Mayayaさんの投稿一覧

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  1. 評価:5.000 5.0

    外堀埋め立て皇女の手のひら転がし物語

     以前、一介の若い女性行員が、相手の社会的地位とか自己の保身とか一切忖度せず、理不尽や間違いをズバッと指摘して、スカッとさせる作品がありました。もしかしてこれは、その「◯◯◯は黙ってない」シリーズへのオマージュ?なんて思いながら、読んでいます。
     実際は、単なる一行員が声を挙げたところで、そうそう簡単に事態は変わらないし、残念ながら、どこの組織でも、そんなもん。だからこそ、クローディアの「暗躍」が、楽しいのでしょうね。
     とにかくこのお姫様、外堀の埋め方が、えげつない。帝国の皇女ってだけでも、人生勝ち組なのに、そこに加えて、美人で、教養もあって、人脈もあるときたもんだから、人心掌握はお手のもの。見事なシビリアンコントロールで、断罪対象者たちを手のひら転がしです。その高尚なようで、実は、陰湿な追い詰めっぷりは、結構クセになりそう…(笑)
     これだけ地位があると、普通は政略結婚の道を歩むのでしょうが、それさえも彼女なら、コントロールしそうな勢い。何気に優秀な従者ベリルとの関係も、深掘りしたいところです。さてさて高飛車皇女サマ、次はどんな高ビーを、見せてくださるのかな?

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  2. 評価:4.000 4.0

    騙しているのは、誰?

    「悪女」…転生ヒロインアイヴィー、幼い頃からフラグをへし折り続けて、早10年。ほぼ「悪女」の痕跡なし。
    「仮面の騎士」…ヒーローグレイソン、仮面を着けたこと、あったっけ?比喩的な意味では、仮面を被っていたとも言えるけれど、序盤でその設定は、ほぼ解決。タイトルの意味、無くね?
    …というわけで、もはや原作「HEADS OR TAILS」は、影も形もないない状態、全くの違う物語で展開しています。もちろん「悪女は仮面の騎士に騙されない」も本編終了で、続編?番外編?に入ってる的な?
     ちょっと待てよ、「騙されない」が、まだあった!タイトル的には、アイヴィーはグレイソンに騙されない的な印象だけれど、蓋を開ければ、意図的にしろ、意図的ではないにしろ、結果的に「騙している」登場人物、多めです。確かに「表か裏か」…原作、生きていました。だからなのか、よくある転生モノにも関わらず、面白くてついつい読んでしまいます。グレイソンの「顔」命、アイヴィーのブレない性格も、なんやかやで魅力的(自分内評価)
     ちょっと勿体無いのは、男子キャラが多すぎて、その殆どが烏合の衆と化してしまっていることと、物語の核心で「.5」話が絶妙に邪魔すること。こりゃ、作者さんたちに騙されているのかな?(笑)

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  3. 評価:3.000 3.0

    設定が生かされていないよね?(笑)

     息子ジェイクの「虫除け」のため、援助の交換条件として7歳のサラを花嫁とした、リード前侯爵ジェイク父、いかにも高位貴族らしくて、胸◯そ悪です。おまけに、10年経ったら離婚?その間、ジェイクと関わりをもつなって?アホか?この父!💢
    「虫除け」をしたはずなのに、ジェイクが、令嬢から迫られるのは、何故?「結婚」の事実を、周知していないからでしょ?戸籍上、結婚していれば、あとはどうにでもなると考えたんだ。事実上、結婚の効果がほとんどみられない時点で、ダメダメな策だったことが分かります。
     ダメダメなのは、ヒーローのジェイクも同じ。確かにサラは子供だったけれど、彼はもう少し、自分の置かれた立場が分かっていたはず。百歩譲って、前侯爵存命中は、従うしかなかったとしても、自分が侯爵になってから、何とでもできたんじゃない?自分の結婚だというのに、あまりにも無関心&無責任で、サラに「10年で離婚する約束でしたよね」と、嬉々として言われても、文句のつけようがありません(笑)
     ただし、第一王子クロドに押しつけられた?時間的猶予を生かして、サラに償おうとする姿勢は、評価していいのかな?そして、償いが愛に変わっていく様子を、高みの見物といこうぢゃありませんか(笑)

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  4. 評価:4.000 4.0

    蓼食う虫も好き好き…で、いいじゃん!

