬことが怖くなかった。
    ・・・といえば身も蓋もないですけど。

    それでも、アンドロイドが
    人間の生命や人生に対する価値観で
    アンドロイド人生を生き、
    厳かな死を選んだことで、
    漫画の読者や視聴者は
    心の底から揺り動かされて感動してしまうのです。

    この漫画もそう。
    優しい雰囲気のなか、話が進みます。
    アンドロイドも人間も優しいです。
    素敵な漫画でした。

    課金して良かったです。(笑)

    • 2
  2. 評価:5.000 5.0

    心理描写が少女漫画を超えている

    ネタバレ レビューを表示する

    びっくりした。
    絵は少女漫画なのに、心理描写や心理展開が単純明快な少女漫画ではない。

    たとえば、
    こんなに倫理観が強い純真無垢なお姫様が、
    どうやったら民を弾圧し邪魔者を処刑しまくった極悪非道の父親や祖父から育つの?

    そう思って読んでいたら、しっかり説明があった。ヒロインのお姫様自身に、こう自問自答させるのだ。

    極悪非道の行いをしていたおじいさまやお父様は、なぜ私をこんな風に育てたの?
    いっそのこと、極悪非道の行いが平気なお姫様として育ててもらえば、
    私はもっと楽だった。

    ・・・みたいな自問自答が。

    この祖父と父は、心も美しい倫理観の強い純真無垢なお姫様として、この見目麗しいお姫様を育ててしまったのだ。

    そのため、倫理観の強いお姫様は、

    「民を苦しめた極悪非道の私達王族は処刑されても当然、それでも民に償い切れない」
    ・・・と延々思い続ける。

    そんな純真無垢なお姫様を愛しながら、王族を倒すスパイとして王城に入り込んだ貧乏貴族の少年は、お姫様の家族である王族を殺し、お姫様の希望に従いお姫様をも処刑して、民を救い狼領主となる。

    スパイだと知らずにスパイの少年を愛してしまったお姫様は、騙されたことにショックを受ける。家族も初恋も全て失ったのだから。だが、少年に騙されていたのに、自分が生きていると少年の足手まといになると思い、少年に処刑されることを望んだのだ

    でも、このお姫様はなかなか素直なやり手で、処刑される前に、「あなたのことが本当に好きだったのに・・・嫌いな授業もあなたと早く会いたくて、早く終わらせようと一生懸命頑張ったのよ・・・」云々、といかに自分が少年を好きだったかを延々少年に伝え、散々少年に文句を言って、本当はお姫様が好きな少年の心を突き刺していたが。

    お姫様に嘘つきと批判され、何も言い返せなかった辛い思いの少年。

    少年は、愛するお姫様を犠牲にしてまで実現させた革命を成功させて民を幸せにしなければ、お姫様を犠牲した意味がない・・・と寝食を忘れて死に物狂いで頑張り、痩せこけた頬に金色の瞳をギラつかせる狼領主になる。

    少年が青年になり、30歳になろうとしたとき、お姫様の記憶を持つ15歳の少女が、往年の少年の前に現れ、また二人の物語が始まる。

    原作があるそうですね。読んでみます。原作には漫画で割愛されていた深い心理描写がありそう。楽しみです。

    • 1
  3. 評価:5.000 5.0

    昔の少女読者が老いても永遠に若いエドガー

    アーサー・クエントン卿って誰だっけ?
    しばらく思い出せなかった。
    何せ45年ぶりだから。
    読んで、
    ああ、エドガーをモデルにランプトンという絵を描いた画家さんだと思い出した。

    私達はエドガーと同じ年齢だった少女の頃に、
    漫画「ポーの一族」に出会った。

    そしてメリーベルに出会った少年が、
    数十年の年月を経て老年になって
    メリーベルに再会したように、
    数十年の年月を経て、
    私達はまたエドガーに会えた。

    永遠に変わらないエドガーの周りで
    年老いていく普通の人間のリデルやオービン。
    昔少女だった読者も、まさにリデルやオービンと同じ体験をしているかのよう。
    まさか読者が漫画の脇役と同じ体験をするとは・・・・

    年月を経て、
    自分達は年老いて、少女は老女になったのに、
    エドガーは、昔少女が憧れた「永遠に若い少年」の姿で、
    また私達の前に現れてくれたのだから。

