ヤマトよ永遠に REBEL3199:麻宮騎亜が明かす ビジュアルのこだわり 「フリーハンドの方が楽」
配信日:2026/07/21 22:52
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第六章「碧い迷宮」の“ヤマトーク”付き上映会が7月21日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催された。総監督の福井晴敏さん、監督のヤマトナオミチさん、脚本の岡秀樹さん、イメージドローイングを担当する麻宮騎亜さんが登壇し、桐生美影役の声優の中村繪里子さんが進行を担当。麻宮さんが描いてきた「ヤマト3199」のティザービジュアルやプラモデルのパッケージの制作の裏側が明かされた。
◇第一艦橋と第三艦橋がズレている!
麻宮さんはこれまで描いてきたティザービジュアルについて「基本的に福井さんから指示をいただいて描いています。いつも反応が気になるのですが、優しい方々ばかりで、ありがとうございます!」と話すと、福井さんは「想像の15倍くらい豊かなものがいつも上がってきます」と麻宮さんの仕事に感謝した。
この日は第一章「黒の侵略」と第二章「赤日の出撃」のティザービジュアルの制作過程を紹介。麻宮さんは第一章について「『ヤマトよ永遠に』を踏襲した形という話でした。僕のこだわりなのですが、第一艦橋と第三艦橋がズレている。わざとなんです。オリジナルがズレていますし、僕のひそかな楽しみです。僕の知り合いで気付いた人がいました。羽原信義って言うんですけど」と明かした。
「ヤマト3199」のメカはCGで表現されているが、麻宮さんは「基本的にシャープペンシルで描いています。『2199』のエンディングのメカも手描きなんです。それをスキャンしてPhotoshopで色を付けています」といい、岡さんから「CGは使わない?」と質問されると、「使えないんです。CGを使い始めたのは早かったんだけど、やっぱりアナログがいいなとなっていたんです」とこだわりがあるという。
第二章のティザービジュアルについては「自分の中でもよくできたと思っています。『反撃』というキャッチコピーがありますが、自分も白内障の手術が終わってから描いたので、個人的な『反撃』もありました。『よく見ろ。これが宇宙戦艦ヤマトだ』というキャッチコピーもありますが、『これが麻宮の宇宙戦艦ヤマトだ』という思いでした。最初はアステロイドが多すぎるとリテークがあって、そのときにミスに気付きました。第一艦橋の窓が4つしかなかった。昔のオマージュじゃなくて間違えていたんです。誰も気が付いていなかったけど、慌てて足しました。昔、背景を作るソフトで岩のCGを作っていたので、アステロイドは、それに手描きでディテールを加えました」と秘話が飛び出した。
麻宮さんは「ヤマト3199」と実物大ユニコーンガンダム立像のコラボビジュアルも描いた。麻宮さんは東京・台場で実物大ユニコーンガンダム立像を取材して、描いたという。いずれのビジュアルも「実作業で3日間くらい。3日以上掛けてはいけないと思っています。集中力が続かないですし」というから驚きだ。
◇アリゾナのプラモは“王道のアングル”で
麻宮さんはビジュアル、イメージドローイングだけでなく絵コンテも担当している。スクリーンに麻宮さんが担当した第15話のシナリオと絵コンテが映し出され、「シナリオを読んで、そのイメージをそのまま描いている。ゲストで入ったときは、基本的にシナリオをいじらない」と向き合っているといい、岡さんは「シナリオを書いているとき、カメラワークなどのイメージを持っている。僕は超保守派なので、ここは完結編寄り、こっちは復活篇寄りなどと考えていますが、全然違うものが出てくる。現代のアニメに一気に踏み込んでいくので、びっくりしたし、うれしかったです」と称賛した。
福井さんは「麻宮さんにやってもらうと、コンテを超えられない。このニュアンスを映像にするのが難しい」と話すと、麻宮さんは「僕はアニメーターは引退しているので。といいながら警察のロボットものをやりましたが。あれは、大先輩の出渕(裕)さんに言われたので……」と苦笑した。
6月に発売されたアリゾナのプラモデル「1/1000 アリゾナ級宇宙戦艦アリゾナ」(バンダイスピリッツ)のパッケージアートのラフも公開された。麻宮さんは「3パターンのラフを出して選んでもらった。“王道のアングル”とお願いされた。スタジオぬえの宮武(一貴)さんや加藤(直之)さんが描いたような重厚なイラストにしたかった。線画はシャープペンシルで描いています。大体、半日くらいです。硬質感をどうにか出したい。宮武さんや加藤さんのヤマトは硬質感がすごい。とても50年前のイラストとは思えない。あれに追いつくにはまだまだ修行が足りない」と裏側を語った。
「1年くらい前から定規を使った方がいいと気付いたんです。それまでフリーハンドだった。主砲やアンテナは定規を使うようになりました。今年で40周年ですが、アニメーターの頃から定規が嫌い。フリーハンドの方が楽なんです。戦艦の主砲は一つ描いて、コピペすればいい。それも最近気付いた」という驚きの発言も飛び出した。
麻宮さんの「宇宙戦艦ヤマト」関連の仕事をまとめた画集が発売されることも発表された。「海神-WADATSUMI-」というタイトルになるといい、麻宮さんは「『ヤマト』の仕事をいろいろやっていますが、全部詰め込もうとしています。『2199』のエンディングのラフ、原画などもあるので、可能な限り収録したい。超豪華特装版も出したい」と話すと、ファンから大きな拍手が巻き起こった。
「ヤマト3199」は「ヤマトよ永遠に」「宇宙戦艦ヤマトIII」を原作に、新解釈を加えて再構成した。第六章「碧い迷宮」が6月26日から上映されており、最終章となる第七章「虹色の輪廻」が10月30日から上映される。
提供元:MANTANWEB











