モモコグミカンパニーインタビュー(後編):「彼を超える人物が現れない」大好きな男性キャラとは? ご自身の恋愛観や、仕事観を語る!
更新日:2018/11/21 10:00
“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバーとして活躍するモモコグミカンパニーさん。「自分がステージに立つ人になれるとは思っていなかった」と語るモモコさんの一番辛い時期を支えてくれた国民的漫画家とは?ハマっている漫画、好きな男性キャラ、今後一人で挑戦したいことも教えてもらいました!
理想の男性は「サボテンの秘密」の藤岡
――他に好きな漫画はありますか?
私、春田なな先生の描かれるラブコメが大好きなんです。好きになったきっかけが「サボテンの秘密」 (春田なな/集英社) でした。
モモコグミカンパニー
主人公の山田未来(やまだ みく)が藤岡京平(ふじおか きょうへい)という男の子にずっと片思いしているですけど、天然だから、めっちゃアピールされても全然気づいてくれないんです。
天然な感じの男の子に対して、女の子がけなげに頑張ってる、その組み合わせが萌えるんですよね。自分もあらゆる面において不器用だから、こういうお話が好きなのかもしれません。
――この二人の場合、藤岡くんが天然過ぎてなかなかくっつかないのがヤキモキしますよね。
私は、最初から両思いで、色んなゴタゴタに巻き込まれる恋愛ものより、片思いを頑張って最後に付き合える…みたい展開の方が好きなんです。「サボテンの秘密」 (春田なな/集英社) も、片思いが振り回されてる感じがかわいいんですよね。
――藤岡くんみたいな男性のタイプは好きですか?
藤岡くんの天然さ加減が可愛すぎて、私の中ではどストライクなんです。少女漫画の男性キャラクターって、基本的にキラキラしてますよね。でも藤岡くんは特にキラキラしてないし、甘い言葉も一言も言わないけど、ふとした爆弾を落としていく…。そういう狙ってない自然体なところがいいんですよ。もう藤岡くんが好きすぎて、彼を超える人物がなかなか現れないんです。
――そんな藤岡くんが一番かっこいいと思うシーンはどこですか?
体育祭のとき、藤岡くんが全校生徒の前で「山田が好きだー!」って言うんです。そこがめっちゃかっこよくて、一番キュンとくるポイントです。
嘘が絡み合う…タイトルの謎にも注目!
モモコグミカンパニー
――他に、お好きな漫画として「ライアー×ライアー」 (金田一蓮十郎/講談社) を挙げていただきました。
主人公の高槻湊(たかつき みなと)ちゃんが、JKの格好をして街に出たら、義理の弟の高槻透(たかつき とおる)に恋されちゃう…っていうお話です。まだ途中までしか読んでないんですけど、湊ちゃんがJKのふりをしているのを、実は透は知ってるんじゃないか…とか、色々考えてしまいます。
――毎日顔を合わせてるのに、バレないものなのかと思っちゃいますよね。
そうそう、だから本当は絶対バレていると思うんですけどね。…タイトルも「ライアー×ライアー」 (金田一蓮十郎/講談社) なので、嘘つきと嘘つき…じゃあ弟も何か嘘ついてるんじゃないかな?と。
――「ライアー×ライアー」 (金田一蓮十郎/講談社) ではどのキャラクターが好きですか?
やっぱり弟くんかな。ちょっと鈍感で、女たらし…あっ、藤岡くんと一緒だ(笑)。昔は女たらしだったけど、今は一人の人に一途になっている…みたいな人が好きなのかもしれないです。
「ライアー×ライアー」 (金田一蓮十郎/講談社) は漫画が完結しているので、続きを読むのがとても楽しみです。
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「好き」の気持ちを考えさせる漫画
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――「恋と嘘」 (ムサヲ/講談社) も読んでいるそうですが、今までお話いただいた漫画とは少しテイストが違いますね。どんな漫画でしょうか?
国によって決められた相手と結婚しなきゃいけない、という法律がある世界のお話です。他に好きな人がいるのに…勝手に決められてもその人のこと好きになれない…みたいな、登場人物たちの葛藤が描かれています。
普段はあまり読まない少年向けの漫画で、女の子のちょっとエッチな描写もあるんですけど、ストーリーの設定が面白いので、どんどん読み進められちゃいます。
モモコグミカンパニー
――設定が結構現実と離れていますが、特に抵抗なく読めますか?
確かに現実とはかけ離れているんですけど、共感できる部分があって、自分の“生”の感情を大切にしていかなきゃな、と考えさせられます。男の子も女の子も、登場人物がみんな「好きってなんだろう」という感じで、ずっと「好き」という気持ちについて悩んでるんですよ。
――何故この漫画を読み始めたんですか?
