3.0
読者はイライラの荒野に生きる。
原作上の「悪役令嬢」が実はヒロインで、「正ヒロイン」や聖女がゲスい悪役という設定の物語は、そう珍しくもなくなりました。けれども、全編に渡って女ヒール役が幅を利かせる作品は意外と少なくて、大体は中盤くらいで退場し、その後、新シリーズに入っていくパターンが多い気がします。
そんな中、こちらは聖女シルヴィアが、最後までヒロインコンスタンツェにまとわりつき、苦しめ続けた筋金入りの悪女物語。たまたま?神の祝福があっただけで、信念も貞操観念も何もない、「聖」の文字を取り替えたくなるような彼女。あまりにも小物だからこそ、こんな女にコニーがいいように振り回されるなんて…💢と、ムカムカさせられること必至です。自らの矜持に従って、ヒロインと最期まで争い続けた「復讐の皇后」の悪女ローズモンドの爪の垢を、煎じて飲ませてやりたい。
こんな小物のシルヴィアが、全編に渡って好き勝手するもんだから、物語はかなり鬱屈とした印象。コニーの表情も、いつも下を見て悩んでいるものが多くなりがちで、この手の物語に期待したいスカッとやザマァの比率は、かなり少なめかと…。それでも、イライラの荒野に生きる忍耐力をお持ちの方にはオススメできる、興味深い作品です。
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婚約を破棄された悪役令嬢は荒野に生きる。