     小学校4、5年生女子の平均身長に並ぶ結衣と、名前の画数が多すぎて、テストの時、微妙に損しただろうなぁと想像できる纏くんの、凸凹思い込み溺愛物語です。
     人の好みはそれぞれだし、コンプレックスを感じる部分もそれぞれだけれど、実際、成人男女の40cm差カップルは、大変なことが多い。日常的に生活する家屋や家具の「丁度良い」を擦り合わせるのも、ひと苦労だし、出産の際も、丁寧な経過観察が必要。そのかわり、お姫様抱っこがし放題っていうのは、魅力的だわ。
     それでも、好きになったら、多少の?不都合は何とかなるのが世のことわり。ここから、結衣と纏の「溺愛事情」を、思う存分楽しみたいと思います。
     一つ気になっているのは、一城咲ルイ先生の作品って、前半キュンキュンしっぱなしなのに、後半、変なキャラがのさばってきて、イライラさせられるケースがあるってこと。ルイ先生、モヤモヤ最少で、おねげぇしますだ…(笑)

    • 0
  5. 評価:3.000 3.0

    植え付けられた劣等感は、簡単には消えない

     真琴が、同棲相手の勇人から、無理を押し付けられても、まともに言い返せないのは、自己肯定感が満たされない人生を送ってきたから…その、主たる原因は毒親。性格的に、人と争わない道を歩んできただけに、隼人に言われ放題なのは、見ていて重苦しい。そのくせ、人に頼ることを知らないものだから、一人で悩んで、いろいろつけ込まれて、ヒロイン的には、かなり残念だと思う。毒母親の下に生まれてしまったのは、決して真琴のせいではないのに、これが「親ガチャ」ってことかぁって、ちょっと納得。
     そんな中で、小田切部長は、捨てる神あれば、拾う神ありの、もちろん拾う神のほう。真琴に対して、本当の意味で、人を信じるってことを、絶賛教育中!毒親から傷付けられ続けた真琴が、信じる心を手に入れて、少しずつ強くしなやかに変化していく様子は、見ものです。たとえ、その小田切部長に、人には言えない大きな秘密があったとしても…で…す。

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  6. 評価:3.000 3.0

    イライラさせられるところが、逆にリアル

     ヒロイン沙雪、32歳、恋愛経験なしかぁ…。昭和だったら、「行き遅れ」とか「売れ残り」なんて言われただろうけれども、これだけ生き方が多様化している現在なら、もはやそれほど特別なことでもない。にも関わらず沙雪の態度は、石橋を叩いているようで、まどろっこしくて、イライラさせられることばっかし。これも、沙雪を「初めて異性と付き合った子」として見れば、この泥臭さと可愛らしさは、十分に納得。ただし、そこに「年上女のプライド」みたいなもんを介在させてくれば、それはそれで、面倒くさい。
     堅太の年下らしい、男あざといアプローチの仕方は、お子ちゃまだなぁと思いつつ、まあ認めてやらないこともない。ここで悩ましいのは、まだ結婚を急いでいない年下彼氏と、正直、年齢のことを考えてしまう年上彼女との、時間感覚ギャップ。ここを乗り越えないと、逆年の差カップルは、なかなか続かない。
     お隣さんとの恋を見積もれていなかったのは、沙雪?堅太?あるいは、二人とも?決してスマートではないところが、逆にリアルで、そんな沙雪の頑張りに背中を押される一作かも…

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  7. 評価:5.000 5.0

    約束をしたのは、あなた

    「神」とは、一体何なのでしょう。イメージとしては、全知全能とか、崇高とか、慈悲深いとか…。けれども、ギリシャ神話の神々に代表されるように、大体は我儘で、自分勝手で、その偉大なる力を気まぐれに使う困ったちゃん。本作の「神」も、自分の思いどおりに動かなかった竜とその末裔に、過酷な宿命を負わせる、八つ当たり野郎のようです。
     世界樹の花が満開になったら、完全な竜へと変化し、人間としての理性を失ってしまう…その宿命に立ち向かおうとしているのは、竜の末裔カイル本人ではなく、身代わり聖女のエレナ。自分が生き残るためでもありますが、それ以上に、犠牲をカイル一人に負わせたくないという誠実さに、彼女の芯の強さを感じます。そして、聖女である自分たちが双子として生まれたこと自体がイレギュラーで、そのため、竜の末裔の運命が変わりつつあるのではないかと考える冷静さと賢さ。このヒロイン、身代わり聖女以上の存在になりそうです。
     息子カイルを消耗品のように扱う父皇帝、密かに皇位を狙う弟シェイン、日和見主義の家臣たち、強い権力を欲する神殿側、敵国エスペラの王子エドウィン…エレナとカイルの状況は、まさに四面楚歌。ここから、どのように逆転していくのか、興味津々です。
     エレナ、カイルの命を奪う約束をしたのは、確かにあなたではないかもしれない。けれども、魂の片割れ、カイルの「イマーゴ」になると約束したのは、きっとあなただったはず。二人の記憶が交わり、お互いを「イマーゴ」と認め合ったとき、きっと奇跡が起こると信じて、星5です。