「たまには違う世界観の漫画を読んでみよう!」と思ったことと、「男の人はどんな女の子が好きなんだろう?」と、ステージに立つ自分の勉強のために買いました。
――何かヒントは見つかりましたか?
やっぱり女の子の思う可愛いと、男の子の思う可愛いって、ちょっと違うんだなって思いましたね。男の人は、あんまり細かいネイルやメイクに対して「可愛い」と思うことはほとんどなくて、女の子の表情や仕草とか、無意識なものや自然なものに惹かれるんだなと思いました。
――確かに、ネイルやメイクを褒める男性って少数派ですよね。
あと、少女漫画は女の子がキュンとするためのものだから、男の子から「好きだ!」と言ったり、色んなアクションをすることの方が多いと思うんです。でも少年漫画は、女の子の方が男の子に積極的に向かっていくことが多い気がする。男の子はそれにキュンとする…みたいな。女の子も男の子も、相手から言われたいのは一緒なのかな、と思いました。
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BiSHとの出会いは運命だった
モモコグミカンパニー
――どちらかというと少女漫画を読まれるのかな、という印象ですが、ご自身やご自身の恋愛と重ね合わせて漫画を読むことはありますか?
やっぱり少女漫画のほうが感情移入して読めると感じます。私自身、恥ずかしがり屋で、恋愛でも自分から好きと言えないタイプなんです。だから、なかなか気持ちを伝えられない主人公を見ると「わかる!」と共感します。
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――現在はBiSHのメンバーとして人前に立っていますが、本来は恥ずかしがり屋なんですね。
実は、クラスで先生に名前を呼ばれるだけで顔が真っ赤になるような子どもでした。できるだけ目立ちたくないと思っていたんですけど、どう道を間違ったか、今はBiSHをやらせていただいています(笑)。
モモコグミカンパニー
――どのような経緯でBiSHのメンバーになったんですか?
もともと芸能の仕事に興味はあったんですけど、“自分はなれるような人間じゃない”って決めつけていたんです。
そんなある日、本屋でぱらぱらとオーディション雑誌を読んでいたら、BiSHのオーディションが目に入ったんです。そのときはプロデューサーの渡辺淳之介さんも、BiS(渡辺淳之介が手掛けた人気グループ)のことも全く知らなかったんですけど、なぜかピンときて。実際にBiSHのオーディション会場に行ったときの雰囲気や、渡辺さんと話したときにしっくりきたので、運命の出会いだったのかなと思います。
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――“モモコグミカンパニー”として振る舞いに気をつけていることはありますか?
やっぱり人に見られる仕事なので、自分を客観視して、今ステージ上でどういう表情でいたら良いのか、というのはよく考えますね。自分のやりたいことをそのままやっても仕方がない気がするので。自分のやりたいこと含め、お客さんから求められているものが何かというのを察知して、それを考えて動かなきゃなと思ってます。
お客さんがいるからこそのモモコグミカンパニーだから、Twitterの発言でも「カラコン入れたいなー」じゃなくて「カラコン入れたいんですけど何色が似合うと思いますか?」とか、何気ない話題でも「こういう投稿のほうがリプライがいっぱい来るんじゃないか」と、必ず見ている人が入る隙を作るようにしてます。
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――最後に、記事を読んでいただいた方に一言お願いします。
本や漫画は自分の世界が広がるものだと思うので、少女漫画なら少女漫画だけとしばらずに、気になったものをどんどん読んでいくことは大事だと思います。
BiSHも「楽器を持たないパンクバンド」という肩書でやらせていただいてるんですが、実際にはPOPな曲や、教育番組にありそうな曲など、色んな音楽を作っています。 “パンクバンドに興味はないな”という人も、ワンマンライブなどに来ていただけたらBiSHの印象も変わるんじゃないかなと思うので、ぜひ一度来てみてください!
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- 少女漫画 ライアー×ライアー
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BiSHに加入して間もない頃、悩んでいた時期にさくらももこ先生の漫画に救われたというモモコグミカンパニーさん。小さな体でいくつもの大きな壁を乗り越えたモモコさんが、いつか書かれる小説を読んでみたいですね。
写真:原恵美子
プロフィール
モモコグミカンパニー
“楽器を持たないパンクバンド”BiSHのメンバーの一人。メンバー内でも一番の本好きで知られ、BiSHの楽曲でも多くの作詞を手掛ける。2018年3月発売、BiSHの歴史を綴った「目を合わせるということ」(シンコーミュージック・エンタテイメント)は、自身初の著書となった。
◆BiSH 公式サイト
◆WACK (在籍事務所) 公式サイト
◆モモコグミカンパニー 公式Twitter
https://twitter.com/gumi_bish
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