みんなのレビューと感想「[小説]人は獣の恋を知らない」(ネタバレ非表示)(2ページ目)

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5.0
純粋な恋愛小説の傑作
王女であるヒロインには、密かに心を寄せる兄の腹心であるヒーローがいます。
父王が亡くなり、後継者争いの後、ヒロインの兄が玉座につくものの、不満を持つ者もあり、ヒロインと有力貴族との政略結婚が進められます。
しかし、ヒロインの政略結婚の相手は、極度の潔癖症で、病的に神経質な男性。
ヒロインは、この結婚を了承しながら、ヒーローに対しての恋心から、最後のお願いに抱きしめてもらいます。
その様子を偶然目にしたヒロインの婚約者は、婚約式で、ヒロインを突き飛ばし、罵詈雑言を浴びせて、式をめちゃくちゃにしてしまいます。
ヒロインは、突き飛ばされた際の打ち所が悪く、片足に麻痺が残ってしまいます。
ショックを受け、打ちのめされたヒロインは、もう、政略の駒には使えなくなり、計らずも、兄の腹心であるヒーローと結婚することが決まります。
しかし、ヒーローには、ヒロインに伝えていない負い目があり…。
このお話しでは、ヒロインの優しさや努力がよく描かれており、辛い境遇にあっても、上手く歩けなくても、踊れなくても、孤児を支援する手を緩めず、ゴシップ紙で散々叩かれても、自分にできることを考える強い魅力を感じます。
ヒーローは母の身分が低く、虐待され、苦労して成り上がってきた実力者で、人の真心を知らず、ヒロインに出会ったことで心が癒やされていきます。
ヒーローは自分の中の残虐な部分を、獣と呼び、獣の声に翻弄されないように生活しています。
ヒーローにとっては、ヒロインとその兄だけが特別なのです。
献身的な愛を捧げるヒーローに対して、足と引き換えにあなたと結婚できたのなら幸せだと言う、ヒロインの関係は、悲しくなるほど純粋だと思います。
作品を読んでいて、二人の愛情に幸せな気持ちになれます。
すれ違いもありますが、愛ゆえなので、気持ちよく読める作品であり、かなりの良作だと言えます。by やとゆ-
5
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