Mayayaさんの投稿一覧

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41 - 50件目/全408件
  1. 評価:5.000 5.0

    傍観者が、実はヒーローだった説

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     オリビアを婚家に放置したジェームスは、離婚されて当然だし、その後も、どうして彼女に付き纏うのか、不思議でならなかった。オリビアにどんなに否定され、拒否され、イアンと愛し合っている様子を見せつけられても、諦めない。当て馬ならぬ、当て熊?にしても、闇堕ちするわけでもなく、ひたすらオリビアを取り戻そうとする…なぜ?
     後になって、その理由が分かってくる。オリビアが回帰できたのは、別に神が彼女を憐れんだからではなく、全てジェームスが、自分の寿命をかけて行ったこと…それも2度も。オリビアに自覚はないが、彼女は2度命を奪われ、今世が3度目の生。その度に、ジェームスが自分の寿命と引き換えに時間を巻き戻し、やり直しを試みていたとのこと。
     それならば、この二人、なぜうまくいかない?普通ここまでやり直ししたら、1回くらいは上手くいくもんでしょ。それはひとえに、ジェームスが、哀しいくらい不器用だったから…。
     母親たちをそれなりに大事に思うから、強く言わない。嫁と姑たちが、いつか自然に仲良くなってくれると期待して、様子見になる。育ちのせいで表情が分かりにくく、本当の気持ちが伝わりにくい。そのくせ、オリビアを愛してることを、体の関係だけで伝えようとするもんだから、本人には誤解される…どこをどうとっても、不器用な男の典型、この男、どうしてくれよう。たった一言、ただ一言でも、自分の気持ちを伝えていたら、今とは異なる人生になっていたかもしれないのに…。
     今世では、イアンとオリビアの関係は、もはや揺るぎないもので、付け入る隙は全くなさそう…。では、来世、4回目で?それではあまりにも、彼が報われなさ過ぎる。
     ジェームスの献身を、オリビアは知らない。知らないどころか、彼を疎ましく思ったまま。神剣トォモロウよ、ジェームスの願いに応えて、彼らを逆行させたのなら、ジェームスも幸せになるような未来は描けなかったのか?傍観者、単なる一脇役に見えていた彼が、物語の鍵を握っていた実は正ヒーロー説、誰も認めないのなら、せめて自分だけでも覚えておきたい。

    • 23
  2. 評価:5.000 5.0

    くれなゐの繭子

     商家の箱入り娘と思いきや、ヒロイン繭子の何と逞しく、柔軟で、視野の広いことか…。そもそもお嬢様、燃え盛る家屋の中に、使用人の娘を助けに入ったりしないし。そして、人生において、知識を身に付けることが、最大の財産になることを知っているから、弟に勉学を続けさせようとする。父親の教育の賜物であろうが、本人の聡明さにも由来していると思う。
     元婚約者は、嫌な男のテンプレ的立ち位置だが、彼女を苦界に放り込まなかったことだけは、評価したい。女性に肉体労働は珍しい的に描かれているが、農家や炭鉱において、当時の女性は立派な働き手。どんなキツい仕事でも、真摯に取り組む繭子の姿は潔い。そして、自分の頭で考え、目の前の課題に対して、最善を尽くそうとする姿勢が、見る目のある人間の目に留まらないはずがない。
     静也と繭子の新しい関係は、始まったばかり。タイトルの「くれなゐ」は、静也の目に映った繭子の姿に起因しているのだろうが、心を燃やして強く生きようとする繭子そのものを表している気もする。新しい「大正」という時代に相応しい、対等な関係を二人が築いていってくれることを、心から願っている。

    • 133
  3. 評価:5.000 5.0

    京極作品らしくないから。

     作家陣に「京極夏彦」の名前を見つけて、こりゃ覚悟した。複雑怪奇?猟奇的?そんなイメージ…意見には、個人差があります。そして、いい意味で裏切られた…科学的に、ではないけれど、論理的に証明できます!的な?中禅寺秋彦先生、国語の先生でした、読解力は、お手のもの(笑)
     時代設定のせいか、空気感が「怪人二十面相」や「明智小五郎」と重なっているような…あそこまで、奇想天外じゃないから、あくまで空気感。さしずめ日下部栞奈は、小林少年?いや、小林少年は、もう少し戦力になったっけ。ああ、あれだ、時代劇で、「てぇへんだ、てぇへんだ」と言いながら駆け込んでくる、はっつぁんみたいな役どころ。
    「京極作品らしくないのは、先生が謎を解いてしまうから。」…読者は、この後も、安心して読み進めることができます(多分)

    • 1
  4. 評価:5.000 5.0

    リアルゴリラとのリンクが、俄然面白い!

