3.0
あー、まどろっこしくて、めんどくさい
北川みゆき先生の作品は、好きか苦手かそのどちらかに分かれます。この「真夏のエデン」は、後者のほう。はっきり言って、適度にドロ沼で、カタルシスを感じます。
特に、秋也の行動には、今も昔も??? 水夏のため?冬麻のため?結局、独りよがりで自己満足に過ぎない行動のせいで、水夏のことも冬麻のことも、(もしかしたら紗希のことさえも)傷付け、苦しめる結果になったとしか思えない。おまけに、水夏のことを忘れられないくせに、他の女と関係をもってきた(例えば紗希)あたりの弱さは、北川作品のヒーローとして、相当残念です。まあ、ヒロイン水夏も、昔にこだわり過ぎていて、どちらかというと後ろ向きで、秋也と冬麻に同情したくはなりますが…。
最後はハッピーエンドなのですが、この結末は、本当にハッピーエンドと言えるのでしょうか。誰かの幸せの陰に、誰かの哀しみがある…北川先生からの、そんなメッセージが込められているような気がしてなりません。
- 0
真夏のエデン