解説:「宇宙戦艦ヤマト」 母娘で紡ぐサーシャ 受け継がれた思い 愛と尊敬を込めて
配信日:2025/11/02 13:01
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第四章「水色の乙女(サーシャ)」で、人気キャラクターのサーシャが成長した姿になって登場した。サーシャを演じるのが人気声優の潘めぐみさんだ。「ヤマト3199」は、「ヤマトよ永遠に」「宇宙戦艦ヤマトIII」を原作に新解釈を加え、再構成した。1980年公開の「ヤマトよ永遠に」では、めぐみさんの母・潘恵子さんがサーシャを演じており、母から役を引き継いだことが話題になっている。めぐみさんは、愛と尊敬を込めてサーシャを演じている。
◇サーシャを受け継ぎ感無量
サーシャのフルネームは「サーシャ・イスカンダル・古代」で、古代守とイスカンダルの女王・スターシャの娘。主人公・古代進の姪(めい)にあたり、物語の重要な鍵を握る。
めぐみさんは「HUNTER×HUNTER」のゴン=フリークス役や「【推しの子】」の有馬かな役などで知られ、恵子さんは「機動戦士ガンダム」のララァ・スン役などで活躍してきた。親子で時代を超えて人気キャラクターのサーシャを演じることになった。恵子さんはリメークシリーズにマザー・デザリアム役として出演している。
「ヤマト3199」の総監督を務める福井晴敏さんは“親子”の起用理由を「ほかは考えられない」と明かしたことがあった。福井さんは、恵子さんに、めぐみさんがサーシャ役を引き継ぐことを説明していたという。
「ある日、福井さんと食事をした時、絵コンテを持ってきてくださったんです。そして、『サーシャはめぐみさんにお願いするから』とお話がありました。『めぐみにできるかしら?』と言っちゃったような記憶があります。『ヤマトよ永遠に』のサーシャは、はかないけれど、今は女の子が強いですからね。サーシャは意志は強いんだけど、当時ははかなさが求められていて、時代だったのかな?とも思います。私より娘は強い。意志も体力、精神も強いんです。私が26歳で演じたサーシャは14~17歳、はかない感じが娘にできるのかしら?と思ったんです。でも、絵コンテも見せていただいて、この時代のサーシャならできるかな?とも思いました」
めぐみさんは「母から役を受け継がせていただくことがすごくありがたいですし、福井さんは『機動戦士ガンダムUC』でデビュー当時にお世話になったので、こうして再びご一緒させていただけること、それがまたうれしくて。感無量です」と大役を引き継いだ。
◇娘の「成長を感じた」
めぐみさんは、サーシャを受け継ぐことになり、母から「『あなたが今後この役割を担っていくことになるのね』と母らしい言葉をいただきました」と印象的な言葉を投げかけられた。めぐみさんは「ヤマト3199」に出演が決まる前から、母から「宇宙戦艦ヤマト」の話を聞いていて、サーシャと母を重ねて見ていたところがあったという。
「サーシャは、キュートで愛嬌があって、とてもピュア、少女性があるキャラクターだと感じていて、母がこれまで生きてきた話を聞くと、まるでサーシャのようなんです。キュートでチャーミング、子供の頃に抱いていたキラキラしたものがそのままで、柔らかい雰囲気なのですが、どこか意志の強さを感じるし、娘からすると頑固さも垣間見える。それが複雑にもシンプルに共存しているのが、サーシャだと私は感じています。サーシャは、最終的に自分で選択していく強いキャラクターです。当時の母でもあり、今の母でもあって、母の人生のようだと勝手に思っています」
めぐみさんの言葉からは母への愛と尊敬を感じる。恵子さんは「ヤマト3199」で、めぐみさんの演じるサーシャの声を聞いて「私よりハマってます(笑)」と感じたという。
「私がサーシャを演じた時はど新人でしたが、娘はいろいろと積み上げてきましたから成長を感じましたし、心配していません。『ヤマトよ永遠に』の時、大先輩の(古代進役の)富山敬さんの『サーシャ!』というセリフに愛を感じました。私のことが好きなんだ!と思うくらい愛情のこもったセリフでした。私は素晴らしい現場に育てていただきました。娘も、私が何か言うより、現場で皆さんに支えられ学んでいるんですね」
「宇宙戦艦ヤマト」への思いは、母から娘に受け継がれた。めぐみさんが演じるサーシャは、「ヤマトよ永遠に」のサーシャを受け継ぎつつも、“今のサーシャ”であることも感じる。
第四章「水色の乙女(サーシャ)」で、2歳だったサーシャが17歳になって古代らの前に突如現れた。急に成長した理由も明かされた。ただ、サーシャ、恵子さんが演じるマザー・デザリアムはまだまだ謎も多い。親子共演に、何か意味があるのでは?と勘ぐりたくもなるが、真相はいかに。今後の展開にも注目したい。(阿仁間満/MANTANWEB)
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