LINKL PLANET:まだ“ゲート処理中”の異色アイドル プラモ愛と「未完成ZEAL」に込めた思い 天川れみ、東恩納瑠花インタビュー
配信日:2026/07/28 7:01
“プラモデルと世界を繋ぐ”を目指す異色のアイドルグループ「LINKL PLANET(リンプラ)」の7枚目のシングル「未完成ZEAL」が7月29日に発売される。ガンプラをはじめプラモデルを展開するBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)のプラモデル公式アンバサダーを務め、メンバーはプラモデルをアピールしつつ、アイドル活動を行っている。2期生の天川れみさん、3期生の東恩納瑠花さんに、日々のプラモデル制作で培われたモデラーとしてのこだわり、新境地になったという「未完成ZEAL」への思いを聞いた。
◇モデラーとしての強み
ー-「リンプラ」に加入前はプラモデルに興味があった?
天川さん 「リンプラ」に入ってから初めてプラモデルを作りました。ただ、プラモデルを全く知らなかったわけではないんです。お父さんが元々、プラモデルの知識があって、家に置いてあったりしました。ただ、自分で作ってみる経験は初めてでした。
東恩納さん 私も「リンプラ」に入ってからです。加入前は、プラモデルがどういうものなのかも全然分かっていませんでした。加入後に、実はお父さんもプラモデルが好きだったということを知って(笑)。日常にはなじみがなかったんです。今は、日常にいつもプラモデルがあるのですが。
天川さん 私はもともと絵を描いたり、もの作りが趣味として好きでしたし、今ではジオラマやウェザリング(汚し塗装)に取り入れています。自分の頭の中で想像した世界を、絵ではなく立体的に作り上げられるのがプラモデルの魅力だと感じています。今では自分の“好き”をプラモデルに見つけて楽しめています。
東恩納さん 私は小さい頃からもの作りや一人で作業することが好きだったので、初めてプラモデルを作ったとき、説明書を見ているだけでワクワクしている自分がいました。私はあまり器用な方ではなかったのですが、器用じゃない自分でも素組みでちゃんと完成させることができますし、自分が作った作品を人に見てもらえるのがすごくうれしかったんです。段々と素組みだけでなく、塗装などもできるようになって、少しずつ成長できている気がして、やりがいを感じています。
--「素組み」や「ウェザリング」などのプラモデルの専門用語がすらすら出てくるんですね。
天川さん 「リンプラ」の良さは、ファンの皆さんと一緒にプラモデルを好きになっていけるところだと思います。ファンの皆さんもプラモデルが好きで、それぞれにこだわりがあるので、皆さんが作った作品を見せていただいて勉強になることもあります。逆にこちらから発信することで、お互いに新しい発見ができます。モデラーとしての強みがあるのが、「リンプラ」なんだと思っています。
東恩納さん 私自身、初心者として加入したので、最初の頃は、「プラモデルに正解がない」と言われても、これをやったら違うのかな……と不安が大きかったんです。これをSNSに投稿して、間違っていたらどうしよう……と考えることもありました。でも、勇気を出して作って、自分らしい投稿をしたら、ファンの方が「自分もやってみたよ!」「勉強になった」と言ってくださって、特典会でファンの皆さんが自分のプラモデルを見せてくださったりして、その時間がすごく好きになりました。私のような初心者でもこんなにプラモデルを好きになれて、どんどん成長していけることを伝えたいと強く感じるようになりました。
◇いきなりRGで大苦戦
--最初に作ったプラモデルは?
