さよならララ:菱川花菜×川石奈奈インタビュー 滋賀の空気を胸にララと茉里を演じる
配信日:2026/07/20 10:01
キネマシトラスの15周年記念作品となるオリジナルアニメ「さよならララ」が、7月5日から毎週日曜深夜0時半にTOKYO MXほかで放送されている。童話「人魚姫」を題材としたアニメで、人魚姫ララが200年の時を経て、現代の琵琶湖によみがえる。滋賀出身の小出卓史さんが監督を務め、菱川花菜さんが主人公・ララ、川石奈奈さんがララと生活することになる現代の滋賀県大津市に住む女子高生ボクサー・大津茉里を演じる。川石さんは滋賀出身で、アニメのメインキャラクターを初めて演じる新人だ。「人魚姫」「滋賀」と意外な組み合わせなど謎も多いが、一体どんなアニメなのだろうか。菱川さん、川石さんに作品にかける思いを聞いた。
◇滋賀出身として気合を入れて
--作品の第一印象は?
菱川さん 人魚姫と滋賀という組み合わせのインパクトが大きくて、これはすごい作品になりそうだなと思いました。最初は、なんで滋賀が舞台なんだろう?と不思議に思い、その謎はきっと収録に行ってからじゃないと分からないんだろうなと思い、謎のままオーディションに挑みました。オーディション資料の絵コンテやビジュアルボードが本当に魅力的で、どうにかしてこの世界の中に入りたいなと強く思い、緊張しながらオーディションを受けました。オーディションの資料にはララと茉里のことも書いてあって、ララと茉里は真逆のキャラクターだと感じたので、ララを演じるためには茉里のこともちゃんとよく知らないとな……と夢中で読んだ思い出があります。
川石さん 私がオーディションのときにいただいた資料には、絵コンテなどは入っていなくて、茉里の立ち絵とセリフだけでした。オリジナルアニメで原作がないので、どうやって物語が進んでいくのかが全然分からなかったですし、収録が始まってみると、想像していたよりもとんでもないことが起きることも多く、驚きがすごく大きかったです。滋賀を舞台とした作品ということは聞いていて、花菜ちゃんと同じように、滋賀と人魚がどうやって結びついていくんだろう?と考えていました。
--川石さんは滋賀出身ということで、気合が入っていた?
川石さん めちゃくちゃ気合が入っていました。滋賀が舞台の作品は珍しいですし、滋賀県民としてうれしかったです。オーディションを受けるときも「絶対に受かりたい」「この作品にどうしても出たい」という思いが強かったので、出演が決まってとてもうれしかったです。オーディションの経験もあまりなかったですし「今回こそは」という強い気持ちがありました。たくさん練習して、いただいた資料がボロボロになるくらい練習しました。スタジオオーディションの直前は、私以外にいないだろう!というくらい気合が入っていました。
◇琵琶湖の広さにびっくり
--菱川さんは「さよならララ」のイベントで滋賀に行ったそうですが、初めてだった?
菱川さん そうですね。去年、初めて琵琶湖の清掃のイベントに行かせていただき、それが私にとっての“初滋賀”でした。帰り道に、マネージャーさんが「滋賀いいな。移住したいな」と言い出して(笑)。普段はあまりそういうことを言わない人なんですけどね。琵琶湖がすごく広くて「向こう岸が見えるけど遠いな」とか思っていたら「あれは向こう岸じゃないよ。琵琶湖は(広すぎて)向こう岸は見えないよ」と教えていただき、びっくりしました。ここでララと茉里が一緒に過ごしているんだと実感しました。
--収録の前に滋賀に行った?
菱川さん 収録中でしたので、すごく解像度が高くなり、お芝居に良い影響を与えてくれました。アニメにも、滋賀のいろいろな場所がそのまま出てくるのも楽しかったです。
川石さん 滋賀には、おすすめしたいところがたくさんあります。話し出すと止まらないくらい(笑)。アニメに出てくるところもたくさんあるので、滋賀の魅力が伝わると思います。
◇ララに感情移入
--ララと茉里をどのように演じようとした?
