ソムタム田井のコスプレリポート:「怪獣8号」四ノ宮キコル 造形&汚し塗装にこだわり
配信日:2024/06/08 22:11
コスプレは自宅で気軽に楽しめる趣味であり、アニメやゲーム、マンガなどの人気のバロメーターとしても注目を集めている。コスプレ文化の研究家でライター兼カメラマンのソムタム田井が、イベントに取材、参加して見つけたハイレベルなコスプレーヤーをピックアップ。衣装、ウイッグ、メーク、体づくりなど、キャラクターになりきる上でのこだわりについて聞く。
今回は、4月27、28日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催された「ニコニコ超会議2024」で撮影、インタビューした「怪獣8号」の四ノ宮キコルに扮(ふん)するSalina(さりな)さんを紹介する。
Salinaさんは、原作コミックの大ファンで、日本防衛隊の戦闘用スーツは自作で用意したという。
「普段からコスプレのために体を鍛えているので、自身のボディーラインにフィットした戦闘スーツになるよう丁寧に作り込みました。女性用と男性用で胸元のデザインが異なるので、両方のバージョンを作って部屋に飾っています」
衣装制作も得意だというSalinaさんは、造形だけでなく塗装にもこだわりがあると話す。
「こちらの衣装でこだわったのは両肩と背面の造形です。それぞれ肩甲骨と背骨を模したデザインになっていて、そこが最高に格好いいので、サンペルカ(ポリエチレンフォーム)を加工し、合皮貼りで制作しました。数々の激戦を乗り越え、たくさんの思いを背負ったキコルの強さを表現するために、手作業で一つ一つ汚し塗装も施した、思い入れのある一着です。それと、今回は大きすぎて持ってこれなかったのですが、専用武器の巨大な斧(おの)も作ってあるので、いつかそちらもお披露目したいです!」
また、ウイッグとメークに関しても、徹底的に調べてクオリティーを高めたという。
「ウイッグに関しては、彼女のチャームポイントでもある特徴的な前髪とツインテールを、2次元から3次元へ自然な形で再現できるようにカット&セットしました。バンスを含めて3000円のウイッグを丁寧にふかし上げて、針金などは使わずに形をキープしているのも注目してほしいポイントです。可愛いらしいだけでなく、強い信念を持って戦うキコルをイメージして、キリッとした細眉と力強いアイメークで仕上げているのも私なりのこだわりです」
取材・文:ソムタム田井
提供元:MANTANWEB