4.0
キャラが立ち過ぎて、カオスの予感
タイトルに「狂犬」とあるくらいだから、ヒロインアドリアンのキャラ立ちは、想定の範囲内だったけれど、まあ、登場人物たちのキャラが立つわ立つわ、もう五月蝿いくらい…。セレスト、イダン、カイリー、バルバデ、二ヒール、そして、悪役?王女デーラ…(まだまだ居るぞ!)これだけ一人一人のキャラを立たせながら、話を進めるものだから、ストーリー自体はなかなか進まない。この作品、硬〜くなるまで干したスルメのように、じっくりじっくり味わって読み進めるタイプの物語のようです。
表現は、青年漫画のように、結構リアル。フケとか、シラミとか、臭うとか、およそヒロインに対しては使わないような用語を、バンバンぶっ込んでくる。その潔さが小気味良い。そうだよね、どんな美人のお姉さんだって、生きてりゃ汚れるもんね。
そんな「狂犬」ぶっちゃけ姉ちゃんのアドリアンと、アセラ国に祭り上げられた「悲運の王子」セレストが、遂に出逢った!一見、真逆の性格に見える二人だけれど、真意を意識の奥底に深く沈め、相手をこちらのペースに絡めとるという点では、似たもの同士か…。今後の二人の駆け引きが楽しみです。
アドリアンの夢は、「孫が10人いる 王妃になりかけた かわいいおばあさん」結婚願望は無さそうなのに、完全な冗談とも思いきれず、デュー家に引き取られる前の、そして、引き取られてからの、彼女の生育歴が気になります。
いずれにしても、「主に噛みつく」=「アセラ国からの独立」ということで、よいのかな?「炎を呼ぶ黒い水」があれば、決して荒唐無稽でもない。アドリアンとセレスト、二人のお手並み拝見です。
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狂犬が主に噛みついたら