5.0
最後にはそれが真実に…
登場人物はそれなりに多いのに、結局はこの物語、ヒロインのローゼン・ウォーカーとヒーローのイアン・コナーの心理戦二人芝居、「船」という閉ざされた空間を舞台に、二人のひりひりするような駆け引きが繰り広げられます。嘘をついているのはローゼンかコナーか、騙されているのはローゼンかコナーか、それとも読者なのか、物語が終盤に差し掛かっても落としどころを読み切れない、本当の意味での「続きが気になる」作品です。
実はこの二人、それぞれとある事情で、出会う前からお互いを認知していました。つまり、出会うべくして出会った「運命の二人」といえるでしょう。
最終局面で主人公の一人が、もう一人に語りかけます。「この嘘がこの先も永遠に続くように…」「嘘をつき通して 最後にはそれが真実になるように…」タイトルに込められた想いが、一気に溢れ出した瞬間でした。
全80話完となっていますが、実際は本編が75話までで、残りは後日談。あれだけ心理劇の様相を呈していたのに、最終話近くになってファンタジー要素強めに…?これに関しては、賛否両論あるようです。従って、外伝後日談も、現実なのか、夢なのか、ちょっと不思議な雰囲気。骨太の物語を求めるのなら75話完結、ファンタジーを期待するのなら80話完結と捉えたほうが良いかもしれません。あ、これだけ意味深に書きましたが、星5ですよ〜。
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永遠なる君の嘘