天川さん 私は「HG」シリーズのザクIIです。慣れていなさすぎて、脚のパーツを真逆の方向に取り付けちゃったりして……(笑)。せっかちなので、2本の脚を同時に作ろうとしちゃったんです。完全にフィーリングで作ってしまいまして、説明書通りに作ればよかった!と反省しました。いろいろな経験をしていくうちに、今では説明書を暗記できるようになって、「HG」シリーズだったら、勘でここはここのパーツだからと分かるようになってきました。ランナーを見たら、完成が見えてくるようになったんです。楽屋で、パーツがぽろっと落ちた時に「脚のパーツが落ちてるよ」と誰かが教えてくれたり、何か分かるんですよね。
東恩納さん オーディションで「プラモ審査」というものがあったんです。オーディションの前にSNSで関心を持ってもらえるかなと思って、少し難しいプラモデルを組もうとして、「RG」シリーズのユニコーンガンダムを選んでしまいまして……。内部フレームも難しいし、パーツも本当に多く、案の定、うまくできないし、アンテナをなくしてしまって(笑)。一度、放置しました。次はお父さんが一番好きな機体である「HG」シリーズのシャア専用ザクIIを選びました。それも、アンテナをなくしてしまったんですけど、作り切ることができました。
天川さん 最初はパッケージが格好いいものを選びがちなんですよね。今では最初に「HG」を選んだ方がいいと分かりますが、最初は分からないし。「RG」は内部フレームを組むのですが、そこが好きなんです! 関節の可動もすごくいいですし。
東恩納さん ユニコーンガンダムはその後ちゃんと作り切りました!
--東恩納さんは加入して約1年半ですが、どれくらい作った?
東恩納さん 小さいものもあるのですが、50体くらいは作っています。
天川さん ドヤ顔できるレベルだよ(笑)。
◇マイはんだこてが相棒!?
--これまで作ってきた中で、特に思い入れのある作品は?
天川さん 「RG」シリーズのウイングガンダムです。初めてウェザリングをして、ジオラマも作ったので、すごく思い出に残っています。アニメを見てから作品のファンになって、どうにか作品や機体の良さを自分で表現しようとして、自分の“好き”を詰め込もうとしました。プラモデルの“好き”をもっと追求したいと感じた思い出のキットです。
--ウェザリングはどうやった?
天川さん 当時はカッターで傷を付けて、ウェザリングペーストなどの専用の塗料を使って汚しを表現していました。今は、自分の相棒としてはんだこてを握っているのですが。家用と、外出用の2本を持っています。
--外出用ですか?
天川さん 何かあったときのために持っています(笑)。はんだこてを使うようになってから、表現の幅がすごく広がりました。パーツを少し溶かして、塗装を重ねると、溶けた表現や焦げの表現ができたりするんです。どんどん面白さを発見して、SNSで発信したら、ファンの方も「自分もやってみる!」と言ってくれたりもしますし、すごくうれしいです。
--元々、絵を描くのが好きだったそうですが、そのスキルも生きている?
天川さん それはあると思います。単色にするよりも、重ねることによって深みが出てくることを分かっていたので、ウェザリングや塗装にそれを生かしています。
東恩納さん れみちゃんのウェザリングは本当にすごいんです! れみちゃんは「リンプラ」のウェザリング担当というイメージがついています(笑)。
--東恩納さんはどんな塗装が好き?
東恩納さん 初めてエアブラシを使ったときの感動が忘れられません。本当にキレイに仕上がるんです。初心者だったので、エアブラシは敷居が高いと思って、最初は筆塗りをしていましたが、私はせっかちなので、塗装が乾燥するのを待つ前に触っちゃうんですよ(笑)。ハゲてしまって、取り返しのつかないことになったりしていて。そういう経験があって、1年くらい前に、エアブラシを使わせてもらったら、すごくキレイになったんです。それからずっとエアブラシが好きになりました。最近は、キャンディ塗装にもハマっています。私は光沢があったり、艶々したものが好きなので、トップコートを重ねて、限界まで艶々にしようとしています。
--東恩納さんが特に思い入れのある作品は?
東恩納さん 私は、最近作ったものなんですけど「MG」シリーズのガンダムダブルエックスです。「リンプラ」のワンマンライブの企画で作ることになって、私はダブルエックスを選びました。その前のワンマンのときに作ったウイングガンダムが大きな反響をいただいたのですが、それがプレッシャーになって、どうやって塗装しよう?とアイデアが全然浮かばなかったんです。ほかの方の作品を見て、アニメのシーンを見ても全然アイデアが浮かばなくて……。私はアイデアをノートに書くのですが、何も決めずに作ってみようと思ったんです。これまでは、色を細かく決めてから塗装していましたが、何も考えずにやったら真っ黒な機体になってしまって、これも自分の個性だなと思い始めました。私は暗めなベースで塗装することが多く、自分の癖を発見しました。そこから、ラメを足してみよう、少しグレーを入れてグラデーションっぽくしてみようとアイデアがどんどん浮かんできて、楽しくなってしまいました。結果的に自分の“好き”を詰め込んだ作品になりました。やっぱり作っていると本当に楽しいんです。新しい発見もありますし、ワクワクします。
◇今のリンプラは“ゲート処理中”
--7枚目のシングル「未完成ZEAL」はどんな曲?