菱川さん 私は地図を見ないで、あえて知らない土地を歩くのが好きで、「知らないけれどとりあえず行動してみる」という度胸は少し通じるものがあり、ララに感情移入できた部分がありました。ララの度胸や芯の通ったところが好きだったので、収録ではそこを出しすぎてしまい、「もう少し品を出してください」と言われました。ララはプリンセスですし、育ちがいいので、上品なところを意識しながら演じさせていただきました。
川石さん 私は茉里と考え方が似ているところが結構あったのですが、私とは真逆なところもあり、どういう意図があって茉里はこういう気持ちになったのかを考えていました。私は共演者の方よりも経験が全然なくて、できるだけ時間をかけて作品と向き合おうとしました。収録の期間中は茉里と同じような生活をしようとしました。茉里と同じものを食べたり、毎朝5時に起きてジョギングをするというシーンがあるんですが、3、4カ月ずっと続けていました。あとはボクシングを始めたり、がむしゃらに、できることは何でもやろうという気持ちでした。
--ボクシングを始めて感じたことは?
川石さん 私は運動神経がないので、経験してみて、茉里はすごいなと本当に思いました。上級者の方たちの動きを見て、息遣いを近くで感じることができてよかったです。ガチスパーリングのシーンにも生きていると思います。
--滋賀弁はいかがでしたか?
川石さん 方言に関しては、監督から自由にさせていただいていたので、アクセントでつまずくことはなかったです。ただ、関西の養成所に通っていたときに「教室に入ったら絶対に標準語以外はしゃべっちゃダメです」と言われていたのですが、いざ初めてメインの役をやるとなったときに「方言をしゃべってください」と言われて……。方言だと、セリフを立てたいところが立たなかったりすることがあったので、立たせたいところを意識するか、方言を意識するかという塩梅を探るのが難しかったです。
◇作画! 音! 色!
--ララを演じる中で大変だったことは?
菱川さん ララは感情の起伏が激しく難しくもあったのですが、楽しかったです。監督のフィルムの中に生きられるうれしさが大きくて、大変だとは思っていなかったんです。作品の力を感じながら収録していました。みんなが全力で絶対にいい映像にしたいと挑んでいた現場なので、負けてられないぞという気持ちになりました。現場の空気に引っ張ってもらっていましたね。
--初共演だったそうですが、共演する中で感じたことは?
菱川さん 私は自分が先輩だと思ったことがなくて、すごく元気をいただいていて、学びもたくさんあったので、すごく刺激をいただきました。茉里が奈奈ちゃんで本当によかったと感じています。奈奈ちゃんは絶対にめげないんです。どんなときも前を向いて、絶対いい音を録(と)るという思いが伝わってきて、私は背筋が伸びる思いでした。本当にパワフルなんです。
川石さん 花菜ちゃんは第1話のときからずっと隣にいてくれて、私のことを見てくれていました。座長なので、大変なこともあったと思うのですが、それをみじんも感じさせないような振る舞い、お芝居をされていて、一番近くでお芝居させていただいていたからこそ、花菜ちゃんのお芝居に対する気持ちをずっと感じていました。この人の隣に立つために、私はもっと頑張らないといけないという気持ちでした。
--映像を見た感想は?
川石さん 花菜ちゃんと大野さん(大津祥弥役の大野智敬さん)と一緒に第1話を見たのですが、3人で「ええ!? 作画! 音! 色!」と全てに対して声がずっと漏れる状態で、感動していました。プロフェッショナルの方々が力を合わせて作った作品だと、1カット1カットから伝わってきました。
菱川さん 見たときに、目からの情報と耳からの情報が盛りだくさんで、目を一度でもそらすと見逃してしまうような情報がたくさん込められていました。一瞬で目を引く映像なので、そこも意識して見てほしいですね。
川石さん まさに、「目そらしたら負け」ですね。茉里の決めゼリフです。
フレッシュな菱川さんと川石さんは、琵琶湖の広大な自然、そして滋賀のみずみずしい空気感を胸に収録に臨んだ。彼女たちが全身全霊で命を吹き込んだララと茉里が、劇中でどんな奇跡を起こすのか。「目をそらさない」で、彼女たちのみずみずしい物語の始まりを見届けてほしい。(阿仁間満/MANTANWEB)
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