サイボーグ009 ネメシス:新作アニメ 現代を舞台に「正義とは何か」を問う 作画の文脈を意識したCG 安保英樹監督インタビュー
配信日:2026/07/18 7:01
石ノ森章太郎さんの人気マンガ「サイボーグ009」の新作アニメ「サイボーグ009 ネメシス」が、7月19日から各動画配信サービスで配信される。「サイボーグ009」は、1966年に劇場版アニメが公開されて以来、幾度もアニメ化されている。新作はCGアニメとなり、現代を舞台に世界の平和を陰から支えてきた009/島村ジョーらゼロゼロナンバーサイボーグたちが、新たな9人のサイボーグ集団・ネメシスと対峙することになる。アニメを手がける安保英樹監督に制作の裏側を聞いた。
◇新たなサイボーグ集団の登場 リアルなビジュアルと作画的なCG
「サイボーグ009」は、悪の組織ブラック・ゴーストによってサイボーグにされた島村ジョーら9人の戦士が、ギルモア博士とともに正義のために戦う姿を描いたマンガ。1964年に「週刊少年キング」(少年画報社)で連載が始まり、「週刊少年マガジン」(講談社)や「少年サンデー」(小学館)などでも連載された。
新作アニメは、石森プロが企画、発案し、ストーリーやキャラクター設定の骨子を固めた上で、「KAIJU DECODE 怪獣デコード」などでCGディレクターを務めた安保さんが監督として参加することになった。
新作のテーマは「正義とは何か」。誕生以後、半世紀以上にわたり平和を脅かすさまざまな敵から人々を守ってきたサイボーグ戦士たちの前に、「009たちでは世界を安寧に導くことはできない」と信じた9人のサイボーグ集団・ネメシスが現れる。ネメシスは犯罪組織であれば子供さえも攻撃し、独自の正義を掲げる。
ゼロゼロナンバーサイボーグが「人間でい続けることにこだわっている」のに対して、ネメシスは「自発的にサイボーグ化を進めていく9人」と、新旧対比の構造になっているという。それぞれのキャラクターに関しては、「内容的に結構シリアスなので、ビジュアルは原作よりリアルめにしています。CGとの相性もありますが、そのほうが作品の雰囲気とマッチする印象がありました」とビジュアルを形作っていった。
2Dアニメ、CGアニメとさまざまなアニメが制作されてきた「サイボーグ009」において、新作では「作画的なCGアニメ」を目指した。
「今作はCGアニメなのですが、見た目、動きに関しても、作画アニメの表現を踏襲しつつセルルック的にCG化して、エフェクトも含めてリッチにしていきました。CGアニメはそのまま作ってしまうと、ぬるぬると動くような表現になってしまう場合もありますが、タメ・ツメを見せたり、コマを抜いたりすることで、止めるところは止める、動かすところはしっかり動かす。また、シーンによっては手を大きくするなど誇張表現も入れて、作画アニメの文脈をなるべく崩さないようにしました」
重力操作や凍結などさまざまな能力を操るネメシスとゼロゼロナンバーサイボーグとのアクションシーンでも、「CGのエフェクトをふんだんに使いながらも、タメ・ツメを意識しています。キャラクターが多いので、それぞれの個性を出すのは難しいものがありましたが」とこだわった。
◇正義を訴え続ける意味
「サイボーグ009 ネメシス」は、ストーリーや設定、画作りにおいても新旧の対比が感じられる。主題歌に関しても、オープニングテーマに1979年放送のテレビアニメ「サイボーグ009」の主題歌でもある「誰がために」が採用され、「BARBEE BOYS」としても活躍する杏子さんが歌うことが話題になっている。
「『誰がために』は僕のほうからお願いしました。やはり、僕が子供の頃に見ていた『サイボーグ009』のテーマと言えば、この曲でしたので。オープニングの映像に関しても、ジョーが涙を流すシーンを入れるなど、当時をほうふつさせるものになっているかなと思います」
自身も子供の頃にジョーたちが戦う姿に憧れたという安保監督は「サイボーグ009」の魅力を「伝統」と語る。
「さまざま形は変わっていっても残り続けるというのは、やはりファンがいるからでしょうし、そういったところが素晴らしいと感じています」
60年を超える長い歴史があり、戦争や社会問題を描いてきた作品でもある。
「今作も、まさに今さまざまなところで争いが起こっているというところに通じるものがあると思います。ジョー自身の正義も時代とともに変遷して揺らぎながら、ある意味、偽善にしか聞こえないかもしれない。そうであったとしても、今の世の中では正義について話すことが大事なんだなと今作を通して改めて感じました。理想論だったとしても、言うことが大事なんだなと」
令和において、改めて「正義とは何か」を問う「サイボーグ009 ネメシス」。ジョーたちとネメシスの戦いの果てに何があるのか、その目で確かめてほしい。(しろいぬ/MANTANWEB)
提供元:MANTANWEB


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