安彦良和:回顧展「描く人、安彦良和」 東京で開催 「ガンダム」「ヤマト」の貴重な資料 初公開のシャアのイラスト原画も
配信日:2025/11/17 19:11
アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインを担当したことで知られ、マンガ家などとして活躍する安彦良和さんの回顧展「描く人、安彦良和」が渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区)で11月18日から開催される。神戸、島根、青森、北海道でも開催されてきた回顧展で、東京でも開催されることになった。2026年2月1日まで。
同展は、大まかな時代とジャンルによって分類した6つの章で構成される。「1章 北海道に生まれて」では、北海道遠軽での少年時代、左翼的思想に傾倒した高校時代、学生運動に身を投じた大学時代を振り返り、高校、大学時代にノートに描いたマンガ「遙かなるタホ河の流れ」、学内誌「こんみゆん」などが公開される。中学生の時、授業の内容をノートにまとめた“重点整理帳”も展示される。
弘前大学を退学となり、虫プロダクションの養成所に入所し、研修生を経て、アニメーターとして活躍を始めた頃の活動を振り返る「2章 動きを描く」は「宇宙戦艦ヤマト」「勇者ライディーン」「無敵超人ザンボット3」などを取り上げる。「宇宙戦艦ヤマト」の絵コンテ、ポスターのラフスケッチなど貴重な資料も公開される。
「3章 カリスマ・アニメーターの誕生」は大ヒットした「機動戦士ガンダム」にフォーカスする。キャラクター設定、第17話「アムロ脱走」や第29話「ジャブローに散る!」、「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」のアムロとシャアの決闘シーンなどの原画、劇場版のポスターラフ案、サントラのレコードのジャケット用イラスト原画なども並ぶ。
MS(モビルスーツ)のデザインは大河原邦男さんが担当したが、展示されている資料を見ると、ガンダムの口元のデザインなどに安彦さんのアイデアが採用されたことが分かる。
シャアが描かれたレーザーディスク(LD)のジャケット用イラスト原画は、東京で初公開となる。これまでの展示では、対となるアムロの原画のみが公開されていたが、アムロとシャアの原画がそろうことになる。
実現しなかったOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)「命 MIKOTO」など“幻の企画”の資料も一挙展示。中でも「宇宙空母ブルーノア」の構成案が同展で公開されたことが話題になっており、見どころの一つになる。
アニメ監督、小説の挿絵、マンガでの活躍を概観する「4章 アニメーターとして、漫画家として」では「クラッシャージョウ」「巨神ゴーグ」「アリオン」「ヴイナス戦記」などを展示する。「巨神ゴーグ」は初期案、設定、イメージボード、レイアウトなど資料が充実しており、見応えがある。
「5章 歴史を描く」では、「ナムジ」「ヤマトタケル」「ジャンヌ Jeanne」「イエス JESUS」「虹色のトロツキー」「王道の狗」「天の血脈」といった歴史マンガ家としての顔を紹介する。「ナムジ」は、墨の濃淡による表現を目指したマンガで、原画を見ると繊細な表現に驚かされるはずだ。
「6章 安彦良和の現在(いま)」では、アニメ「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」以降、再びアニメに携わることになった現在を取り上げる。2022年に公開された劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」の資料も並ぶ。
11月23日には「虫プロから現在へ」と題して、安彦さんとりんたろう監督が対談する。同29日には小林よしのりさんとの対談「現在だからこそ…語ってよかですか?」も行われる。前期が11月18日~12月21日、後期が12月24日~2026年2月1日。会期中、展示替えがある。
提供元:MANTANWEB











