5.0
「だの」
「友情より恋情の方が大事って 誰が決めたんです?」「大事なのは気持ちだから 名前はどうでもいいです」こう言ってのけるようになったのが、高校生の苗床かのこ。転校歴108回の成果?として特定の友達をつくらず、影に潜むフィクサー的な立ち位置だった彼女は、高校では何と生徒会長にまで昇り詰めました。一人の時間が長かったからこそ、そして、友達の大切さに気付いたからこそ、かのこの言葉や行動は、彼女そのものでブレることなく、周囲の心ある人たちを魅了して止みません。故に、椿君や矢吹会長のような「大物」を釣り上げて、生簀で泳がせていられるんでしょうねぇ…。(本人無自覚)
それにしても、かのこはやっと「友情」に慣れてきたところなので、「恋情」についてはまだ扉の前に立ったばかり。でも、「椿君の隣に立っていたい」「俺は間近で お前のことを見ていたいだけだから」と言い合える二人だから、これからも二人のペースで「愛だの恋だの」を育んでいくんだろうな。とりあえず、今のところかのこ様は、転校だの友情だの「だの」の部分に時間を割きたいそうですから…。どう生きるのか選ぶのは自分だということを、かのこの姿を通して考えることができる良作、星5でお薦めです。
中学校編「笑うかのこ様」を読んでいなくても十分楽しめますが、かのこと椿君のそれぞれの成長をより楽しみたかったら、やはり中学校時代の二人に会ってきてからのほうがよろしいかと…。
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恋だの愛だの