4.0
オトナになったあなたにこそ
読んでほしい佳作。むしろ現役の学生の頃読んでたら身につまされ過ぎて読めなかったかも。
けして描写がハードなわけじゃないのに、沁みる沁みる!
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6876位 ?
読んでほしい佳作。むしろ現役の学生の頃読んでたら身につまされ過ぎて読めなかったかも。
けして描写がハードなわけじゃないのに、沁みる沁みる!
読了したのですが、一年ぶりくらいに再読。
で、確信しました。テラモリは最後まで読んで最終的な副店長の甘々っぷりを堪能したあともう一回最初から読むと楽しさ10倍だと。
初期のツンツンを読みながら「ふふ、んな態度とってられんのも今のうちだぜ」とニマニマしながら読むのが楽しい。
異能といってもそれ異能というか特技やん?みたいなものからとんでもないものまでさまざまですが、しょうもないのうりょく持ちのほうが楽しそう。また、とんでもない異能持ちだったとしても必ずしもそれを最大限活かすことを奨励せず、異能よりも努力で後天的に獲得した能力を良しとするところ、素敵です。
篠原千絵先生の描く世界は安定していつも、ファンタジーとアドベンチャー、愛と憎しみとお色気です。これが読みたくて先生の作品を読むのです。
高校生はこんなに精神的に幼いこばかりじゃないでしょ、中学が舞台だったら納得できますが。
稚拙な嫌がらせがイベントのごとく発生するのが読んでいてアホらしくなりました。
↑ヒロインのことが。
生まれ変わる前にヒロインがなぜ苦境に立たされたのか丁寧に納得いく物語が構築されているからです。読んでいくと生まれ変わる前から別にヒロインは嫌な女じゃなかったとわかる。
これから、生まれ変わった後のヒロインの生来持っていた経営の才能や美的センスが遺憾無く発揮される場面が描かれるのが楽しみ。
3人それぞれまったく異なる個性なのに全員どこかに普遍的な魅力があって、どこかに自分と似たところがある
この3人、時を経ておばちゃんになってもおばあちゃんになっても付かず離れず付き合っているでしょう、傍らにいる男は違うかもしれないけど。
あと一つ、椿は一貫して読者に好かれない描き方をされていてなんでかなーと思っていたら、成程。
先生ははじめっから椿が読者に受けないように計算してキャラ設定していたんですね、流石です。
ヒロインの出した結論は大らかで大人なものだし、それを流石だなと素直に受け入れたヒーローも人柄が良いんだなとは感じる
けど、元妻は2人の大人な思い遣りを汲める度量があるだろうか?やや不安の残るラストでした。
ハラハラドキドキも良いけど、今作のような真面目な2人が控えめにじっくりお互いの信頼を高めて結ばれる作品は好感持てます
作画も、ヒロインの目が大きすぎなとこを除けばファッションや背景まで丁寧に書き込まれており、何よりヒーローがリアルでいそうな落ち着いたイケオジで素敵。
全3巻でコンパクトにまとめた佳作。
4巻ほどの長さだったらもっと掘り下げられたんだろうけど、色々事情があるのでしょう
全3巻でもそれほど詰め込み感がなく綺麗にまとまっているのは作者のストーリーテラーとしての力量です
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氷の城壁