カロリーを「ヤー」で爆発させる——なかやまきんに君の芸風はジャンプ漫画からの影響を受けていた

カロリーを「ヤー」で爆発させる——なかやまきんに君の芸風はジャンプ漫画からの影響を受けていた(2ページ目)

更新日:2019/11/26 10:00

友情・努力・勝利に対するイメージ

――好きな作品に「ジャンプ黄金期」の作品が多いようなのでお聞きしたいのですが、週刊少年ジャンプの三原則として知られる「友情・努力・勝利」について、なかやまさんはそれぞれどんなイメージを持っていますか?

まず「努力」については、僕には「努力は裏切らない」とか「そのときは意味がなくても、いつか必ず何かにつながる」っていう考え方があるんですよね。だから、筋肉留学でサンタモニカ・カレッジに通っていたときも、必ず勉強だけはしようと思って。

――勉強に熱が入りすぎて、半年に1回しか筋トレしなくなっちゃったんですよね。でも1年半で、しかも好成績で卒業された。

自らにハードルの高い目標を課して、努力して、乗り越えていく。それが人生のテーマとしてあると思ってるんですよ。現状維持という考え方はなくて、常に成長できるか、それがベースにあるんですね。

常に成長を目指しているなかやまさん

常に成長を目指しているなかやまさん

――「勝利」についてはいかがでしょうか?

ちょっと強引ですけど、自分で設定した目標に打ち勝っていくという意味での「勝利」は、無意識に考えていることかもしれないですね。

――「友情」については?

友だちが好きで、いつも一緒にいて……というのは基本的にないですね。

――今年はフィジーク【※】の大会に初挑戦して、その後、たこ焼き屋さんの店内で感極まって泣いていましたよね。

※フィジーク=筋肉のバランスのよさを審査する競技。筋肉のデカさが評価されるボディビルとは評価基準が異なる。

まさかの涙でした。

突然あふれ出た涙に自分でも戸惑ったそう

突然あふれ出た涙に自分でも戸惑ったそう

(YouTubeチャンネル「ザ・きんにくTV 2nd」より)

――あの涙は「自分と同じように努力して鍛えてきた同志に出会えて、感慨深いものがあって流れた涙」に見えました。「友情」に近いものがあるんじゃないかと思ったのですが。

僕が筋トレを始めた高校3年の頃って、同級生はバイクとかギターに興味のある人が多くて。でも僕は「筋トレは間違いない、こんなにかっこいいものはない」と思ってやりだしたんですよ。学校の中で僕だけだったので、トレーニングについて話せる友だちがひとりもいませんでした。

――そこだけ聞くと、ちょっと切ないですね。

高校を卒業して僕がお笑いをやるって言ったときも、周りに誰も賛同してくれる人がいなくて。それで20歳の頃、大阪のお笑い養成所に行って、同じ志を持つ人たちの中に入ったんですけど、当時は筋トレをしてる人はいなくて。どこかで孤独を感じるところもあったんですよね。

当時のことを述懐するなかやまさん

当時のことを述懐するなかやまさん

――そんな背景があったとは、芸風からはなかなか想像できないですね。

オールジャパン(フィジークの大会)に出場したとき、僕と同じく10代、20代の頃から鍛えている40歳以上のマッチョたちが集まっていて。「心無い言葉をかけられたこともあるんだろうな」とか「仕事が大変でも続けてきたんだろうな」とか、感覚がわかるじゃないですか。それで、うれしくて涙が出てきた感じですね。

――過去を振り返って、不意に涙が出ることってありますよね。

やっぱりね、大会前の減量って大変なんですよ。孤独だし、辛いし、もうやめようかなって思うけど、それでも乗り越えて。大会に出て、同じ志を持つ、同じ世代のすごいマッチョたちに出会えて、うれしかった。筋トレをやっていてよかったなって思いましたね。

「アメリカのメディアに露出したい」その想いはずっと変わらない

常に背筋が伸び、姿勢が美しいなかやまさん

常に背筋が伸び、姿勢が美しいなかやまさん

――今年はフィジークに挑戦されたり、仮面ライダーゼロワンに腹筋崩壊太郎(ふっきんほうかいたろう)役で出演されたり、なかやまさんにとって大きな出来事が重なった年かと思います。刺激を受けて新しい目標ができたなど、何か変わったことはありますか?

新たなものはないんですよね。筋肉留学に行ったとき、留学の理由が2つあったんです。1つ目は、西海岸のベニスビーチが筋肉のメッカとして紹介されていたので、その憧れから。2つ目は、ハリウッドでオーディションを受けたりアメリカのテレビや映画に出たりしてみたかったから。その2つは昔からまったく変わってないですね。だから僕は「チャンスがあればアメリカのメディアに露出したい」という気持ちでずっとやっています。

――では今後は、活動の場をどんどんアメリカに広げていくのでしょうか?

