Aimer:「鬼滅の刃」無限城編 第一章 W主題歌レコーディングの裏側 「ボルテージが何段階も上がった」
配信日:2025/08/24 7:01

吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作劇場版「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」。7月18日に公開され、見る者を圧倒するすさまじい映像美はもちろん、W(ダブル)主題歌である「太陽が昇らない世界」をAimerさん、「残酷な夜に輝け」をLiSAさんが担当していることも話題になっている。Aimerさんは2021年12月~2022年2月放送の「遊郭編」で主題歌を担当し、鬼殺隊と鬼たちとの最終決戦が描かれる「無限城編」の第一章でW主題歌を担うことになった。レコーディングの裏側、楽曲に込めた思いを聞いた。
◇第一章の“最後のピース”が「太陽が昇らない世界」だった
Aimerさんは、第一章のW主題歌のオファーを受け、「最初はただただ驚きでした。LiSAさんと一緒に主題歌を担当できるということがとてもうれしかったですし、『遊郭編』を経て任せていただけたということをすごく光栄に思いました」と語る。
「太陽が昇らない世界」は、「鬼滅の刃」の総監督であるufotableの近藤光さんが作詞、同作の音楽を担当する椎名豪さんが作曲、編曲を手がけた。初めて楽曲を聴いた時は「果たして自分が歌いこなせるだろうか」と感じたという。
「最初は完成形より前の段階のものをいただいて、仮でボーカルも入れてくださっていたんですけど、結構インパクトがありました。楽曲としてすごくいろいろな音楽性が込められているし、攻めた曲だなという印象を受けました」
Aimerさんは、「太陽が昇らない世界」のレコーディング前に作詞した近藤さん、椎名さんと楽曲について話す機会があったという。
「近藤さんが、W主題歌を今の時代にあえて作る意味をお話しいただきました。レコーディングの段階で、制作が終盤に差し掛かっていて、『この曲が最後のピースなんだ』というお話もあって、『世界観に浸透させるものにしたい』『インパクトを持たせたい』と伺いました」
◇レコーディングで初めての経験 Aimerの“MAX”を引き出す楽曲
「太陽が昇らない世界」のレコーディングは、Aimerさんがこれまで経験したことのないものだったという。
「映像を見せていただきながらレコーディングしたんです。近藤さん、椎名さんが立ち会ってくださって、『画(え)があったほうがより感情を込められるんじゃないか、より良くなるんじゃないか』と、急きょ画面を用意してくださったんです。レコーディングに入る前は、どんなふうに歌おう?と悩んでいたんですけど、ブースに入ってからはあっという間に録(と)れていって、自分でも驚きでした。やはり画があることによって、温度というか、ボルテージが何段階も上がった感じがありました。自分がどのくらいの熱量を込めていいのか、指標になるものがあるという。ライブの時は、お客さんがいて、ステージ立って、同じ温度になれるのですが、今回は画を用意してくださったことでライブ感が生まれたのかなと思います」
「太陽が昇らない世界」は、Aimerさんの音域をMAXで生かした楽曲にもなっているという。
「椎名さんがレコーディング後におっしゃっていたエピソードがありまして。事前にスタッフさんが私の音域を椎名さんにお渡しして楽曲を作ってくださったみたいなのですが、普通は一番低いところと一番高いところから余裕を持たせて作ることが多いんですけど、今回椎名さんは一番下から一番上まで“MAX”で作ってくださったとおっしゃっていて。だから、サビの終わりにキーが高くてオペラのように歌う部分があったかと思えば、Aメロは一気に一番低いキーまでいったり、高低差がすごく激しかった。自分の中でも歌っていて手応えがある曲だったなと思います」
中でも「元凶」「妖々」「熱くなれ」の歌詞の部分はかなりキーが高いといい、「フレーズ自体がシンプルだからこそ、よりボーカルで彩らなければいけない部分で、かつ、この楽曲の特殊性もあって、今までにないテイクを自分でも引き出せたんじゃないかなと思います。今回はより自分の濃い部分が出ているフレーズが多いかなと思っています」と挑戦もあった。
Aimerさんの新たな表現も垣間見ることができる「太陽が昇らない世界」。「炭治郎を含め鬼殺隊のみんなの気持ちを代弁するような気持ちで歌ったので、感情の波も楽しんでもらえたらうれしいです」と思いを込めた。
「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊へ入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの全世界累計部数は2億2000万部以上。テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」が2019年4~9月に放送され、2020年10月公開の劇場版「無限列車編」は、国内来場者数が2897万人を突破し、国内歴代興行収入1位となる約404億円を記録した。「遊郭編」が2021年12月~2022年2月、「刀鍛冶の里編」が2023年4~6月、「柱稽古編」が2024年5~6月に放送された。「無限城編」は三部作。
提供元:MANTANWEB