石川由依×斉藤壮馬:「きみ愛」インタビュー じらされる“むずキュン” もどかしさがクセになる
配信日:2026/07/04 8:01
ウェブマンガ媒体「COMICポラリス」(フレックスコミックス)で連載中のマンガが原作のテレビアニメ「『きみを愛する気はない』と言った次期公爵様がなぜか溺愛してきます(きみ愛)」が、テレビ朝日系のアニメ枠“NUMAnimation”で7月4日から毎週土曜深夜1時半に放送される。貧乏ながらも前向きに生きる没落貴族令嬢のエルサ・ユカライネン、エリートだが不器用でこじらせている次期公爵のユリウス・ロイアスが、利害の一致から出会ったその日に“契約結婚”を結ぶことから始まる“尊すぎるむずキュン”ハートフルラブコメディー。ただの“キュン”ではない“むずキュン”であることがポイントになるという。エルサ役の石川由依さん、ユリウス役の斉藤壮馬さんに収録の裏側、“むずキュン”について聞いた。
◇不器用ながらも全力のユリウス
--オーディションだった?
石川さん 私はテープオーディションでした。先ほど「満場一致で」という話を聞いて、今さらながら、皆様の期待に応えられていたのだろうかと背筋が伸びる思いです。原作を読んで、エルサの第一印象としてフワフワした天然のような可愛い女の子ではありますが、生活力があって、誰かのためにと思って行動できる芯の強さを感じていたので、そこを込められたらなと思いながら演じました。
斉藤さん 僕もオーディションだったのですが、以前制作されていたボイスコミックでもオファーをいただき、ユリウス役として出演させていただいたことがあったんです。素敵な作品ですし、いつかアニメ化するのではないかと思っていたところ、オーディションのお話をいただき、一度ご縁あって担当させてもらったキャラクターなので、何としてでも出演したいなと思っていました。再度ご縁ありまして、出演させていただけることになりました。
--今回のオーディションでは、ボイスコミックの演技と変えた?
斉藤さん ボイスコミックのときに、原作の先生を含めて「こうしてください」というお話があったので、今回はそのときのアプローチを信じて変えずに臨みました。いろいろな考え方があると思いますが、小手先で何か策を弄しても、僕個人としてはあまりいい結果になったことがなくて。素直な思いを表現する方が、ご縁につながることが多いのかな?と思っています。
--ユリウスはどういう人物だと思って演じた?
斉藤さん 不器用な人ですかね。おそらく自分の心に蓋(ふた)をしてしまっているような人だと思います。特に序盤は、自分が本当はどう思っているのかということになかなか気づけません。でも、エルサは他の人とはどうやら違うようだぞと思っている。それが一体どういう思いなのか、それをどう伝えたらいいのかはなかなかうまくできません。人間味があるし、愛情深いけど、器用に表現するタイプというよりは、不器用ながらも全力を尽くすような人なんじゃないかなと思っています。
石川さん 壮馬君もおっしゃってたように不器用なんですよね。諜報活動をしているときは女性に接することができていたけど、エルサ相手になると途端にウブになって(笑)。私も聞いていて少し恥ずかしくなってしまうようなセリフもありますし、ギャップがあって可愛らしいんです。お互いを思い合っているからこそ、なかなか進まなくて、すれ違ってしまう関係が本当にもどかしく、ずっとその気持ちを忘れずに二人はピュアでいてほしいと思っていました。
--もどかしさがポイントになります。
石川さん そうですね、見ている方からすると、「もう早くどうにかして!」となったり(笑)。助言したくなってしまうんですよね。ゆっくり育んだからこそ、分かち合えるものもあるはずで、このテンポが作品の良さだと思います。
◇フワフワだけじゃないエルサ
--エルサは?
斉藤さん エルサという人に出会ったことで、ユリウスの変化や成長が始まるので、彼にとっては、かけがえのない存在だと思います。僕個人としても穏やかで優しくて、思いやりも深いエルサは人間的にとても魅力的だと思います。それでいて、人間として一本の筋が通っていて、流されるわけではなく、エネルギーを持っています。野菜を育てたり、生活スキルもすごい高いですし。フワフワしているだけではないのが魅力的で、収録中にも由依さんにそんなようなことを急に語ってしまったことがありました(笑)。
石川さん エルサは本当に懐が深くて、フワフワしているだけじゃないんです。誰かのためにと純粋に思っていて、よこしまな気持ちが一切ないので、この子はすごいなという気持ちが大きかったですね。よこしまな気持ちが入らないように、なるべく素直に演じようと意識していました。フワフワしていて、天然だからこその面白いシーンもあるので、そこはメリハリをしっかりつけられたらなと思っていました。
--共演する中で感じたことは?