     小動物系は女子で、男子は肉食系ってイメージが、どうしても付き纏うけれど、このお話、ヒーローが「リス」、そして、16歳ヒロインが「ゴリラ」という、従来の固定観念をひっくり返す、新時代ジェンダーレスな設定…斬新です!
     霊長類最強といわれるゴリラの加護を受けてしまったヒロインソフィアが、戸惑いながらも、その事実を受け入れ、その力をどう活かすのか、真剣に模索する姿が素敵です。これが、ただの筋肉バカとか、腹黒サイコパスとかに与えられていたら、大惨事!それほど、ソフィアの活躍が痛快なのです。
     加護を与える動物として、ゴリラをはじめ、犬、猫等身近なものから、ラーテルなどという聞いたことのない珍種(アナグマの一種らしい…)まで、バラエティーに富んでいるところに、作者先生のこだわりを感じます。力を発揮する際、動物たちの姿がうっすらと現れるのですが、下手に可愛らしくイラスト化せず、動物図鑑レベルのリアルさで描かれているところは、ご愛嬌。ソフィアの背後で、リアルゴリラが腕を振るっている場面は、笑えますよ。
     勿体無いのは、男子キャラの描き分けが、ちょっと弱いところ。サブキャラ、モブキャラの造形が被るのはさておき、メインキャラであるヒーローのルイとエディさえ、かーなーりー被っている…。騎士団で男子キャラが多いから、仕方ないのかな?
     それでも、このお話、星5を付けることを躊躇わないほど、面白い。ソフィア、ルイをはじめとして、個性豊かな王立騎士団の面々の活躍?恋の鞘当て?を、これからも期待しています。

    • 6
  5. 評価:5.000 5.0

    1000年を翔ける友情と愛情の物語

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     物語の中の人物に、憑依してしまうという体で始まったこの作品、いつの間にか本当の「転生」物語にシフトチェンジして、見事大団円を迎えました…パチパチ(拍手)。初めこそ、推しキャラブレイクの幸せを願いつつ、自分は退場するつもりの転生ヒロインアンシアでしたが、後半は、完全に「アンシア」と同化して、1000年を超える呪いに立ち向かうという、壮大なストーリー展開。総じて見れば、伏線をほぼ回収して、ピタッと着地を決めた!という印象です。
    「罪の子」という言葉を聞くことがあるけれど、一体誰が犯した罪?生まれた子供自体に罪があるのではなく、それは大人が犯した罪。ブレイクにかけられた呪いも、1000年前の祖先に関わるもので、完全にとばっちり。その呪いに伴って、1000年前の登場人物たちが交錯するあたりは、正直ちょっとまどろっこしい。でも、アンシアとブレイクの真実の愛が試されるという意味では、必要な流れだったんだろうな…。
     特筆すべきは、画のレベルが色、線、造形とも最高水準を、最後まで保ち切って、完結を迎えたこと。アンシアとブレイクが、年齢の割にやや幼く見えるという向きはあるものの、それを差し引いても、画の水準が素晴らしい!紙コミックスになったら、絶対に購入して、手元に置きたいと思えるレベル。特に、ブレイクの父である皇帝テステオン様は、眼福ですよ〜。もちろん星5で、超絶おすすめです。

    • 1
  6. 評価:5.000 5.0

    後半盛り上がります!

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     前半は、偏見に立ち向かいつつ、自分を含めた壁にぶつかっている人々の自立に向けての、お仕事サクセスストーリー…つまりは、社会貢献と金儲けのお話でんな(笑)多少のつまずきはあるものの、シェリアの快進撃が、小気味良いです。
     後半は、一周目のシェリアの死にまつわる、様々な謎を解明していく流れ。ヘリオスとの結婚の真実も、ここで明らかになっていきます。
     伝言ゲームって、人から人に伝わっていくうちに、結構内容が変わっていくことがほとんど。シェリアとヘリオスの悲劇も、双方の国の価値観の違い+二人の間に入った者の悪意+執着心によって、引き起こされたものでした。
     この手のお話としては珍しく、シェリアとヘリオスは、タイトルどおり離婚します。けれども、そこにはヘリオスの強く、大きな愛が秘められていました。シェリアの幸せを願うヘリオスの想いが、切な過ぎて、胸が締め付けられます。
     ヘリオスの想いはシェリアに届くのか…想いを伝え合うことの大切さを、改めて教えてくれたこの作品、後半の盛り上がりを評価して、星5です。

    • 2
  7. 評価:5.000 5.0

    爆誕!腹黒聖女(笑)