そうですね。完全に移住とまでは考えてないですけど。今はインターネットがあって、YouTubeがあって、アメリカにいても自分のやりたい活動ができるので。

――最近ではYouTubeで2つ目のサブチャンネルも開設されて、さらに活動が活発化していますよね。前々からネット上であらぬ噂になっていた「筋肉留学で笑顔が消えた理由」についても、しっかり弁明されていました。

サンタモニカ・カレッジで噂の真相を語るなかやまさん

サンタモニカ・カレッジで噂の真相を語るなかやまさん

(YouTubeチャンネル「ザ・きんにくTV 2nd」より)

そうですね。どのタイミングで説明すると面白いかと考えたときに、サンタモニカ・カレッジをバックに撮影するのがいいなと思いまして。意味合いというか、ストーリーがつながりますしね。

2011年、サンタモニカ・カレッジ卒業時

2011年、サンタモニカ・カレッジ卒業時

「きんにく留学☆BLOG」より)

――今後はどのような動画をアップしていきたいですか?

この前もアメリカに行って、テレビでMCもやっている有名なボディビルダーや、腕まわり65センチの大統領専属シェフと出会って、コラボ動画を撮ったんです。今後もそういう面白い人たちとつながって、筋肉でどんどん輪を広げていきたいですね。それこそ本当に、シュワルツェネッガーとコラボしたりとか。

――筋トレ系のYouTuberは日本にたくさんいますけど、そこまでスケールの大きいことをやっている人はなかなかいないですよね。

そうですね。「ザ・きんにくTV」というチャンネル名でやってますけど、「本当にそういうテレビ番組があったら」と考えながら作っています。トレーニングの解説動画もアップするし、インタビューや大会のレポート、面白い筋トレマシーンについての取材もします。もしテレビであったら、そういう内容になると思うんですよね。

健康、お笑い、地球環境……興味のある活動を広げていく

まるまると隆起した上腕二頭筋

まるまると隆起した上腕二頭筋

――サブチャンネルで公開しているレイザーラモンHGさんとのコラボ動画の中で、「昔はキャラ芸人であることの不安がストレスになっていた」とお話されていました。今はどうですか?

今はないですね。

――それは、お笑い芸人以外にも活動の幅が広がったからでしょうか?

今はSNSやYouTubeという、本来自分がやりたかったことを自分で発信できる場所ができたので、テレビに依存しなくてよくなったと言いますか。昔はテレビから外れたらすべて終わりみたいな時代だったので。

――では今後は、メディアを問わず、自分のやりたいことを重視して活動していくということですね。

そうですね。僕はちっちゃい頃から「健康」と「お笑い」、あと「地球環境」に興味があるんです。

――えっ……!? 地球環境ですか?

まだどのメディアでも言ったことがないんですけど、今後は、地球環境に関わる活動もしていきたいと思っています。それがどういう活動になるのかは、これから考えて決めていくことになりますね。

なかやまきんに君

自分の考えを真剣に話してくれるなかやまさん

――社会貢献ですね。ステキな目標だと思います。

地球環境をよくすることが「健康」にもつながりますしね。タレント以外の、その先の目標として、そういうことをしていきたいです。海外で活躍したいのも、地球環境に関する活動を、より影響力をもって行えるようにという気持ちも含まれています。そこだけ切り取ると「いいヤツぶってる」と思われてしまいそうですけど、もちろん、ハリウッド映画に出たいとか、そういう個人的な理由も強くあるんですけどね。

――貴重なお話をありがとうございました! 最後に、読者のみなさんに一言メッセージをお願いします。

では、いつものヤツいきましょうか。せーの……

「パワー」

「パワー」

「……」

「……」

「ハッ(笑顔)」

「ハッ(笑顔)」

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筋肉のデカさに圧倒されながらのインタビューでしたが、マジメに、そして丁寧に質問に答えてくれるその様は、まるで紳士でした。いつもパワフルで面白いなかやまさんの、意外な一面を知ることができ、人間としての奥行きを感じました。今回語ってくれた目標がいつか叶う日を楽しみにしています!

編集:有限会社ノオト
撮影:yansuKIM

プロフィール

なかやまきんに君(なかやまきんにくん)

1978年9月17日生まれ。福岡県出身。2000年にデビューし、翌年、吉本新喜劇に入団。2003年、第24回ABCお笑い新人グランプリ審査員特別賞受賞。同年、TBS筋肉番付スポーツマンNo.1決定戦芸能人サバイバルバトルにて優勝。以降、前人未到の4連覇を達成。2006年、R-1ぐらんぷり2006決勝進出。同年10月から2011年まで米・ロサンゼルスへ筋肉留学。サンタモニカ・カレッジ運動生理学部を卒業。帰国後、ボディビルダーとしても本格始動し、ボディビルの大会で準優勝3回、9位入賞1回と好成績を収める。2019年には、東京オープンボディビル選手権大会メンズフィジーク40歳以上級に初挑戦し、9位入賞。同年、テレビ朝日「仮面ライダーゼロワン」に腹筋崩壊太郎役として出演。その活動は多岐にわたる。

◆吉本興業 なかやまきんに君 公式プロフィール

https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=647

◆なかやまきんに君 公式YouTubeチャンネル「ザ・きんにくTV」

https://www.youtube.com/channel/UCOUu8YlbaPz0W2TyFTZHvjA

◆なかやまきんに君 公式Twitter

https://twitter.com/kinnikun0917

◆なかやまきんに君 公式Instagram

https://www.instagram.com/nakayama_kinnikun/

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作者

うないいちどう

うないいちどう

有限会社ノオト所属のライター・編集者。気さくな人柄。
【Twitter】@EinsWappa

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