5.0
愛人はただいま絶賛逃げまくり中
警戒心ゼロで騙されやすい地方の生粋の箱入り娘がおっかねえ首都に夢だけ持ってノコノコやって来ると、利用して騙そうとするヤツ、意地悪で悪意の塊みたいなヤツがエサ目当ての鹿みたいにワラワラと寄ってくるし、仕舞いには冷酷残酷無慈悲の公爵みたいなヤツにバッタリ出会ったりするので気を付けなければ人生破綻しますよ、というガイドブックかというほど艱難辛苦のヒロインの人生絵巻ですが、とにかく始終騙されまくって逃げまくっております。
数回目の逃走については「互いの誤解も解けて子供もいるんだし安易に逃げるよりも慎重に話し合った方がいいんじゃ?」と首をひねりましたが、子供の命と人生巻き込んでも愛人は逃げまくります。
何せ公爵は短気と謝り下手で「すまなかった」と素直に言えれば済みそうなのに、おかげでヒロインは「ソバは基本は大好きなんだけど多分アレルギーで食べられないんよ」と途中から食わず嫌いにならざるおえなくなり、反射的に逃げ回ってます。とにかく互いに意固地で話が度々ややこしくなってます。
どこかで落ち着いて互いに理解が得られる日が来るんだろうか、
早く逃げ回らないで安穏に暮らせる日がくるように半ば呆れながらも結末を見守りたいと思う不思議な魅力ある作品です。
- 6