5.0
猟奇的な愛の行方は…
主人公の紗都子は生まれつき心臓が弱く、長くは生きられないと宣告を受けている華族の娘。
街に買い物に出たところを何者かの策略によって拉致され、治外法権の遊郭の島へ連れて行かれる。
捕まっているときに男たちに乱暴されそうになり、それを救ったのが伝説の殺し屋と呼ばれている進平。
紗都子は進平に助けてもらうために結婚を提案する。
それまでは家からほぼ出ず、世間知らずだった紗都子が、拉致されたことで外の世界を知り、自分の無力さを痛感し、なんとか生きて島を出るために知恵を絞って立ち回り、成長していく物語に思えます。
1日1日を覚悟して生きている様はとても16歳とは思えません。
逆に進平は人を殺めることに躊躇なく、猟奇的で近寄ってはいけないとわかるのに、時に幼く、でも周りの状況は正確に把握して先を見据えた行動する、不思議な魅力があります。
また、紗都子と接する中で紗都子の魅力にいち早く気付き、執着しているように見えます。
この2人がこれからどうなっていくのか、紗都子は生きて島を出られるのか、目が離せません。
何より2人が少しずつ変化していく描写が面白く、さすがオレコ先生の作品だと思いました。
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ホタルの嫁入り