永久のユウグレ:キャラクター原案 タヤマ碧インタビュー 趣味を盛り込んだデザイン ユウグレとトワサの共通点
配信日:2025/10/12 11:01

「true tears」「SHIROBAKO」などのアニメ制作会社「P.A.WORKS」によるオリジナルテレビアニメ「永久のユウグレ」が、MBS・TBS系の深夜アニメ枠「スーパーアニメイズムTURBO」で放送されている。AIの技術が発展した未来の世界を舞台とした本格ラブストーリー。最愛の恋人・王真樹トワサと愛を誓い合った主人公・姫神アキラが長年にわたるコールドスリープから目覚め、戦争によって荒廃した街を目にする。アキラの前にトワサと酷似したアンドロイド・ユウグレが現れ、世界のどこかで生きているはずのトワサと再会できると信じて、共に旅をすることになる。キャラクター原案のタヤマ碧さんに制作の裏側を聞いた。
◇かなり自由に
--今作で担当したことは?
メインキャラクターと一部のサブキャラクターの大元になる外見を考えました。あわせて、この作品の世界に生きる人々が、どんな顔立ちや体格、服装なのか、おおよそのイメージも考えました。
--作品の印象は?
アンドロイドとの恋愛を軸に、200年前の恋人を探す旅をするというストーリーは、まさに私のツボです。自分では描きたくても描けないストーリーなので、キャラクター原案という形で関わらせていただけたことを、本当にありがたく思っています。
--アニメに携わるのは初めてということですが、アニメならではの難しさ、面白さは?
装飾の度合いや、ディティールをどこまで詰めたらいいのか、その具合が難しかったです。ただ初めての仕事だったので、過去にやったデザインとかぶらないように意識する必要もなく、自分の好きなデザインを真っすぐ考えることができたので、難しさより楽しさを実感することの方が多かったです。
--「私自身の趣味や好みも盛り込ませていただいています」とコメントされています。具体的に「趣味」「好み」とは?
ストレートのロングヘアー、ポニーテール、クロップド丈の服、ハイネック、タイトスカート、レオタード、高めのヒール、特にユウグレをはじめとしたアンドロイドたちは、自分の趣味を盛り込みました。体を描くことが好きなので、どこかしら体のラインが出る服を着せがちです。
--監督やスタッフからのオーダーは?
最初に監督から髪や瞳、人種のイメージなどをまとめた資料をいただき、キャラクターごとの印象を共有していただきました。ただ「資料に縛られなくても大丈夫」とのことで、結果的にかなり自由に描かせていただいたと思います。具体的な内容は2年前のことなので記憶が曖昧ですが、「アモルの胸は大きく」というオーダーだけは覚えてます(笑)。
◇未来のイメージと懐かしさ
--作品の舞台を踏まえてキャラクターで表現しようとしたことは?
現代に近い未来は、今と流行が変わっているんだろうなくらいの感覚で、そこまで未来感を強調しないようにしました。荒廃した200年後の世界は、生活レベルに大きく落差が生まれ、都市から離れるほど原始的な生活を送っているという設定でした。私なりの未来のイメージと、1900~1960年頃のファッションを参考に、懐かしさを感じるけど時代感にも縛られない、その上で現在の感覚で魅力的に感じるキャラクターを表現したいと思いました。
--アキラは成績優秀、容姿端麗なキャラクターです。デザインでこだわったところは?
成績優秀、容姿端麗とだけ聞くと、クールで近寄りがたいイメージを持つかもしれません。ただ、アキラは優しくて勇敢な主人公らしい青年なので、子供やお年寄りからも好かれるような、親しみがあるイケメンをイメージして描きました。服装については、オシャレかどうか以上に、自分のオタク心に刺さる主人公らしさを重視しました。
--ユウグレとトワサは酷似しているという設定です。2人の共通点をどのように表現しようとした?
顔の作りや髪型は同じように描いたので、色がなければそっくりなはずなんです。とはいえ、髪色も瞳も表情も違う2人を似てると思ってもらえるか、心配ではありました。でもアキラが似ていると言ってるんだからそれで十分伝わるはず……!と信じてます。
--この作品で挑戦になったことは
こういうタイプは描いたことがないかも、と思うようなキャラクターを考えるのは挑戦でした。オボロのようなガッチリした大男は描いていてとても新鮮でした。ただ一番難しかったのは、かなり年老いた、とあるキャラです。
--最後にメッセージをお願いします。
オリジナルアニメならではの先が読めない魅力が詰まった作品だと思います。アキラは旅の途中でさまざまなキャラクターと出会います。ぜひお気に入りのキャラを見つけてください!
提供元:MANTANWEB