大西沙織:「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。」インタビュー 初めて出会った新たな“ブチ切れ” 「物おじしない」挑戦

配信日:2026/07/05 11:01

アニメ「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~」で主人公のエリザベート・レイストン/エリー・レイスを演じる大西沙織さん
アニメ「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~」で主人公のエリザベート・レイストン/エリー・レイスを演じる大西沙織さん

 「HJ小説大賞2021前期」を受賞したはぐれメタボさん作、昌未さんイラストのHJノベルス(ホビージャパン)のライトノベルが原作のテレビアニメ「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~」が、7月6日からテレビ東京ほかで放送される。王太子に突然婚約破棄された上に投獄された美しき天才令嬢が、最強の魔導書を手に人脈、経済、武力を操って裏切者たちに報復する“復讐ファンタジー”で、人気声優の大西沙織さんが復讐心を胸に秘めた主人公のエリザベート・レイストンを演じる。「この作品で新しい“ブチ切れ”の概念を知ることができた」と語る大西さんに収録の裏側について聞いた。

 ◇とんでもない令嬢がいたもんだと思ったら…

 「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。 ~魔導書の力で祖国を叩き潰します~」。インパクトのあるタイトルだ。

 「オーディションを受けるにあたって、このタイトルを知ったのですが、インパクトがすごすぎて。“ブチ切れ”というと、ものすごく激昂していたり、激しく暴れているようなイメージがあったので、とんでもない令嬢がいたもんだと。でも、いざオーディション原稿を見たら、想像してたブチ切れとは違って、もちろん腹の内ではものすごく憤怒しているのは分かるんですけど、それを表に出すブチ切れじゃないのかなという印象を受けました。いざ役が決まって作品を読ませていただいたら、私が今まで歩んできた人生の中で出会ったことのないブチ切れで、新しいブチ切れの概念をこの作品で知りました」

 王太子に婚約破棄され、全てをささげてきた国からも裏切られたエリザベートは、強い復讐心を胸に隣国に亡命し、エリー・レイスとして新たな人生を始める。大西さんが語るように、散々な目に遭いながらも怒りで暴れるようなことはなく、常に冷静だ。「虎視眈々(たんたん)と復讐に向けていろいろなものを積み上げていくエリザベートの物語が、この作品の面白いところなんだろうなと感じました」と魅力を語る。

 ◇怒りを秘め続けるブチ切れ令嬢 虎視眈々と

 いざ収録が始まると、自身とエリザベートの“ブチ切れ”の解釈の違いが「まざまざと出た」という。

 「第1話で、エリザベートが投獄された後、侍女のミレイに背中を押されて復讐に燃えるとなった時、私が最初に演じたエリザベートでは熱量が高すぎたんです。私が想像するブチ切れに向かってうわっと奮起した感じだったんですけど、そうではなくて、もっと虎視眈々と、ヒョウが獲物を遠くからうかがっているような、冷静なエリザベートが復讐に燃え始めた感じでやってくださいとディレクションをいただきました。私は燃えすぎていたんだなと。例えば、ムカついたからすぐに石を投げるんじゃなくて、エリザベートはその石をダイヤモンドのように鋭くなるまで磨き上げている感じ。エリザベートってこういう子なんだと、アフレコ現場でディレクションを受けて初めて分かりました」

 エリザベートは怒りを抑えているというよりは「ここで一石投じるぞとなるまでは、怒りを秘めている」という。復讐への準備のためエリザベートはまず商売を始めるが、「商売をしている時は、怒りの感情を気にしないようにしていて。後々ものすごい波紋を起こすまでの道筋には怒りをちりばめないようにしていました。そもそも商売相手に私的な気持ちを表に出すのはプラスにならないとエリザベートは考えていると思うので、怒りはここぞという時に取っておくようにしました」とエリザベート流の“ブチ切れ”を表現した。

 大西さんにとってエリザベートは「今まで演じたことのないキャラクター」で、挑んだ役でもあった。

 「エリザベートと私の物事の感じ方とか、感情の出力の仕方が違いすぎたので、そのレベルを合わせていくのにまず苦労しました。また、エリザベートはエリーとして、さまざまな商売のやり取りをするので、ゲストキャラとして商売相手を演じる大御所の方たちも現場に出入りしてくださったんですけど、エリーとしてはいち交渉相手、自分の復讐を果たすまでの材料でしかないという意味で、どのキャラクターにも物おじしない。もしかしたら心の内では『やりづらいな』『緊張するな』というのはあるかもしれないのですが、それを出さない。一貫して対等でいる。自分だったら多分ビビっちゃうので」

 商売の場面や、魔導書を使う場面での難解な言い回しにも苦労した。

 「難しい言葉を紡ぐという意味で、声優として噛んではならない、間違えてはならない、頭が悪い人が頑張って言っているように聞こえてはならないと。その紡ぎ方でもう一段プレッシャーがあって、かつ誰が来ても対等でいなければいけない。だから、自分の中の引き出しを引っ張り出して役に生かしていくというよりは、エリザベートという“服”をいっぱい着込んで、頑張って表現した部分の方が多かったかもしれないです」

 ◇爽快感の後はドン引き!?

 「ブチ切れ令嬢は報復を誓いました。」の原作は長編の人気シリーズとなっており、アニメでは「“エリー対王国”を貫いた構成になっているので、原作を楽しんでいる方も楽しんでもらえる部分かなと思うので、ぜひ楽しみにしていただければと思います」と魅力を語る。

 エリザベートの復讐相手である王太子のフリード・ハルドリア、フリードの新たな婚約者となるシルビア・ロックイートなど、個性的なキャラクターをエリザベートがどう叩き潰していくのかも見どころとなりそうだ。

 「フリードは振り切れすぎていて気持ちいいというか。絶対に同情の余地を与えない、一貫してワルというのが、キャストの間でも結構刺さっていて、『大好きフリード』となっています(笑)。私もフリードのセリフが大好きで笑いたいんですけど、私の熱量でフリードのセリフを受け取ってしまうと、エリザベートじゃなくなっちゃうので、フリードとしゃべる時は能面というか、『絶対にあなたの面白ギャグみたいなセリフには付き合いませんからね』という気持ちでマイク前に立ってました(笑)」

 エリザベートの復讐劇の爽快さが今作の魅力と言えそうだが、大西さんは「序盤だけを見ると、爽快さだと思います。後々もう笑い事ではなくなると思うので、楽しみにしていただければ」といい、爽快さの次は“ドン引き”が待っているという。

 「エリザベートを演じているので、なるべくエリザベートの気持ちに寄り添って演じたいと思ってマイク前に立っていましたが、客観的に見たらドン引きしました(笑)」

 大西さんが表現した新たな“ブチ切れ”、爽快感にとどまらないエリザベートの復讐劇を楽しみたい。(しろいぬ/MANTANWEB)

提供元:MANTANWEB

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