潘恵子:「宇宙戦艦ヤマト」に再び サーシャ役を受け継いだ娘・潘めぐみへの思い

配信日:2025/04/13 13:01

「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第三章「群青のアステロイド」のメインビジュアル(c)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会
「ヤマトよ永遠に REBEL3199」の第三章「群青のアステロイド」のメインビジュアル(c)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト3199製作委員会

 人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のリメークシリーズでマザー・デザリアム役として出演している潘恵子さん。1980年に公開された劇場版アニメ第3作「ヤマトよ永遠に」では人気キャラクターのサーシャを演じ、40年以上の時を経て再び「宇宙戦艦ヤマト」に出演している。「ヤマトよ永遠に」を原作に、新解釈を加えて再構成したリメークシリーズの最新作「ヤマトよ永遠に REBEL3199」では、娘の潘めぐみさんがサーシャを演じ、母から役を引き継いだことも話題になっている。恵子さんに再び出演することになった「宇宙戦艦ヤマト」、娘・めぐみさんへの思いを聞いた。

 ◇人を想うことの大切さ

 恵子さんが演じるマザー・デザリアムは、2021、22年に劇場上映された全二章の「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち」で初登場した。恵子さんは、「2205」のシリーズ構成・脚本を担当し、「3199」でシリーズ構成・脚本だけでなく、総監督も務める福井晴敏さんから熱望され、「宇宙戦艦ヤマト」に再び出演することになった。

 「サーシャには思い出がありますし、一つの作品で二役はとてもできないので、最初はお断りしたんです。私も年齢を重ねたので、何かあったら困りますし、新しい役はやめておこうと思っていました。やりたい人がいっぱいいらっしゃる中で、申し訳ないですしね。福井さんからご連絡をいただいたんです。『一度やっているので』とお話したのですが『今度はリメーク版なので違います』『AI役だから』とお話いただきました」

 恵子さんは、福井さんの熱い思いに背中を押され、「宇宙戦艦ヤマト」に“帰還”した。マザー・デザリアムは、謎多きデザリアムの最上位に君臨する存在だ。

 「今、AIが発展していますし、未来は普通にしゃべるんだろうなと思い、最初は普通の人間がしゃべっているように作っていたのですが、福井さんから『絶対的に上から目線。感情抜きで』というお話がありました。私は以前出演した『新竹取物語 1000年女王』を思い出しました。永遠の命を追い求めて、機械に体を売った人間の末路、というイメージでした。(『1000年女王』原作の)松本零士先生のお話になってしまいますが、『1000年女王』をやっている時から、機械に負けるな! AIに負けるな! 絶対に人間はAIに勝つ!とおっしゃっていたので、そこに重なったんです。私の中ではつながったんですけど、福井さんには『違う』と言われるかもしれません」

 恵子さんは、マザー・デザリアムの存在と「宇宙戦艦ヤマト」の壮大なテーマがつながっているようにも感じているという。

 「『3199』の最後がどうなるのかは分かりませんが、AIに勝てるのは何?と考えた時、人を想(おも)う心だと思うんです。恋愛、親子、友人……と誰かに何かをしてあげたい想い、人に対する想いがあって、感謝できる。AIにそれができるのだろうか? 人が、人を想うことがテーマだと思っていて、それが変わらないで存在することが素敵なんですね」

 ◇娘には役者の顔は見せてこなかった

 恵子さんは「2205」に続き「3199」でもマザー・デザリアム役として出演することになった。娘のめぐみさんが出演することは、福井さんから直接聞いた。

 「『2205』で終わるのかな?と思っていたら全然終わらなくて(笑)。ある日、福井さんと食事をした時、絵コンテを持ってきてくださったんです。そして、『サーシャはめぐみさんにお願いするから』とお話がありました。『めぐみにできるかしら?』と言っちゃったような記憶があります」

 「『ヤマトよ永遠に』のサーシャは、はかないけれど、今は女の子が強いですからね。サーシャは意志は強いんだけど、当時ははかなさが求められていて、時代だったのかな?とも思います。私より娘は強い。意志も体力、精神も強いんです。私が26歳で演じたサーシャは14~17歳、はかない感じが娘にできるのかしら?と思ったんです。でも、絵コンテも見せていただいて、この時代のサーシャならできるかな?とも思いました」

 娘のめぐみさんは、2011年に「HUNTER×HUNTER」の主人公のゴン=フリークス役で声優デビューし、数々のアニメに出演する人気声優だ。恵子さんは、親子共演は「嫌なんです」と明かす。

 「イベントとかで一緒に座るのはいいんですけど、やっぱりお芝居は嫌なんです。別の人格を演じていますし、普段は子供に見せていないところを見せるのが嫌なんです。子供は独り立ちしなきゃいけないですし、役者ですから私生活は表に出したくない。役が壊れちゃいますから。声優は、キャラクターが大切なので、本当は表に出ない方がいいと思います。やっぱりキャラクター重視なので。昔からそれがモットーだったんです。そうできなかった時期もあるんですけど(笑)」

 母から娘にサーシャ役が受け継がれたが、アドバイスなどはしなかった。

 「私から何か言うことはないです。心配もしていません。言ったのは本当に最初の頃だけです。『HUNTER×HUNTER』のオーディションの前に、部屋で練習しているのが聞こえてきて、『それでは相手がいないわよ!』と言っただけです。『相手がいて、相手がどう思うかが大切だから……相手は誰なの?』と。それを言ったら、分かったようです。『宇宙戦艦ヤマト』にも、人を想う気持ちが込められています。どんな時でも人を想う気持ちは絶対なくならないから」

 「同じ仕事をしているけど……」とめぐみさんへの思いを語る。

 「仕事について話をしたのは本当に最初だけですね。バラバラに暮らすようになりましたし。役者は特殊ですから、一緒には暮らせないですね。娘が生まれてからも、仕事に行く時、家の鍵を掛けた瞬間、別人になる。家に帰ったら、お母さんになるって決めていました。普段は普通のお母さんじゃないといけない。彼女をスタジオに連れて行ったこともないし、役者の顔は見せてこなかったんです。マイクの前に立つと、私の世界になるから見せたくないんです。演じていると、タイミングを見ないといけないし、冷静な部分も持っていないといけません。すごく集中力がいります。それくらいのめり込まないと、役を作れませんから」

 「3199」で、めぐみさんの演じるサーシャの声を聞いて感じたことを「私よりハマってます(笑)」と話す。

 「私がサーシャを演じた時はど新人でしたが、娘はいろいろと積み上げてきましたから成長を感じましたし、心配していません。『ヤマトよ永遠に』の時、大先輩の(古代進役の)富山敬さんの『サーシャ!』というセリフに愛を感じました。私のことが好きなんだ!と思うくらい愛情のこもったセリフでした。私は素晴らしい現場に育てていただきました。娘も、私が何か言うより、現場で皆さんに支えられ学んでいるんですね」

 「ヤマトよ永遠に REBEL3199」は全七章で、第三章「群青のアステロイド」が4月11日から上映されている。マザー・デザリアム、サーシャはまだまだ謎も多いこともあり、今後の展開に注目していきたい。

提供元:MANTANWEB

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