斉藤さん 以前も何度かご一緒させていただいたときも素敵なお芝居をされる方だなと思っていましたし、今回も「エルサ役が石川由依さんです」とうかがって、安心感しかなかったです。エルサは、フワフワしている部分があって、芯がしっかりしているので、最初に元気系でいくか、フワフワ系でいくかと考えるところもあったと思うのですが、最終的にちょうどいいバランスにピタッと照準を合わせていらっしゃっていて、ユリウスが頑なになれるのは、エルサがフワッと受け止めてくださるからです。ユリウスとして「今ちょっと口調が冷たかったか?」と自然に思えるんです。いろいろな形で助けていただき、掛け合っていて心が弾みました。あと、全然噛まないんです。だから僕も噛めないんです(笑)。収録自体もスムーズでしたし。楽しかったです。
石川さん そんなことはないです。噛みますよ(笑)。モノローグ含めてエルサはセリフが多いですし、噛まないのを頑張りました。壮馬君とは以前も主人公とヒロインのような立ち位置でご一緒したことがあったのですが、聡明さがありつつ、ちょっと隙もあってキュンとしたりするような塩梅がすごく素敵なんです。いろいろなことをしっかり覚えているので、私が作品のことで何かど忘れしてしまったときも教えてくれたりしますし、本当に頼もしいんです。ここまで絡みの多い役は久々でしたが、毎回楽しかったです。
◇ムズムズするもどかしさ
--タイトルにもなっていますが、ユリウスは「きみを愛する気はない」と言います。
石川さん ユリウスは「きみを愛する気はない」と最初に言ってしまうし、エルサはドキドキしているのを「不整脈かな?」と勘違いしてしまうほど鈍感な部分があったりで(笑)。
斉藤さん 第1話の段階ではユリウスはこのセリフで特に嘘はついていないんですよね。なんだったらよかれと思って言っているといいますか。最初のボタンの掛け違いが、長く尾を引くことになり、ユリウスは言ってしまったことに対しては序盤から反省してはいるけど、反省しすぎているが故に、ポジティブな一言も言えなくなってしまっています。やきもきするのですが、視聴者目線で考えると、それを楽しめる物語になっているんですよね。二人とも不器用ながらも、根底には愛情や優しさがあって、人として魅力的な二人だからじっくり見守りたくなります。
石川さん 最初の一言も一応、思いやりからきているんですよね。
斉藤さん 「無理に合わせなくていいんだよ」とユリウスなりに言ったつもりだと思うんです。そんな冷酷に言わなくてもいいんですけどね(笑)。優しさのアウトプットに慣れていないんですよ。そんな彼がエルサと出会い、本来のいいところをどんどん引き出してもらえるのは、ありがたいことだと思います。ユリウスは内心は動揺したり、ドキドキしたりもしているけど、エルサという少し独特な感性を持っている人にはあんまり伝わっていない。でも、周りの人には伝わっているというバランスが面白いんですよね。ユリウスはピュアで、どこまで真っすぐなんだとは思いますが、思い悩んでいるところも愛おしくなる。それも彼の魅力だと思います。ただ、ちょっと言葉が足りないかな。
--余計なことは言いますが。
斉藤さん 必要なこともうまく言えていない(笑)。
石川さん 頑張って言おうとしているときもあるのに、タイミングが悪くて、伝わらないこともありますよね。なかなか難しいんです。
--そこが“むずキュン”なんですね。
斉藤さん 単なるキュンじゃなくて、ムズムズするもどかしさがあるんです。
石川さん この作品で初めて知りました。
--特に“むずキュン”を感じたシーンは?
石川さん ユリウスがエルサへの思いを口にしそうなところで、邪魔されたりするんです。私としては、モノローグが聞こえていますし、思い合っていることが分かっているので、ムズムズしてました。じらされる感じがします。
斉藤さん じらされる分、キュンとなるシーンがきたときの、その度合いがより増しますよね。特に物語が進んでいった先のすれ違ってしまうシーンとかも、悲しくもキュンとしちゃうところもあって、“むずキュン”とはまた違うかもしれませんが、思い出すとウルッとするようなシーンもあります。 (阿仁間満/MANTANWEB)
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