5.0
この五年の最高傑作
本当に硬派な作家性が感じられました。次回作も非常に楽しみです。
テーマは違えど、天童荒太の「永遠の仔」に匹敵するような、深い問いかけと巧みなストーリーテリング。
物語後半に問いかけられているものは、日本社会と近代司法の暗黒面ですが。バランス良い問いかけがありました。
勧善懲悪でものを見る年代の子には、読解が難しい漫画だと思うのですが、ひさびさにブログで長文感想と考察をかきたくなる、刺激ある快作。
痛みに満ちた作品ではあります。忘却と罪業ー人格的同一が失われた主体に許しはあるか。更生や許しにとどまらない射程の広さと深さに驚きます。
最後の方の一ノ瀬が恋愛方向に振れるのだけは、やや違和感がありましたが...汗
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