羊宮妃那:転機となった「着せ恋」 “好き”を貫く大切さ 3年の変化と成長

配信日:2025/08/30 8:01

「その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする」に出演する羊宮妃那さん
「その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする」に出演する羊宮妃那さん

 「ヤングガンガン」(スクウェア・エニックス)で連載された福田晋一さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「その着せ替え人形(ビスク・ドール)は恋をする」(着せ恋)。2022年1~3月に放送されたSeason 1以来、約3年ぶりの新作テレビアニメとなるSeason 2がTOKYO MX、BS11ほかで放送されており、8月30日放送の第21話「俺 今夜寝るつもりないので」で、人気キャラクターの乾心寿(いぬい・しんじゅ)が再登場することになった。心寿役の羊宮妃那さんにとって「着せ恋」は特別な作品になっているという。羊宮さんに「着せ恋」への思い、Season 2の収録について聞いた。

 ◇心寿ちゃんと出会って救われた

 「着せ恋」は、ひな人形の顔を作る頭師(かしらし)を目指して修業中の男子高校生・五条新菜と、アニメやゲームが好きなギャルでコスプレに興味を持つ喜多川海夢の恋を描いたラブコメディー。原作は、2018年に「ヤングガンガン」で連載をスタートし、3月21日発売の同誌7号で最終回を迎え、約7年の連載に幕を下ろした。

 羊宮さんが演じる心寿は、美少女コスプレイヤーの“ジュジュ”こと乾紗寿叶(いぬい・さじゅな)の妹。姉とは対照的に引っ込み思案で、姉のコスプレを撮影している。

 羊宮さんは「僕の心のヤバイやつ」「小市民シリーズ」「BanG Dream! It’s MyGO!!!!!」などで活躍する人気声優だが、「着せ恋」のSeason 1出演時は新人だった。オーディションに合格したのも「着せ恋」が初めてだった。

 「それまで最終選考に残った経験はあったのですが、最後の一人に選ばれることは一度もありませんでした。私は、そういう人生なんだろうな……と落ちる度に思っていて、悔しい思いをしていました。やり続ければ、夢はかなうかもしれないという気持ちにすがって生きていて、心寿ちゃん役で合格をいただいた時、本当に夢のようでした。好きだからこそ、頑張り続けること、“好き”を貫くことが大切だと感じさせてくれた作品だったんです。『着せ恋』と出会わなければ、今の私はいません。本当に感謝しています。オーディションのことは一生忘れません」

 羊宮さんにとって「着せ恋」は、一つの転機となった作品だった。

 「『着せ恋』は、特別な作品です。好きを大切にした作品ですし、“好き”はこんなにキラキラしたものなんだ!と感じますし、“好き”は力にもなります。私も悔しい思いをしてきて、それでも声優を続けて、なんとかなる保証もないけど、でも“好き”だからやり続けてきました。Season 1の最初の頃の心寿ちゃんは、お姉ちゃんに嫌われることが怖くて、コスプレをする勇気を持てずにいました。私も周りの目を気にしてしまったり、嫌われることが怖いなと思うことがあったので、Season1の時に心寿ちゃんの心境と重なる瞬間もありました。心寿ちゃんと出会うことで、これまで感じてきたものも、心寿ちゃんを演じるうえで必要な引き出しになったので、それまでの人生が救われたようにも感じました」

 ◇発声の変化 初めての経験

 Season 2は約3年ぶりの新作アニメとなった。羊宮さんにとっても待望の新作だった。

 「元々、Season 1だけの想定で動いていた作品ですし、心寿ちゃんをまた演じさせていただけるなんて思ってもいませんでした。待てるならば何年でもという気持ちでしたし、こんな夢のような奇跡が起きるんだ!という気持ちでした。デビュー当時の私は不慣れでしたし、精神面でもしゃべるのが苦手だったので、感情を落とし込むだけで、心寿ちゃんをスッと演じることができました。今回は、感情を落とし込むまではいいんですけど、心寿ちゃんの声でその感情をどうやったら出せるかが、難しいところでした」

 約3年で羊宮さんはさまざまな役を演じる中で成長、変化してきた。ただ、劇中の時間は約3年経過してるわけではなく。Season 1とSeason 2の心寿は地続きだ。

 「Season 1の時とは、私の発声が変わっているんです。お腹に力が入りやすくなったり、地声筋も鍛えていたりするので、一声目が心寿ちゃんの声よりも力強くなってしまうんです。Season 1の時は強めに出るように意識しなくちゃいけなかったのですが、今それをやってしまうとガツガツした女の子になってしまいます。Season 2では、心寿ちゃんの発声ができるように、わざと少し滑舌を甘くさせたりしました。相手の芝居を受けると、強くなりすぎてしまうので、受けつつも強くなりすぎないように、頭の中で切り替えていました。役として自分がその子でいることよりも、客観的に心寿ちゃんでいないといけませんでした。オーディションに受かった時の私と今の私は違いますし、そうするしかなかったんです。初めての経験でした」

 「発声が変わった」ということだが、何が変わっただろうか?

 「ボーカルとして活動させていただいて、楽器に埋もれない声にするために、お腹のトレーニングをしてきました。あとは喉の筋肉ですね。ファルセット、ミックスボイス、地声があって、音楽的に私の声を例えるとするなら、ファルセットだったんです。埋もれないようにするために地声筋を鍛えようとしました。するとミックスボイスも出せるようになったのですが、普段しゃべっている声が下がってきたんです。心寿ちゃんの声は、息がフワッと出ますが、地声筋が鍛えられたことで、出しづらくなって、言葉で説明するのが難しいのですが、痛い音になってしまうことがあります。鍛えた声を、鍛えていないように聞かせるのがすごく難しかったんです。キャラクターの声が変わってしまうと全然違うものになってしまうので、それを変えないようにしようとしました」

 収録現場では、音響監督の藤田亜紀子さんと一緒になって心寿を表現しようとした。

 「心寿ちゃんが好きなものを語る時、フワフワワールド、お花畑にいるようなイメージになるんですね。 お花畑だけど、変態にはなっちゃいけない。気持ち悪くならず、可愛らしさはありつつ、でも可愛いだけじゃない。“好き”を伝えたいけど、ガツガツしてはいけません。藤田さんからのディレクションでも『お花畑』というワードが出てきました。藤田さんのそのディレクションをそのまま落とし込みたいけど、今の私の声で表現するのが難しくて……。藤田さんもそこをくみ取ってくださって、すごくこだわって収録させていただきました。悔しくもあったのですが、悔しいままで終わったわけではありません。現場の皆さんが一緒に役作りをしてくださり、今の私が心寿ちゃんを生きることができました。心寿ちゃんとして生きられたのがうれしかったです」

 羊宮さんは「Season 1の時は とにかくまだ慣れないことがいっぱいあって、どういう姿勢で現場にいたらいいのか分からなかったのですが、その時よりかはリラックスして、皆さんと打ち解けられたのかな?」と笑顔を見せる。成長、変化した羊宮さんは、特別な思いを込めて心寿を演じた。Season 2の演技にぜひ注目してほしい。

提供元:MANTANWEB

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