会沢紗弥×坂田将吾×中島ヨシキ:アニメ「サイレント・ウィッチ」インタビュー(2) 不可能を可能にしたいことは?
配信日:2025/07/26 10:02

インタビュー(1)の続き。小説投稿サイト「小説家になろう」などで人気の依空まつりさんによるライトノベルが原作のテレビアニメ「サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと」。人類が詠唱をなくして魔術を使うことができない世界を舞台に、史上初めて無詠唱魔術を生み出した若き天才魔術師、リディル王国における魔術師の頂点・七賢人の一人<沈黙の魔女>モニカ・エヴァレットの活躍を描いている。引きこもり天才魔女が正体を隠し、王子に迫る悪をこっそり裁く痛快ファンタジーで、モニカ・エヴァレット役の会沢紗弥さん、リディル王国第二王子でセレンディア学園生徒会会長のフェリクス・アーク・リディル役の坂田将吾さん、セレンディア学園生徒会副会長のシリル・アシュリー役の中島ヨシキさんら豪華声優陣の出演も話題になっている。会沢さん、坂田さん、中島さんに同作への思いや収録の裏側について聞いた。
◇ギリギリ狙うモニカの演技
--掛け合いの中で意識したことは?
会沢さん モニカは誰に対しても会話に慣れていなくて、言葉が出てこないので、相手の言葉を聞きすぎないようにしていました。自分が言葉を発することで、精いっぱいなんです。口癖が「ごめんなさい」ですし、こんな自分と話をさせてしまって、ごめんなさいという気持ちで掛け合いをしてました。 言葉が出にくいけど、聞こえなければダメですし、聞こえすぎても人間慣れしているように見えるので、ギリギリのところを狙っていました。
--ネロとの会話は?
会沢さん 現場では、ネロ役の生天目仁美さんがずっと隣に座ってくれていました。ネロの出番がなくても、残ってくださって、ずっとそばにいてくださいました。
--フェリクスやシリルは?
坂田さん 近付きすぎず、離れすぎず、一定の距離を保つように演じています。各キャラクターの意図、性格をできる限り見通して、最適な回答としてセリフを言えるようにしています。モニカに対しては興味があるとは思うので、そこは少し意識しています。感情が出過ぎちゃった時は「ちょっと抑えて」というディレクションもありました。怖く見えすぎた時は「少し優しく」となったり。
中島さん シリルは裏のある人じゃないですし、隠していることも今のところはないですし、素直に演じています。ほかのキャラクターが掛け合ってる時、後ろで見てるのが楽しい作品なので、よく見ています。ネロとモニカは、家族感や漫才感があるのですが、人間になると、全く人の話を聞かない。同じキャラクターでも印象が変わるのが、面白いんです。シリルは話が進むにつれて、モニカに優しくなっちゃうので、「少し戻して」と言われることもあります。
--坂田さんと中島さんが共演する中で感じたことは?
中島さん フェリクスは難しいんです。それができるのがすごいと思いますね。つい言葉を渡したくなるのが役者ですが、キャラクターに徹しているので、器用なんです。普段はそんな感じしないんですけど(笑)。坂田君はおおらかな印象があるので、キャラクター性と本人の性格を考えると、少し意外な感じもします。難しいことをさらっとやっているんです。
坂田さん そんな……。自分でそんなすごいことをやってるとは、あまり思ってなかったので。楽しく演じています。僕はヨシキさんのツッコミが好きで、毎回そうツッコむところを見ていました。僕は学生の頃からヨシキさんが出演されているアニメを見ていたので、どんなふうにシリルを演じるんだろう?と思っていました。ヨシキさんの声の持っている温かさがシリルに乗っていて、とても素敵なキャラクターになっていると感じています。
◇気になるキャラは?
--ほかのキャラクターの印象は?
