5.0
二人の「リシア」
もし「生まれ変わり」が本当にあったとしても、それが全くの別人だったなら、相手のことが分かるものでしょうか…普通なら到底信じられないことでも、とてつもなく強い思いがそこに働いていたとすれば、人は再びの巡り合いを歓迎するのかもしれません。
この物語は、パトリシアとフェリシアという二人の「リシア」の想いと、ラディウスの強い願いが結び付いたからこそ成立したようなもの。「生まれ変わり」にもそれなりの試練と道理があって、決して安易な状況で起こったものではないことが、読み進めるに連れて明らかになっていきます。そのため、他の同テーマの作品に比べてネタバレも早めですが、物語はむしろそこから。単に生まれ変わってハッピーエンド!で終わらないところが、この物語の醍醐味です。
「ずっと、君だけを」…冒頭、もしパトリシアが命を落とさなかったなら、ラディウスは、ずっと彼女だけを想って一生を終えたのでしょう。現実に目を向ければ、「生まれ変わり」はやはりご都合主義?でも、物語の中でくらい、こんな一途な恋人同士がいてもよいと思うのです。
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ずっと、君だけを 寡黙な黒騎士は生まれ変わりの元王女を今度こそ手放さない