    昔の抒情的で繊細な絵柄は変わってしまったけど、
    中年/老年になった往年の少女の私達に、
    またエドガーやアランに会うチャンスをくださって、
    モー様、本当にありがとうございます。

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    9番目のムサシシリーズのブルー

    ムサシのシリーズには
    色なしシリーズの他、
    ブルーやレッド、ブラックのシリーズがあるけど、
    これはブルー。

    いずれもボーイッシュな10代の少女がヒロイン。
    話の展開や設定、などしっかり描きこんでいる。

    唯一の難点は、基本的に顔が全員同じであること。
    髪型や髪の色、目の大きさや形を若干変えることで違いを出そうとしているけど、
    10代の若者が数人出てきた時、
    違いがわかりにくい・・・

    でも、話自体は面白いので、
    読者は特に文句も言わず、
    「前に出てきた人とよく似たこの人は一体誰?」と、
    登場人物を一生懸命判別しようとする…(笑)

    • 1
  5. 評価:5.000 5.0

    この世界観にはまって課金率100%

    ネタバレ レビューを表示する

    雄大な時の流れと長命のエルフの命に対して、
    刹那に消えて行く短命の人間の命。

    クールなエルフであるフリーレンは、10年間、
    人間やドワーフと一緒に魔王退治の旅をして、遂には魔王を倒す。

    10年間は千年以上生きる長命のエルフにとっては、ほんの一瞬。
    せいぜい百年しか生きない短命の人間である勇者ヒンメルにとって、かなりの時間。

    だが、その勇者ヒンメルの命が消えた後、
    クールなフリーレンにも何か思うことがあり、
    フリーレンは爽やかで温かな勇者ヒンメルの心を辿っていく。

    ゆったり、でも淡々と流れる時の流れの中で、
    フリーレンは今は亡き人々の心に触れて行く。
    そこでフリーレンが知ったのは、勇者ヒンメルの秘めた壮大な愛。

    この設定が何とも人の心を打つ。

    せいぜい100年くらいしか生きない短命な人間の勇者ヒンメル。
    本当はフリーレンに花嫁になってほしかったんだ。
    でも、自分の10倍以上生きるクールなエルフだもんねぇ・・・
    言えなかったんだね。

    その代り、勇者ヒンメルは自分達が死んだ遥か後にフリーレンが寂しくならないよう、
    各地で魔物退治をするたびに、お礼として自分達の銅像を建ててもらう勇者ヒンメル。
    何とも温かくて優しい。

    漫画の12巻まではフリーレン達の記憶の中で語られていた勇者ヒンメルだったが、
    12巻で過去に戻って勇者ヒンメルとリアルタイムに話している所が見られるのもいい。

    過去に戻った時、フリーレンは勇者ヒンメルに言ったのかなぁ・・・
    人間、そしてあなたの心を知るために、私は未来でまた旅をしている・・・と。

    決して激高することもなく、淡々と話して淡々と進んでいく話。

    この漫画は全巻揃えたい。
    私にとっては課金率100%の漫画です。

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    エドガーとアランにまた会えた

    ちょうど自分がエドガーとアランの年齢の時、13歳か14歳の頃、初めてポーの一族を読んだ。
    その壮大な時の流れと虚しさ、切なさに感動した。

    それから40年以上経った。
    吸血鬼のエドガーとアランは今も10代の少年。
    それに対してこちらは・・・往年の美少女。(笑)
    まるで年老いたジョン・オービンやリデルの気分。

    ポーの一族のイメージは、
    儚いバラと白いレースに、永遠に年を取らない美少年だった。
    まるで妖精の国にいるかのよう。

    40年ぶりに再会されたポーの一族は、
    初期の抒情的で柔らかな絵柄からリアルで硬い絵柄に変わり、
    話も厳しい現実を背景にしている。

    モーさま(萩尾望都の愛称)はポーの一族の最初のシリーズを20代の頃描いた。
    それから様々な経験を経て、夢の世界のファンタジーやSFから離れ、
    リアルで厳しい漫画を描くようになった。
    ペンタッチもきつくなった。

    本当は、昔と全く同じ夢の世界に浸りたいのだけれど、
    以前と全く同じ夢の世界を全く同じ柔らかなペンタッチで描いて欲しいとお願いしても、かなり無理があるだろう。

    それでも、モーさまは頑張って夢の世界を再現してくださっていると思う。
    ポーの一族の発端や吸血鬼の謎解きが読める。
    エドガーとアランに会えた。
    それだけでも、往年のファンの私は嬉しいです。