天川さん 表題曲の歌詞に「未完成」というキーワードが出てくるのですが、この「未完成」は決してネガティブな意味ではなく、「未完成な自分だからこそ、理想の自分にたどり着くまでの道のりをすごいワクワクして楽しんでいる」と私は捉えています。プラモデルを作る過程みたいでもありますし、今の私たちに当てはまる言葉です。理想の自分にたどり着くまでの道のりを楽しむ曲なので、プラモデルを知らない方が自分の状況に置き換えて聴いても、前向きになれる曲になっています。
東恩納さん れみちゃんが言っていたように、歌詞に「未完成」という言葉があって、これは私たちの今の気持ちそのものなんです。私たちはよく「まだ組み立て中アイドル」と言っているのですが、完成形ではないけれど、自分たちの完成形を見つけていく中でのドキドキ、新たな出会いなどの過程も楽しんでいます。私たちの気持ちがギュッと詰まった曲だと思っています。今回のシングルは結構夏っぽく、爽やかな曲なので、「リンプラ」の新たな一面を見せられるんじゃないかなと思っています。
--自分たちの「完成度」をプラモデルに例えると?
天川さん まだ塗装はできていないですね。「まだ伸びしろがある」とも思いますし。今は、ゲート処理中ですね(笑)。これから「リンプラ」はさらに進化していきたいですし、完成して終わらせたくないという気持ちもあります。
東恩納さん 「リンプラ」をウェザリングしないように必死に頑張っています(笑)。
天川さん ウェザリングは悪いことじゃないから大丈夫だよ(笑)。
--新たなシングルで挑戦になったことは?
天川さん 衣装がこれまでと違ってクール系でスポーティー、ダンサーっぽいイメージなんです。パンツスタイルもあったり、スニーカーを履いていたりします。「リンプラ」の新たな一面を見せるという挑戦を考えたとき、ズバ抜けたパフォーマンスで圧倒してみたいという思いがあって、ダンスと歌に特に力を入れています。シングルに収録されている「Fairy Tale」のダンスにも注目していただきたいです。最年少のるかちのダンスパートもあるんです。
東恩納さん 「リンプラ」は「フォーメーション移動の美しさ」も強みだと思っていて、一人一人の見せ場があって、それぞれの個性が見えてきます。ライブだったら絶対に楽しいだろうな!とワクワクを胸に練習しています。ダンスは元々好きでしたし、もっともっと磨いて「ダンスと言えば東恩納瑠花」と思っていただけるように頑張っています。
--「未完成ZEAL」は新境地になったようですが、これからさらに挑戦してみたいことは?
天川さん プラモデルを作る生配信をもっとやっていきたいです。プラモデルが好きなファンの方と一緒に過ごす時間が好きなんです。その時間をみんなともっと共有していきたいです。ライブでは、皆さんを圧倒させるようなパフォーマンスができるようになりたいです。
東恩納さん 私はもっと新たな一面を見せられるようになりたいと考えています。プラモデルに関しても「自分と言えばこれ」というものを見つけていきたいです。もっともっといろいろなプラモデルに触れて、頑張りたいです。SNSでプラモデルについて発信して、もっと知ってもらいたいです。ライブでは、見るたびに「また成長してる!」と思っていただけるように、幅をどんどん広げていきたいです。
本当にメンバーがプラモデルを作っているのか……などと邪推する人もいるかもしれないが、彼女たちは、並々ならぬ熱意でプラモデルと向き合っているようだ。現在もまだ“ゲート処理中”で“未完成”かもしれないが、だからこその無限の可能性を秘めている。パーツを一つずつ丁寧に切り出し、独自のカラーを重ねていくように「リンプラ」のさらなる進化に期待したい。(阿仁間満/MANTANWEB)
提供元:MANTANWEB











