Mayayaさんの投稿一覧

投稿
1,155
いいね獲得
10,164
評価5 39% 446
評価4 35% 405
評価3 21% 239
評価2 4% 48
評価1 1% 17
81 - 90件目/全641件
  1. 評価:5.000 5.0

    「回帰」こそ最強の異能

     復讐に笑う…確かにそのとおり、復讐を画策するリーザの顔に浮かぶのは、黒の微笑み。一見、物静かで落ち着いた印象の彼女だけに、その落差は大きく、復讐への強い意志が感じられます。
     面白いのは、異能の具体的内容を知られないようにしながら、異能者は生活しているという設定。リーザはそれを逆手に取りながら、敵対する異能者を潰していきますが、その方法がまさに頭脳戦。超自然的な能力を、「異能」としている世界ですが、優れた頭脳だって、立派な「異能」じゃないのかい?
     テオドールを利用しながら、復讐の道をひた走るリーザですが、元は誠実で勤勉な皇女様、彼に対する罪悪感に苦しみます。悪女のように行動していても、結局は、悪女になりきれないんだろうな。自分のための復讐といいながら、領民のことを考えてしまうリーザの姿に、彼女の本質を垣間見ることができます。でも、テオドールも何か隠している様子、ロマンス誕生も含めて、今後の展開に期待がもてそうです。
     ところで、この世界は何をもってして、リーザを「無能」と決めつけたのでしょうか。「回帰」の能力こそ、リーザの最強の「異能」という気がします。

    • 5
  2. 評価:5.000 5.0

    息ぴったりの恋愛初心者幼なじみ二人組

    「幼なじみ」ネタの作品、いろいろあるけれど、大抵「ちっちゃい頃から好きだった」的なものが多く、そんなシタゴコロ満載で幼馴染やってたんかーい!と、ツッコミを入れたくなる気分。でも、今作の依都と央士は、本当に時間を共有してきた「幼なじみ」なんだなあということが、テンポの良い会話から伝わってきます。ただしこの二人、阿吽の呼吸?お互いの価値観を尊重し合える、かなり相性の良い間柄なんだけど、そのことに気付いているかな?多分、無理だよな…。
     実は央士は、仕事最優先恋愛後回し生活の結果、その年まで拗らせてしまった無自覚DT。一方、依都は依都で、告ってきた相手と付き合ってきただけで、自分から好きになったことがないときたもんだ…つまりこの二人、どちらも「恋愛初心者」ってことで、間違いないよね?
     こんな二人が、お互いを意識し始めたもんだから、胸キュンが止まらない。幼馴染が、恋愛対象に進化していく様子が、とても丁寧に描かれていて、好感がもてます。
     キスまで0.5秒…つまりそうでつまらない、その僅かな間を、二人がどうやって縮めていくのか、お手並み拝見といきたいと思います。

    • 1
  3. 評価:5.000 5.0

    子どもの権利と親のエゴ

     ヒーローに愛されていないからといって、妊娠を知らせることもせず、勝手にひとり親になることを選んだヒロインをネタにした漫画の、何と散見されることか…。声を大にして言いたい。あなたたちは、子どもの親を知る権利、親に養育される権利、そして、親から愛される権利を奪っていますよと…。
     特に、今作のヒロインエリヤに関しては、暴力を振るわれた訳でもない、浮気(側室、愛人、その他含む)はしないとの確約もとっている、ただ「愛がない」←覚悟の上で、結婚したはず…だから、妊娠を隠して離婚したことによって、エリヤの息子カーライルが、父親を知らずに育ったことは、いろいろな意味でカーライルの権利を奪っており、それは過ちだと思う。皇室の権力争いに、巻き込みたくなかった?それを防ぐのが、皇后の役目でしょ!結局、エリヤが一番守りたかったのは、自分の心。結婚への覚悟が、本当の意味ではできていなかったんだろうなぁ。
     生まれた子どもに罪はないって、綺麗事かもしれない。でも、子どもが親を選べるわけではないので、その意味では、リゼナの息子エドモンドにも罪はない。だから、確かに辛いかもしれなかったけれど、エリヤは留まって、子どもたちのために、よりベターな方法を考えるべきだったと思う。
     エドモントの出自については、最初からかなり怪しい…いろいろ伏線が見え隠れしてるよね。さしずめレイモンドの死んだクズ兄が、本当の父親ってオチか…?
     ヒロインへの愛に気付かなかったレイモンドは、どうしようもない奴か?いえいえ彼は、十分夫として誠実でした。自分に言わせれば、エリヤ、あなたの後悔なんて知りません。