    再開、ありがとうございます。

    厳しい現実世界の中、
    夢見る頃を過ぎても、夢の世界に少しでも浸れるのは、とても嬉しいです。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    ポーの一族が吸血鬼になった経緯

    ネタバレ レビューを表示する

    アラン復活と共に、
    ポー一族の発端を語ってくれる話。

    昔のリリカルな雰囲気はないけれど、吸血鬼「ポーの一族」がどのようにして吸血鬼になったのか、その謎解きを読んでいるようで面白かった。

    新しい雰囲気の「ポーの一族」

    昭和24年生まれのモーさま、デッサンが狂わないように描く、細部まで緻密に描くなど、大変だとは思いますが、何卒「ポーの一族」を完成させてください。50年近く前にポーの一族を読んだ往年の少女達のほとんどは、ポーの一族の完成を見ずに、このままでは死んでも死に切れません・・・

    • 0
  8. 評価:5.000 5.0

    どんどん話に引き込まれた

    登場人物も話の展開もじっくり描いていて、どんどん話に引き込まれた。

    これ、かなり年長者が読んでも面白いと思う漫画だと思う。
    何回読んでも面白い漫画なんじゃないかな。

    これを青春時代に読んだ人はきっとこれが愛読書になって、自分の人生と重ねて読んだんじゃないだろうか。青春時代が遥か昔の私はそこまで入れ込まなかったけれど、この漫画の魅力はわかる。

    この漫画家さん、うまいなぁ…と思う。
    この漫画家さんの他の漫画も読んでみよう。

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    命の進化と夢を巡る壮大なSFファンタジー

    ネタバレ レビューを表示する

    科学的な知識と理論に基づいて構築され、それに感情を絡め、生命の夢と希望を託したSFファンタジー。SF/ファンタジーのファンとしてはとても嬉しい。SF的な設定が楽しめるうえ、感情が揺さぶられ、その壮大さに圧倒され感動する。

    粗筋:
    地球が隕石で滅びる時、宇宙に逃げたごく少数の人類の中に、突然変異で生まれた超長寿の新人類ソウイチロウがいた。そして生き残った人類が宇宙ステーション「コクーン」で暮らすうち、光合成をする植物タイプの短命なダフネ―達も、突然変異で人類から生まれた。

    動物と植物の遺伝子を兼ね備えたダフネ―達だが、繁殖能力がなく短命で、皆10代半ば過ぎで死ぬ。それなのに、繁殖能力がないのに、「お母さんになりたかった」ダフネ―の少女ジジ。

    やがて時が経ち、ソウイチロウの長命の子孫ネオニティ達が、ダフネ―「ジジ」の細胞を携えて宇宙へ飛び立つ。数百年かけて宇宙船で旅をして別の惑星に命の種をまき、数十億年かけて生命体へと進化させるために。そうすることで、地球を失った旧人類に希望と夢を与えるために。その別の惑星の生命の母親になるジジの細胞を携えて。

    死が間近に迫っているのに、「ジジは惑星のお母さんになるんだね!」と前向きにとらえて喜ぶジジが愛おしい。

    昔1980年代に制作された米国のTV番組「新スタートレック」(スタートレックTNG)では、遥か昔地球に命の種をまいた異星人の種族がまだ生きていて、こう言った。「我々は(ひとりぼっちで)寂しかった。(We were all alone.だったかな?)数千年宇宙を旅しても、どこにも我々のような命には出会わなかった。(だから宇宙のあちこちに種まきをやった) 」

    今度は、この漫画で「滅びた地球から宇宙に種まきをしに旅立つ」。
    生命の夢と希望を託した壮大な宇宙と進化のファンタジー。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    不思議なファンタジー

    この作者さん、オカルト・ファンタジー系の漫画家さんだったなぁと思いながら、
    5話の「不思議な森のマンドラゴラ」まで読みました。

    ちょっとオカルト系の怖い話かと思ったら、
    純愛風でした。
    最後はハッピーエンドで、読後感は良かったです。

    絵は昔風ですが、ちゃんと人物の描き分けもできていてうまいです。
    髪型だけで登場人物を区別させている漫画家さんが多いですが、
    この漫画家さんは、たとえ髪型が同じキャラが2人いても、違いがわかります。

    • 0
全ての内容:★★★★★ 1 - 10件目/全41件

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