会沢さん モニカから見ると、エリオットは今のところ怖いイメージしかないですね。和解していくのか、敵になっていくのか……。
坂田さん エリオットとはフェリクスとよく絡むのですが、エリオットは漢!という印象です。自分の中に強い芯があって、信念に付き従って動いているのでしょうね。行動の迷いのなさ、言動の迷いのなさが魅力的なキャラだと思っています。木村良平さんが本当に素敵なお芝居をされていて、間近で見られて、すごく勉強になってます。良平さんと話せるチャンスだ!と思って、休憩中などに話しかけていました。隣に座ってくださるので、相談しやすくて、アドバイスを毎回いただき、いつも頼りにさせていただいています。
中島さん キャストを見た時、良平さんや(ブリジット役の)日笠(陽子)さんと同じところにいなきゃいけないことに、プレッシャーが多少ありました。同年代と同じ現場が多いけど、先輩と名前を連ねさせていただくのは、うれしさとほのかなプレッシャーがあるんです。後輩もいるので、先輩としてちゃんとしなきゃ!となりますし。良平さんにはすごくお世話になっていて、何かあった時に相談させていただいている先輩なので、同業者としてダサいところは見せたくないという思いがあります。日笠さんにもお世話になっていますし、現場にいてくださるのは頼もしく、うれしいけど、やっぱりプレッシャーがあります。
会沢さん ニール役の榊原(優希)さんはすごく頼りにしていました。原作をすごく読み込んでいて、作品の理解が人一倍あるんです。
中島さん イザベルも気になります。イザベル役の種﨑(敦美)さんの引き出しの多さに感服しています。別の作品でも種﨑さんとご一緒させていただいたのですが、毎回違うことをやられているので、同じ役者として恐れおののいています。モニカがオドオドしているので、陽の力で作品を彩っていると感じています。明るくなりますし、好きなキャラです。
会沢さん ラナも気になるキャラクターです。モニカにとって唯一の光といいますか、ただただ優しくて、ずっとモニカのことを支え、気にかけてくれて、一緒にいてくれる。どのセリフにも優しさがにじみ出ています。中村カンナさんのお芝居も好きで、カンナさんが向けてくれる笑顔がラナと重なるんです。普段は、日常の話をしていることが多いので、モニカとラナについてはあんまり話した印象がないので、クラスメートみたいな関係性かもしれないです。
坂田さん ネロも可愛いですね。僕は黒猫を飼ってるので、見るたびに思い出します。うちの子もふみふみするなあ……とネロを見ていると心が安らぎます。リンさんも面白いです。無表情でしゃべるんですけど、その中に面白ポイントが何個も組み込まれていたりして、すごいと思います。
◇ここまではプロローグ!
--モニカは、不可能を可能にします。皆さんが不可能を可能にしたいことは?
坂田さん エレベーターの「閉まる」ボタンを連打したら、早く閉まるになってほしいです。
中島さん せっかちなの?
坂田さん あの時間が耐えられない(笑)。待ち望んでいる人も多いと思うんですよ。
会沢さん そういうジャンルだと……。
中島さん どういうジャンル!?
会沢さん 大江戸線を底上げしてほしいです。深いので、地上に上がる時間を逆算しないといけないので。
中島さん そんなに時間は掛からないでしょ(笑)。僕は車を運転するんですけど、みんなが交通ルールを守ってほしいです。危ない!と思うことが多いので。
--役者としては?
会沢さん 声変わりしてみたいです。お二人みたいなイケボに憧れます。少年の声じゃなくて、男性の声です。安元洋貴さんみたいな声にもなってみたいです。
坂田さん 男性も憧れる声です。
会沢さん どんな感覚なのか知りたいんです。
-ー最後にアニメを楽しみにしている人にメッセージをお願いします。
中島さん 第4話までくると、モニカが本格的に生徒会にも参加することになり、キャラクターがさらに増えます。モニカの受難はまだまだ続いていくので、緩やかに外へ気持ちが向いていくモニカを見ていただきたいです。モニカの成長物語ではありますが、国や貴族などの政治の話がついて回り、複雑化するところもあります。貴族階級だからこその厄介なルールもあり、彼らはその中で生き、自分のためだけではなく、背負っているものがあることを頭の片隅に置いておくと、また違った面白さが見えてくると思います。新たなキャラクターが登場した時、その辺りにも注目していただきたいです。
坂田さん 第4話で一旦、一つの波が収まったところもありますが、別々だと思われていた事件が、一人の黒幕によって起こされていて、モニカが探偵のように解決します。いろいろなことが起きてきて、ここまでがプロローグだったんじゃないか?というくらい、さらに面白くなっていきます。モニカの成長も含めて楽しみにしていただきたいです。モニカが面白いので、ぜひたくさんの人に見てほしいです!
会沢さん 第5話から登場人物がたくさん増えます。その登場人物は必ずしも善人とは限りません。それぞれに背負っているものがあるので、一人一人に注目していただきたいです。フェリクスやシリルとの関係が深まっていきますが、楽しい学校生活とはならず……。モニカ・ノートンは仮の姿で、目的は王子の護衛なのですが、この生活と現実や目的を考えると、切なくなるところもあります。ぜひ注目していただきたいです。
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