    • 13
  4. 評価:4.000 4.0

    この拗れ婚の元凶は、怜士、お前じゃろ💢

    霧崎陽菜…初恋の相手で婚約者でもある怜士が、他の女性と出歩く姿に傷つき、嫌いになることを決意。保育士として自立の目処がたった今、怜士との婚約破棄を望んでいる…。
    麻生怜士…陽菜について伝え聞いた話から、彼女の気持ちを誤解し、本当は好きだったのに、彼女を避けるようになる。にも関わらず、家同士の事情をもち出して、婚約を続けようとする…。
     と、さらっと事情をなぞっただけでも、しょーもないことですれ違って、拗れて、もたついている、24歳の若い二人です。でも、どちらかというとヘタレの怜士クンに、より原因がありそうだよね。
     そもそも、幼い頃からずっとその人となりを見て、好きになった相手でしょ?「結婚するまでは遊びたい」なんて、高校生の陽菜が、普通に言うと思った?百歩譲って事実だったとしても、婚約しているのに、他の女と遊び回る?せめて、婚約破棄してからにしようよ。そのくせ実は、誰とも付き合っていなくて、ずっと陽菜のことが好きだったって?う“〜、調子のいいこと、言ってんじゃねーよ!それじゃ、陽菜にも相手の女の子たちにも失礼でしょ💢
     陽菜にしてみれば、今更そんなことを言われてもってところでしょうが、怜士クンには、このツケをしっかり払っていただきましょう。「嫌い嫌いも好きのうち」って言葉、多分、陽菜にも当てはまると思うよ〜。

    • 12
  5. 評価:4.000 4.0

    本当に終わり?ローズモンドの執念

    ネタバレ レビューを表示する

     不倫とか略奪とか、とにかくドロ沼モノは苦手。だから、タイトルとあらすじ紹介で、どのタイプか大体見当をつけ、取捨選択して読んでいます。その傾向からいくと、普通ならこの「復讐の皇后」は、読まないタイプのお話。にも関わらず読んでしまったのは、大量無料話だったことと、画がフルカラーで美しかったこと、そして、どうやらハッピーエンドらしいということが、その理由。
     読破しての素直な感想は…う〜ん、読むのにやっぱり、エネルギー使った。確かにパトリツィアとペトロニアは、最終的にハッピーエンドを迎えたことになるんだけれど、そこに至るまでが、あまりにも不毛。逆行前も逆行後も、幸せになった登場人物はごく僅かで、みんな残念な結末を迎えている。まあ、復讐モンだから仕方ないか…。
     それにしても、ロースモンドの悪女っぷりは、徹底してた。意味不の気持ち悪い悪女ではなくて、悪女になるしかなかった哀しい身の上の悪女。にも関わらず、同情できなかったのは、やっぱり彼女が、完全無欠の正真正銘悪女だったから?
     だからあの執念なら、ローズモンド、再逆行して、再び「皇后」の地位を手に入れようと画策しそう…つい、その可能性を考えてしまいます。逆行は、不正や不条理を糺すためにのみ実行されてほしいと願いつつ、本当に終わり?と思わされる、悪女ローズモンドの存在感でした。

    • 0
  6. 評価:5.000 5.0

    敵役も懐に取り込む人たらし玲琳様

    「殿下の胡蝶」とから「ドブ鼠」へと、体を入れ替えられた黄玲琳。鋼のメンタルで、次々と逆境を乗り越えて…という触れ込みだけれど、どうもそれだけではなさそう。幼い頃から病弱故に死を覚悟する毎日の中で、雛女として完璧に振る舞ってきた彼女にとって、健康な肉体をもつ慧月との入れ替わりは、「殿下の胡蝶」という籠の鳥状態からの解放となったのではないでしょうか。
    「ドブ鼠」の慧月と入れ替わっても玲琳は、全ての物事に対して、スーパーポジティブ。例えそれが、自分に向けられた悪意だったり、悪人であったりしても、相手に「逃げ道」を用意して、救いの手を差し伸べます。でもその過程で、何人もの人々を巻き込み(その筆頭は、朱慧月)、振り回し、自分の危機を顧みないのだから、やっぱりある意味悪女?自分の思うままに生きるって、そういうことだよね。
     気になるのは、皇太子尭明と玲琳との関係。尭明は玲琳に首ったけだけど、玲琳自身は生を謳歌するのに夢中で、せいぜい兄が一人増えたと感じている程度?尭明さま、ドンマイです。時々「皇太子」という立場に対する複雑な思いを吐露するなど、一人の男として自由に行動できないことに苛立ちを見せる彼。異母弟でもある鷲官長辰宇の、玲琳に対する想いも相まって、男たちは振り回されっぱなしです。
     多少、生き急いでいるようにも見える玲琳。箒星に「健康」と「友情」を願った彼女が、この先どんな悪女っぷりを見せてくれるのか、まだまだ目が離せません。

    • 0
  7. 評価:5.000 5.0

    レティノミクス〜ハルステッド経済学概論

     ヒロインがヒーローを見て、「美しい顔…」と呟くシーンがよくありますが、普通はフツーにイケメン。「美しい…」と、心から思えるケースは数えるほどです。でも、本作のヒーローエルデンは、本当に美しい!瞳の色が、淡いせいかな?少年から青年へと成長する、ちょうどその過渡期の美しさ?これなら「美貌」の2文字も頷けます。
     ストーリーの柱は2本。一つは、血の盟約によって夫婦にされた?エルデンとレティーシャが、如何にして悪魔たちを攻略し、領地を繁栄させていくかの国盗り物語。その際、転生者のレティーシャが駆使するのが、現代資本主義経済学に基づくあれやこれやのレティノミクス?!でもこれ、結構的を射ていて、作者さん、それなりに経済に詳しいんだろうなと思いました。
     もう一つは、エルデンとレティーシャの恋の行方。なまじ子供の頃に結婚したもんだから、この二人、恋の駆け引きは、からっきし💦でも、そこが何ともウブきゅんで、よいのです。
     現実社会のゴミがレアアイテムになっていたり、ゲーム感覚で戦いが進んだり、あっさり悪魔が投降したりと、ぶっ飛んだ設定が多め。でも、不思議と受け入れ易く、レティーシャの作戦とハッタリに感心しながら読めてしまいます。二人が、見事「ハルステッドの呪い」を解いて、本当の夫婦になれることを信じ、星5を奉じます。

