小松未可子×豊崎愛生×石川由依:アニメ「CITY THE ANIMATION」インタビュー(1) “初めての経験”ばかり 格闘技みたい!?
配信日:2025/07/05 8:01

「日常」などで知られるあらゐけいいちさんのマンガ「CITY」が原作のテレビアニメ「CITY THE ANIMATION」が、7月6日からABCテレビ、TOKYO MXほかで放送される。「CITY」は「モーニング」(講談社)で2016~21年に連載され、現在カムバック連載中のマンガ。大学生・南雲美鳥やにーくら、泉わこなど普通の“CITY”に住むちょっと普通じゃない人々の生活を描く。アニメ「日常」と同じく京都アニメーションが制作し、同社が新作テレビアニメ企画を手掛けるのは約6年ぶりとなることも話題になっている。南雲役の小松未可子さん、にーくら役の豊崎愛生さん、わこ役の石川由依さんに、「初めての経験もたくさんあった」という収録の裏側を聞いた。
◇インテリジェンスが!
--言語化が難しい面白さにあふれた作品です。
小松さん 誰もが一度は考えたことのある雑念をやっちゃっている(笑)。そんなことやっちゃったらどうなっちゃうの?というものを延長線上で繰り広げているんですよね。
石川さん 細かいんです。描き込みがすごくて、ポスターや帽子に描かれているものが、後につながっていたりして、まばたきをできないくらいなんです。もちろん何も考えずに見ても楽しいのですが、一コマ一コマ止めて見たくもなります。何回見ても発見があります。
豊崎さん 一貫してみんな心の中に必ず優しさがあるんですよね。優しさをコメディーで包んだようなアニメなんです。アフレコに入る前に、監督が「先生が描くキャラクター、世界観はギャグではあるのですが、漂うインテリジェンスも魅力だから、そこをしっかり表現していけたら」というお話をされてたのがすごく印象的でした。私たちも全力でギャグを演じていますが、どこかしらインテリジェンスが漂うアニメになっていて、それが独特の魅力だと思っています。ドタバタしていますが、すごく計算されていて、素敵で濃厚なアニメになっています。
小松さん 原作のさまざまなエピソードをつないでいるので、ここにきたの!となりますし、つなぎ方もインテリジェンスを感じます。原作の素晴らしさを最大限に見せながら、アニメとして掘り下げているところもあって、すごいバランスの作品なんです。
豊崎さん おもちゃ箱に3人が入ったビジュアルがありましたが、あれがまさにこの作品の魅力ですよね。箱の中にもかけがえのない、宝物がいっぱい詰まっていて、それを引っ張り出して、アニメとしてお届けしているような感覚があります。
◇ある意味で原点回帰?
--演技でもインテリジェンスを意識した?
小松さん それはもう(笑)。ここ数年で一番人数の多い現場なのですが、毎回毎回、試行錯誤しながら演じています。流れやテンポを重視してくださっていて、熱量がすごいんです。
豊崎さん 私は声優になって、20年近く経つんですけど、初めての経験もたくさんありました。
石川さん 絵の作り方も見たことがないものがありますし。
小松さん 見たことがないような台本もありましたよね。5段組みになっていたり。まだまだ新しいことがあるんだ!となりました。
豊崎さん 台本を読んだ時、頭の中ではイメージできなくて、リハーサルで、こういうことだったんだ……と分かったり。初めての経験がたくさんあって幸せです。チャレンジがたくさんあるんです。それはアニメーターの皆さんや音楽チームもそうだし、私たち音響チームも毎回、新しいアプローチにチャレンジしています。
石川さん 勢いとノリを大切にしていますよね。
豊崎さん 鶴岡(陽太)音響監督は、空気感や流れを大切にしていて、ライブ感の中で生まれるお芝居をまとめ上げてくださっています。
石川さん 普段だと別録りになるところも、ライブ感を大切にやっていて、ある意味で原点回帰みたいなんです。
小松さん ベテランの方もいらっしゃって、この方がこんな兼役を!?となったりしますし、ぜいたくなんです。
石川さん 本当にぜいたく! 絵と音楽、演技……と総合芸術なんです。
豊崎さん でも、せーの!でやるから、意外にアフレコは早く終わるんです。相手のテンションをいかに超えるか……と全身で表現していて、すごいことになっています。どんどんテンションが上がって、汗をかいています。
小松さん 試されているな!という汗もありますしね。格闘技みたいなんです。
--テンポ感も大切にしている?
小松さん あえて少し外すところもあって、駆け引きがあるんですよね。
石川さん 出来上がっている絵は計算されていますが、あえてちょっと崩すことがあるんです。
インタビュー(2)に続く。
提供元:MANTANWEB