     悪女と聖女が入れ替わって…というお話は、他にもあるけれど、悪女も聖女もまともで、互いに入れ替わった現状に満足しているパターンは、そうそうないかも…。この物語、新しい視点の予感がします。
     ヒロインの「悪女」カサンドラは、両親の無関心ゆえの「悪女」で、根っからの「悪」ではない。むしろ、生き残るために「強さ」を身に付けなければならなかった、サバイバーです。だから、入れ替わり相手の聖女エリアナと自分のために、毅然とした態度で難題に立ち向かい、一つ一つ解決していく様子が、小気味良いのです。カサンドラ、悪役公爵令嬢として生き抜いてきたことが、とっても役に立っているね。
     もう一つ面白いのが、今のところ、ヒーロー候補が見当たらないこと。取り敢えずの候補は、枢機卿のロレンソでしたが、腹に一物ありそうで…こりゃ、女性の自立物語として進んでいくケース?下手な恋愛要素を組み込むよりも、カサンドラとエリアナの友情物語を軸に、くだらない連中をバッサバッサと切り捨てていく展開のほうが、面白いかもです。
     なぜ、悪女カサンドラと聖女エリアナが入れ替わったのか…それは、二人がもっている赤、青それぞれの「神聖力」と、何か関係があるのかもしれません。このまま入れ替わりが続くのか、それとも…あまり読者を舐めない展開を期待して、星5です。

    • 9
  8. 評価:5.000 5.0

    史上最強の愛すべきおバカヒロイン

     何じゃこの、濃ゆ過ぎるヒロインわ!?というのが、最初の印象。気性の乱気流を体現しているかのような赤毛の縦ロールと落っこちそうなどんぐり眼、常にギャーギャー騒ぎ回って、思い立ったら猪突猛進、もっと人の話を聞け〜って叫びたくなるような、無駄におバカな行動力…正直、本当にこんなのがヒロイン?って感じでした。
     けれども、ヒーローセシルの「闇」に対抗できるのは、このくらい強烈なキャラである必要があったんだということが、最後まで読むとよく分かります。それに、このおバカを感じさせるバーティアが、実は真っ直ぐ過ぎて、健気過ぎて、とても愛すべき人物であるということに、割と早い段階で気付かされるから不思議。まさしく彼女こそ、セシルの「観察記録」の中でのヒロインでした。
     ラストのほうで、「自称悪役令嬢な妻」や「自称悪役令嬢な母」に触れているけれど、まだまだ深掘りできそうな展開…そして、鋭い読者は、とっくに気付いているけれど、「妻」編へのフラグも、しっかりと立っていた!ということで、とりあえずは皆で「妻」編に詣りませう♡

    • 0
  9. 評価:5.000 5.0

    ツッコミどころはあっても…!

    ネタバレ レビューを表示する

     単に、自分の人生を逆行してやり直すのではなく、異なる時代(未来)、異なる国(日本)、異なる人物(葵)を経験し、最新の医療技術を身に付けて、また元の「自分」に転生するとは…。葵の人生って、何だったの?エリーゼの踏み台か?とも思ったけれども、転生・召喚されて、いきなりチートな力を発揮するよりは、まあ筋が通っているのかもしれない。
     それにしても、エリーゼが、現代医学の知識と技術でもって、感染を防いだり、疫病を抑えたりするところまでは、共感できた。でも、外科的手術は…?150年前の設備・道具で、そんだけの手術に耐え得る麻酔管理ができたとも思えず、高度な術式?常識で考えたら、絶対無理。あとは、リンデンたち皇族が使う「魔法」の力でも、借りた?な〜んて、ツッコミを入れるのも、野暮かぁ(笑)
     それでも、やっぱりこの話、面白い。女性の社会進出を、エリーゼを通じて小気味よく描いているあたり、予定調和と思いつつも、痛快に感じる自分がいます。
     最終話を「葵」でまとめているところをみると、これは転生・回帰モノというよりは、パラレルワールドでの出来事だったのかな?ツッコミどころは多々あっても、イケメン美女パラダイスの本作、やっぱり星5で、オススメです!

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  10. 評価:5.000 5.0

    「清麗」と書いて「すみれ」と読む

    「俺の器を浴槽とするなら、清麗のは“海”…」
    無限とも言える程の神通力を持つ清麗の、本当の力を見抜けず、「あひるの子」呼ばわりした白鳥父…ほんっと人を見る目がない💢そんなボケ父に盲愛されてきた、弟火雅理の出来は問題外としても、このネグレクト父、本当に「八咫烏」の精鋭だったの?実は清麗は、本当の子じゃなかった!と言われても、信じちゃうほどの、酷い扱いです。
     それにしても、表紙が黒髪の美少女風で、名が「清麗ーすみれ」で、「ツガイ」だから、てっきり女の子だと思っていたら、はい、ごめんなさい、男の子でした〜ぁ💦この「ツガイ」も、どちらかというと、「八咫烏」での任務上のバディ的存在?即BLと思い込んだ自分に、喝を入れてやりたい。
     ただ、清麗を「ツガイ」として大切にしようとする累を見ていると、単なるバディ以上のものを期待する自分がいることも、また事実。この二人の関係は、この先「ツガイ」として数多の作戦を遂行していく中で、また変化していくのでしょう。
     さあ、清麗、初陣の準備は整った!(というか、整えさせられたー笑)累と二人で、無双の神通力を見せてくれい!

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