    • 58
  8. 評価:5.000 5.0

    弱者の視点から描かれた、優しい問題提起作

     テイマーという言葉の意味も知らずに読み始めましたが、冒険ものというよりは、「差別」「格差社会」「生存権」の側面に目を奪われました。
    「星なし」と宣告されたことで、家族から見放され、命さえ奪われそうになったアイビー。酷い親だ、残酷な村だと評する向きもありますが、その社会が「星なし」を、生きる価値なしと位置付ける教育を行なっているとすれば、そして、それが「常識」ならば、多分それが「正義」。実際、いろいろな方法で「口減らし」が行われていた近代以前の日本と、あまり大差がないかもしれません。
     それでも、ここまで人類が多様化してこれたのは、規則や常識を超えて、様々なものを受け入れる行動をとる人々が、確かにいたから。アイビーもまた、占い師のおばあさんをはじめ、様々な人々のささやかな「善意」に助けられながら、この魔法至上主義の社会で、居場所をつくっていきます。
     そして、役立たずスライムと思われていたソラだって、彼?固有のスキルがある。これって、私たちにだって、きっと当てはまるよね。
     アイビーとソラの置かれた境遇が、ネグレクトやLBGTQ、障がい者との共存等、現代日本の抱える問題を、さりげなく皮肉っているように見えるのは、自分だけでしょうか。みんな違って、みんないい…弱者の視点から描かれた優しい問題提起作、この世界では星5です。

    • 19
  9. 評価:4.000 4.0

    レビュー評価は、半分以上読んでから

     お疲れ社畜女子が、「聖女」として異世界に転生したものの、この聖女セナ、燃え尽き症候群の果ての、引きこもり女子になってしまっていた…!という初期設定、う〜ん、斬新ちゃあ斬新か…。
     とにかく序盤のセナさん、見事なほどのネガティブ引きこもりっぷり!存在を肯定されず、常に挫折感を味わいながら生きてきたであろう人間の姿の一例を、デフォルメを交えつつ、結構リアルに表しています。ヒロインとして、あり得なーいっ💢ってくらいの、ダメっぷりです。
     それに対し、ヒーローのミハイルは、セナの気持ちに全く寄り添おうとしない、ド根性至上主義の陽キャ男。これはこれで、腹が立つ。
     こんな二人の噛み合わないやり取りが続くものだから、前半はイライラMAX、この時点でレビューを書こうもんなら、そりゃあ、ヒロインセナに対する炎上必至だろうな…。
     それだけに、ミハイルが自分の過ちに気付き、セナに寄り添おうと行動を改めてからのセナの変化には、目を見張るものがあります。某学習塾のCMではないけれど、やる気スイッチの入った子は、みんなYDKだったみたいな…?自主性と自己有用感って、大事。
     この作品、読み進めるにつれて面白くなっていくので、大量無料分があるうちに、読んでみてほしいお話の一つです。

    • 0
  10. 評価:5.000 5.0

    演技?素?どっちだ、祥太郎!

    ネタバレ レビューを表示する

     東大卒で仕事のできる美人秘書エリカと副社長の祥太郎、誰が見ても文句のつけようのないエリートカップルの(契約)結婚。はい、まずこれで、全てのモブのつけ入る隙はなし!ストレスなしに、二人の動向に集中することができます。
     はじめは、いくらイケメンエリートでも、脳内お花畑の変態野郎だったら、お後が面倒くさい、ストーカー化したらどうしようと思いながら、読んでいました。でも、祥太郎クン、外濠を埋めるわ埋めるわ、尽くし切るわで、どう読んでもただの変態野郎ではない。この契約結婚、チェスの如く緻密に計算され尽くした、祥太郎の「策略婚」であることが分かってきます。そこんとこ、読者は気付いても、エリカには、なかなか通じないんだけどねー。
     気になるのは、「脳内お花畑変態野郎」の属性が、祥太郎の素なのか、演技なのか、今一つ判断しきれないこと…。エリカを手に入れるための作戦って気もするけれど、あまりにもハマり過ぎていて、う〜ん、やっぱり素かなぁ?
     一応、配信分7話で、一旦完結した感がありますが、「本当の夫婦」になった二人の夫婦漫才を、まだまだ見てみたい気もします。多肉植物の被り物を身に付けた祥太郎さんの、ファンキーな姿も必見ですよ。この作品、笑えます!

    • 6

設定により、一部のジャンルや作品が非表示になっています