5.0
必ず2作セットで!がオススメです
ヒロイン視点の本編に対して、ヒーロー視点のサイドストーリーを絡ませたものとしては、「フィフティ・オブ・グレイ」に対する「グレイ」が記憶に新しい。一見、その場をコントロールしているかに見えたヒーローが、実は結構必死だったとか、葛藤していたとか、より作品への理解が深まって、絶対両方読みたくなってしまう。
こちらの「冷たい上司は本音を隠す」も、また然り。というか、「冷たい上司と嘘の恋」と「冷たい上司は本音を隠す」は、2作読んで、初めてこれらの作品のよさが分かると思う。
「冷たい上司と嘘の恋」だけなら、なぜ皆川佑人が奈都に心奪われたのか、今ひとつ伝わらない。ヒロイン特権?絆された?ご都合主義?的な? うまく立ち回れない奈都に、苛立ちさえ感じるかも…。
「冷たい上司は本音を隠す」だけなら、場面転換が唐突で、話が分かりにくい側面がある。そして、上から目線の皆川の傲慢さを、受け入れきれないのでは?
お勧めの読み方は、「嘘恋」→「本音」→もう一度「嘘恋」 あるいは、2作を同時に開いて読み進める…(あ、電子では無理か…) きっと全てが腑に落ち、仕事人として、女性として、大きく成長した江藤奈都を祝福したくなると思う。星5を付けるなら、必ず2作セットで!という条件で。
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冷たい上司は本音を隠す~さよならの代わりに 皆川編~