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  8. 評価:4.000 4.0

    君たちはどう生きるのか

     自らの命を顧みず、体を張って守ってくれた相手が、そのせいで大きな障害、あるいは命の危機に瀕したとき、守られた側は何を考え、どう行動するのでしょうか。
    「キャンディ・キャンディ」のテリュースは、キャンディとの愛をあきらめ、自分のせいで車椅子生活となったスザナの側にいることを選びました。
    「はいからさんが通る」の忍は、彼をかばって命を落としたラリサの、最後の言葉に背中を押されて、紅緒の下に戻る決心をしました。
     では、本作のヒロイン、春香の選ぶ道は…?償い、悔恨、義務感、同情、依存、そして、愛情。事故さえなければ、ごく当たり前の恋人同士になれていたかもしれない二人にとって、綺麗事では済まされない現実が横たわります。
     障害のある皆さんを「不自由」という言葉では、括りたくない。それでも、その恋愛事情については、想像の域を超える課題が、幾つもあるのでしょう。春香と音弥を通して、世界の見方を広げることができたらと、願っています。

    • 5
  9. 評価:5.000 5.0

    「嵐が丘」…拗れすぎた二人

    「荒地に吹く春」というタイトルから、すぐに連想したのはブロンテの「嵐が丘」。ヒースクリフたち同様、この物語のヒロインエセンとヒーロークリフも、見事に拗れ切った二人。ロミジュリは、思い込みと先走りで、悲劇を生み出してしまったけれど、この二人は、「憎み合うこと」を自らに課してしまったが故に、がんじがらめに…。まるで、「言霊」が力をもったかのようです。
     従来の転生物語と趣が異なるところは、ヒロインが、自分の死後の顛末を知り、自らの死を後悔して、回帰を望んだこと。そして、そうまでして回帰したのに、クリフに対する自分の気持ちを、今一つはっきりさせられないこと。死を経てもなお、二人の関係がままならない原因の一つです。
     対するクリフは、究極のツンデレ男。強い言葉で、自分を武装させなければ、愛する女性と向き合えない不器用さ。言葉では、エセンを攻撃しているのに、行動で愛を語ってしまうところが、哀れを誘います。
     1周目、我が子を残して命を断ったエセルには、絶対共感できないけれど、それでも生き直しの可能性を与えられた2度目の生。二人は、真実の言葉で語り合えるのか、そして、エセルは自分が見た悲惨な未来を変えることができるのか…クロフト家とムオ家を縛る恩讐の彼方に、今度こそ春がやってくることを期待し、星5です。

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  10. 評価:3.000 3.0

    また日本女子風腹黒聖女が召喚された⤵️

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     ヒロインの意思はさておき、結果的にクズ男(元婚約者エイダー)を踏み台にして、よりハイレベルな男(勇者アレク)に乗り換える、わらしべ長者物語です。あ、もちろんヒロインのラネは、腹黒いところなど微塵もなく、裏切ったエイダーさえも祝福しようとした、とっても良い子ですよ〜。時々、鼻が消えるのが、気になるところではありますが(笑)
     それにしても、召喚された「聖女」のほとんどが日本人で、わがままし放題なのは、何故?現代日本の子供たち、もう少しまともな教育を受けていると思いたい。それとも、分不相応な力を得て、みんな勘違いするようになったってこと?
     この手の物語にしては、さくさくストーリーが進み、元婚約者のへなちょこ剣聖エイダーと我儘聖女アキにも、きちんと罰が下ります。そこんとこ、なあなあにされる流れが多い中、かなりスッキリ展開です。
     ところで、現在配信の最終話で、完結してもよさそうなのに、どうもまだ続く様子…最強ペアとなったラネとアレクのこれからの活躍を、期待していいんだよね?

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