解説:「鬼滅の刃」愛され続ける煉獄さんの魅力 柱にも慕われる20歳 自力で炎の呼吸を極めた努力の人
配信日:2025/05/05 7:01

吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の劇場版「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、5月9日から全国423館でリバイバル上映される。2020年10月に公開され、国内歴代興行収入1位となる約404億円を記録した大ヒット作で、公開当時、メインキャラクターである炎柱の煉獄さんこと、煉獄杏寿郎の勇姿に心を動かされた人も少なくないだろう。リバイバル上映を前に、無限列車乗車前の煉獄さんの行動などから、その魅力を解説する。
◇義勇、伊黒、実弥より若い20歳 自力で炎の呼吸極める
公式ファンブック「鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録」(集英社)によると、煉獄さんの年齢は20歳、身長177センチ、体重72キロ。柱の中では、27歳の岩柱・悲鳴嶼行冥、21歳の水柱・冨岡義勇、蛇柱・伊黒小芭内、風柱・不死川実弥より年下だ。元炎柱の煉獄槇寿郎を父に持ち、子供時代は剣を教わっていた。弟・千寿郎に慕われる兄でもある。
剣士としては、恵まれた環境で育ったように思えるが、父・槇寿郎は妻を亡くすなどして酒に溺れ、息子たちに剣を教えることを放棄してしまう。そこから煉獄さんは、たった3巻しかないという炎の呼吸の指南書を読んで鍛錬し、自力で炎の呼吸を極めて炎柱になった。努力の人だからこそ、竈門炭治郎ら後輩隊士にも優しく、面倒見がよいのかもしれない。
◇無限列車で牛鍋弁当を食べていた理由
テレビアニメ版「無限列車編」の第1話「炎柱・煉獄杏寿郎」では、無限列車に乗車する前日の煉獄さんの活躍が描かれている。煉獄さんは、40人以上もの行方不明者が出たという無限列車の調査を行うという新たな司令のため、とある駅を訪れる。駅では、切り裂き魔(鬼)により車掌が殺される事件が起きており、近隣のそば屋、駅弁屋は客足が途絶えていた。
煉獄さんは、切り裂き魔の鬼に襲われた駅弁屋のおばあさんと孫娘を助け、お礼として牛鍋弁当を受け取ることになる。それが「無限列車編」の冒頭で煉獄さんが「うまい! うまい!」と言って弁当を食べているシーンにつながる。ただ、大量の弁当のうち、お礼として受け取ったのは一つのみで、そのほかは煉獄さんが買い取ったものだ。そうした行動からも度量の大きさがうかがい知れる。ちなみに、駅弁屋のおばあさんは、20年前に現役時代の煉獄さんの父・槇寿郎に助けられていた。おばあさんは、息子である煉獄さんが戦う所作からそのことに気付く。
第1話「炎柱・煉獄杏寿郎」はアニメオリジナルエピソードだが、頼りがいのある柱としてほかの隊士と接する煉獄さん、そばを食べる煉獄さん、鬼殺隊ではない市民に接する煉獄さんと、さまざまな魅力が垣間見える。
◇最強の柱にも「いいやつ」認定される煉獄さん
「無限列車編」の第1話「炎柱・煉獄杏寿郎」の大正コソコソ噂話では、ほかの柱から見た煉獄さんの印象が語られる。蟲柱・胡蝶しのぶは「いい人ですね。話がかみ合わないときがありますけれど」、音柱・宇髄天元は「派手! 俺より目立つな。でもめっちゃいいやつだ」、霞柱・時透無一郎は「フクロウみたい。快活な声が心地よい人」、恋柱・甘露寺蜜璃は「かっこいいおにい様! 一緒に修行して楽しかった」などと語っている。
若干人付き合いに難がありそうな蛇柱・伊黒小芭内も「よく話す。性格がいい」、風柱・不死川実弥も「いいやつだ」、水柱・冨岡義勇も「よく話しかけてくれる」と心を許している様子。柱最年長の岩柱・悲鳴嶼行冥は「前向き、弱音を吐かない、正直」と語っており、一癖も二癖もある柱たちにも総じて「いいやつ」と評価される人格者と言えそうだ。
劇場版「無限列車編」では、心を燃やし、まさに命を懸けて多くの人を救った煉獄さん。リバイバル上映で、改めてその生き様を感じたい。
提供元:MANTANWEB